レビュー
「レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌」レビュー
ハリポタファンなら感涙確実!緻密な造型で印象的なシーンを再現
2023年10月4日 00:00
- 【レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌】
- 発売元:レゴジャパン株式会社
- 発売日:2023年9月1日
- 価格:オープン価格
- 参考価格:22,480円(媒体調べ)
- ジャンル:ブロック玩具
- サイズ:(約)高さ21cm x 幅35cm x 奥行25cm
- パーツ数:2,660
今回は「姫路城」に続き、建物をメインとしたジオラマモデル「レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌」をレビューしていくぞ! ホグワーツといえば、ハリー・ポッターシリーズで数々の名シーンを生み出した、魔法魔術学校のこと。スコットランド地方のどこかに位置すると言われており、その広大な敷地には、天文台の塔や中庭、黒い湖など様々な建物やエリアがある。本製品では、それらを手頃なサイズでギュッとジオラマ化した、極上のアイテムとなるだろう。では、この魅惑的なモデルを実際に制作し、気づいた点や楽しかった点などを紹介していくぞ!
「レゴ ハリー・ポッター ホグワーツ城全貌」はファンや初心者に優しい説明書が付属
まず「レゴ ハリー・ポッター ホグワーツ城全貌」で驚いたのが、ズッシリと重いこと。パッケージサイズ的には前回の姫路城と同じに見えるが、中身的には1.5倍は詰まっている感じだ。ハリポタシリーズとはいえ、大人レゴの象徴ともいえる黒パッケージは伊達じゃない! 実際に開封してみると22個の袋に1枚の大型プレートという構成。これは重いはずだよね。
インストも2冊構成で、これまた豪華。内容はホグワーツ城に関する情報やモデルの組み方が掲載されている。だが、今回驚いたのは、組み方部分だ。以前より、パートごとに使用するパーツは囲みで別記載されていたが、それをどこに配置するかまでは記載されてなかった。ところが今回はどこに積めばいいのかを、キチンと赤線で囲んでいるのだ。だから、積み方のミスなど、ほとんど発生しなくなるんじゃないだろうか。大型のモデルの組み立てもこの仕様であれば格段にやりやすくなる。
袋1~11でホグワーツ城のベースと名シーンを制作!
まずは、袋1から11で、ホグワーツ城の土台となるベース部分を作る。普通の製品なら、ここでベースプレートを土台にして、緑地部分を作ったり、建物を置くためのかさ上げした崖や石垣などを作ったりするだけだろう。しかし、この製品はひと味違っており、ハリー・ポッターの物語に出てきた「洞窟内の部屋」なども内側に作るのだ。だから崖部分を作っていても全然飽きがこないし、とっても楽しめる。個人的には、これはハリー・ポッターを読み直すか、映画を観直してから作れば、もっと盛り上がったかもしれない。
実際の制作では、袋ごとにある程度のユニットを作り、ベース部分はこのユニットを拡張していくことで完成へと向かう。だから大きいベースに、貼り付けていくというよりも、ひとつひとつの袋で小さな作品を完成させていくイメージだ。ベースパートで楽しいのは、前述した物語に登場するシーンだけではない。袋3で作る崖や袋5で作る舗装された道など、ただ適当に並べているように見えながら、緻密に計算されたパーツ選定で、実にリアルに表現されている。だから、このようなジオラマモデルを組みたい方には、とても参考になるはずだ!
また本製品では大型のプレートを使っていないので、各ユニットが崩れないように補強も必要になる。袋4などではそういう裏方仕事を覚えるチャンスだ。また、袋11では色違いのクリアブルー系パーツで、黒い湖の浅瀬と深い部分を表現している。パーツも複数のパーツを交互に使うなどして、湖面が単調にならないところもスゴイ。全体を通して、ジオラマモデルの参考になる技術が惜しみなく投入されているので、組んでいて「ほう」とうなずくことも多いはず!
袋12~22でホグワーツ城の建造物を組み上げろ!
ベースができたら、いよいよ建造物の制作。全11袋という大ボリュームだ。ホグワーツ城は全体的にはタンと呼ばれるカラーのパーツをメインに、屋根をダークグレーのパーツで構成している。だから、単調になりそうな気がするかもしれないが、タンのパーツの種類は豊富だし、プリントパーツもある。これらのパーツを絶妙な組み方をすることで、緻密なディテールを表現するのだ。だから、インストラクションを1ページずつ読み進めていくごとに、たくさんの発見があるだろう。特にホグワーツ城の建物は、必ずしも左右対称ではないので、そのあたり不自然に見えないようにどのようなパーツを選ぶのかも参考になるはず。もちろん窓枠など、中にはプリントパーツを使うことで再現している部分もある。しかし、正統派を貫いて完成品のクオリティが落ちるくらいなら、プリントパーツでリアルに見せる方がファンも喜ぶに違いない。
実際の制作だが、メインタワー、天文台の塔、大広間、ボートハウス、温室などを、ユニット単位で制作してベースに積んだり、直接増築していったりと、ケースバイケースで組まれている。だから、組んでいる途中で「どうなっているんだ?」と思うこともあるが、組み合わせることで造型が完成すると、抜けていたパズルのピースが埋まる爽快感が味わえる。
基本的には袋12~21でホグワーツ城の建物を作り、残りの袋22でブラッシュアップする。メインタワーの造型では、バーと呼ばれる棒状のパーツで柱を再現したり、ヒンジパーツを使ったりすることで屋根の斜め表現している。また、スタッドの確度を変えるパーツを多用しているので、プリントパーツの使用用途が広いイメージだ。
完成品と見所&面白い遊び方を紹介!
実際の完成品は、8方向からの画像を見てその完成度の高さを感じてほしい。特にダームストラング専門学校の船、ボーバトン魔法アカデミーの馬車といったアクセントが、全体的な完成度を高めている気がする。また、建物をつなぐ橋や回廊なども、微妙に確度がついていて、とてもカッコイイ。とにかく見えないところでも、キチンとディテールがあるので、いろいろな確度から見れば気づかなかった発見もあるだろう。
また、建物ばかりに目を奪われがちだが、崖や湖の表現などにも注目してほしい。特に、陸地と湖の間を、斜めになっているウエッジパーツや、1/4円のパーツなどを多用することで、とても滑らかな海岸線とでもいうべき接点部分になっている。
最後に、面白い遊び方としては、映画で使われたプロップなどの建物画像を見て「どのようなパーツ構成や組み方をしているのかな?」などと考えながら組むのはいかがだろうか。まさにパズル感もあるし、オリジナルモデルを制作しているアマチュアビルダーであれば、脳トレにもなるはず。
いずれにせよ、大型モデルのような迫力はないのかもしれないが、様々な技術と見所を濃縮したモデルで、今年のナンバーワンモデルといってもいいほどだ。ハリー・ポッターファンでなくても、ぜひ手に取って、その魅力を感じてほしい。
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