レビュー
「超合金魂 GX-104 ガオファイガー」レビュー
これぞガオファイガーの決定版! しっかりとした変形合体が楽しめる!
2023年8月19日 00:00
- 【H超合金魂 GX-104 ガオファイガー】
- 7月29日発売
- 価格:40,700円
- 全高:約260mm
- 重量:1257g
- 材質:ABS、PVC、ダイキャスト製
BANDAI SPIRITSコレクターズが発売した「超合金魂 GX-104 ガオファイガー」はこれまでいくつも発売されているガオファイガー商品の"決定版"と言える商品である。しっかりした変形合体で、いくつものメカが合体し巨大ロボットとなる「ファイナルフュージョン」が楽しめるのだ。
各形態のプロポーション、ギミック、そして合体したガオファイガーとしてのマッシブな姿……。全高約260mm、重さ1257gの重量は持っているだけ、眺めているだけでも満足感がこみ上げる。
今回、「超合金魂 GX-104 ガオファイガー(以下、超合金魂 ガオファイガー)」のギミックをたっぷり紹介したい。ガオファイガーならではのメカニカルなデザイン、パワフルなシルエットが楽しめる商品である。
ガオガイガーに代わる純地球製の勇者王、メカニカルなデザインが魅力
最初にガオファイガーというモチーフについて少し掘り下げよう。ガオファイガーは2000年のOVA「勇者王ガオガイガーFINAL」に登場するメカである。本作はTVアニメ「勇者王ガオガイガー」の続編に当たる。
「勇者王ガオガイガー」では宇宙より飛来したメカライオン・ギャレオンにより、はるか彼方にある「緑の星」の技術と来たるべき脅威への警告がもたらされるところから物語が始まる。地球側はギャレオンのデータを解析、ギャレオンに救われサイボーグになった獅子王ガイは"勇者"になりギャレオンとフュージョン(合身)、さらにギャレオンのデータを活用したメカ・ガオーマシンとファイナルフュージョンし、ガオガイガーとなって地球に襲いかかる脅威と戦う。
彼を助けるのはギャレオンが運んできた赤子が成長した少年・天海護。ガイと護は地球を守る組織GGG(スリージー)と、超AIを持つ「最強勇者ロボ軍団」と共に、様々な戦いを乗り越えていく。「勇者王ガオガイガー」のラストで護はギャレオンと共に他の星の脅威を探るべく旅立っていく。
「勇者王ガオガイガーFINAL」ではさらなる戦いが描かれる。ギャレオンが旅立ったことでガオガイガーに代わる戦力として生まれたのが「ガオファイガー」である。異星文明の産物であるギャレオン/ガイガーをコアとしていたガオガイガーと異なり、ガオファイガーは100%地球の技術が生み出したロボットとなる。コアとして新しくファントムガオーというメカが作られ、ガイとフュージョンすることでガオファーとなり、ガオファーを中心にガオーマシンが合体、ガオファイガーとなる。
ガオファイガーの正式名称は「ファイティング・ガオガイガー」。戦いを経てエヴォリュダーという新しい種に進化したガイの能力とリンクする「エヴォリュアル・ウルテク・パワー」によってガオガイガー以上の力を発揮する。ガオガイガーの強化体である「スターガオガイガー」のウルテクエンジンを小型化、さらに武器を強化するリングを自ら生成する能力を獲得している。膝のドリルも強化されており、ガオガイガーから戦闘力は大きく向上している。
ガオファイガーをデザインしたのはメカデザイナーの藤田一己氏。スタイリッシュでエッジの立ったデザインをする藤田氏らしく、ガオガイガーに比べるとシャープなイメージを受ける。地球製のメカとして実用兵器らしさ、戦闘機的なカッコ良さを盛り込んでいるという。一方、企画時は立体化を前提としていなかったということで立体化したときにいくつかの矛盾点が生まれてしまった。
