レビュー
「アルカナディア ユクモ」レビュー
2023年7月7日 00:00
優雅な和風ファンタジーを体現した「ユクモ」
最初に「ユクモ」のノーマルモードを見ていこう。
正面からは涼し気な和風衣装で優美な姿となっている。後ろは大きなしめ縄のような結び目やボリュームのある尻尾でファンタジー感が強くている。和風ファンタジーでは巫女服イメージの衣装と狐のような獣人はポピュラーなスタイルだろう。
プラモデルでその複雑なデザインに加え、豊かな表情とポージングの幅広さは美少女プラモデルならではの魅力だ。
次は戦闘状態の「ウィライズモード」を見ていこう。
こちらは長い袂に鈴のアクセサリが追加され、腰のしめ縄も一回り大きめの元となっている。左足は二ーソックスのような意匠となり、下駄の底も上がっている。
そして、錫杖型の武器を手にすれば、修験者のような厳かな雰囲気も感じられるものに。その武器が仕込み刀というのもロマンを感じつつも、「ユクモ」の見た目とのギャップも面白い。
「ルミティア」、「ヴェルルッタ」と並べてディスプレイすれば、日常の何気ない一コマや緊張感ある戦闘シーンも再現できる。
「アルカナディア ユクモ」を触ってみて和風ファンタジーの趣を色濃く出しつつ、細かい部分にも気が配られていると感じられた。
全体を見ればゲームやマンガなどでよく見る獣人、巫女服的な要素が真っ先に目に入る。しかし、よく見れば衣装の中に散りばめられた神道的な部分やファンタジー的なしめ縄的なアクセサリの巨大感は見ていて楽しい。
特に尻尾は本体と比較しても大きく、「ユクモ」の個性をより強めている。支柱で支えることでポージングも柔軟に対応でき、“尻尾の表情付け”もわかりやすい。また、錫杖に仕込み刀とウィライズモードでの袂との相性の良さや優美な雰囲気とは違った冷徹さを感じさせるギャップも面白い。
「アルカナディア」シリーズらしい各キャラクターのイメージを最大限に表現する造形に加え、今回の「ユクモ」は小さなギャップ要素があるのが新鮮に感じられた。
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