例えばファントムガオーからガオファーになるときに、ファントムガオーのウィングが亡くなってしまう。合体時に後ろに回されたガオファーの腕がガオファイガーでは見えなくなってしまうといったポイントだ。「超合金魂 ガオファイガー」ではファントムガオーの翼はサイドアーマーに収納。合体時には背中のステルスガオーIIIの内部にガオファーの腕が収納される、といった解釈で立体化を成し遂げている。
ちなみに「勇者王ガオガイガーFINAL」の後の物語を描く小説/コミック「覇界王~ガオガイガー対ベターマン~」では、ガオファイガーのさらなる活躍も描かれる。この作品で初披露となる「高速移動形態」は、本商品で再現可能となっている。「覇界王」はこれまでの集大成となっており、ガオファイガーの活躍シーンも多い。ファン必見といえる作品だ。
しっかりとした各ガオーマシンのプロポーション
いよいよ商品の詳細を紹介したい。「超合金魂 ガオファイガー」では劇中通り、「ファントムガオー/ガオファー」、「ステルスガオーIII」、「ライナーガオーII」、「ドリルガオーII」の4つのメカがファイナルフュージョンし、ガオファイガーとなる。各マシンを見ていこう。
ファントムガオーは"幽霊"のように、姿を消すことができる戦闘機だ。マッハ2.5で飛行することができ、ガイを素早く目的地まで運ぶことができる。ファントムカモフラージュで完全に周囲に溶け込むことができ、隠密行動も得意だ。
ファントムガオーはガイとフュージョンすることでガオファーとなる。「超合金魂 ガオファイガー」でもファントムガオーからガオファーへの変形が可能だ。まず、腕部分を動かし、ツメを収納、装甲を動かして拳を出す。
そして足の変形だ。ここは構造が複雑で、初見だとどう変形するかわかりにくい。説明書を見て、まずしっかり足の付け根を下に曲げ、その後に足全体を回転させ、太ももを関節ブロックにかぶせるように曲げていく。ネットでは股関節の破損報告なども聞かれたが、構造そのものはしっかりしているので、無理に動かすことをせず、関節を曲げていけばしっかり変形できるはずだ。耐久力に関してかなり考えた設計をしていると感じた部分だ。
足先を変形させたら頭部の変形。カバーを背中に逃がし、首部分を引っ張り出してから基部を回転させ胸部分に合わせる。胸の装甲を肩部分に引き上げたらガオファーへ変形完了だ。
ガオファーは「叫び顔パーツ」と交換用手首がついている。「超合金魂 ガオファイガー」ではガオファー単体でも200mmを超える大きさで金属パーツも随所に使われているので、単体でも満足感があるし、遊んでいても楽しい。腹部はくるりと回転しファントムリング発生器が現れる。
「ステルスガオーIII」はステルス爆撃機のような姿をした戦闘機。高速移動が可能でガオファーと合体、ガオファーにより速い飛行能力を付与することが可能。翼端には「ウルテクエンジン」を搭載している。
ドリルガオーはガオーマシンの中で一番重い。足先がまるまる金属パーツになっている。膝部分のコクピットのクリアパーツや、先端と2層が逆回転する複雑な動きを見せるドリル、キャタピラなど見所も多いメカだ。こちらもガオファーと合体できるが、重さがあってポーズを付けて飾るのは難しい
ガオガイガーでは新幹線だったライナーガオーだが、ガオファイガーの「ライナーガオーII」は宇宙船のような姿に。劇中では脱出カプセルとしても活躍した。新幹線の面影を残しつつロケットを複数装備したカッコイイデザインだ。
本商品の注目ギミックとして「高速移動形態」がある。「覇界王~ガオガイガー対ベターマン~」で見せた形態で、商品では専用のジョイントで再現できる。ガオファーが前方に手を伸ばし、ドリルガオーIIと接続してるので、この形態で手に取って持ち上げるというのはちょっと難しいが、想像力を刺激させる姿だ。
次ページはガオファイガーへのファイナルフュージョンを紹介したい。ガオファイガーとしてのプレイバリューは本商品の最大の魅力だ。
(C)サンライズ