レビュー

「レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌」レビュー

ハリポタファンなら感涙確実!緻密な造型で印象的なシーンを再現

【レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌】

発売元:レゴジャパン株式会社

発売日:2023年9月1日

価格:オープン価格

参考価格:22,480円(媒体調べ)

ジャンル:ブロック玩具

サイズ:(約)高さ21cm x 幅35cm x 奥行25cm

パーツ数:2,660

 今回は「姫路城」に続き、建物をメインとしたジオラマモデル「レゴ(R)ハリー・ポッター(TM) ホグワーツ(TM)城全貌」をレビューしていくぞ! ホグワーツといえば、ハリー・ポッターシリーズで数々の名シーンを生み出した、魔法魔術学校のこと。スコットランド地方のどこかに位置すると言われており、その広大な敷地には、天文台の塔や中庭、黒い湖など様々な建物やエリアがある。本製品では、それらを手頃なサイズでギュッとジオラマ化した、極上のアイテムとなるだろう。では、この魅惑的なモデルを実際に制作し、気づいた点や楽しかった点などを紹介していくぞ!

「レゴ ハリー・ポッター ホグワーツ城全貌」はファンや初心者に優しい説明書が付属

 まず「レゴ ハリー・ポッター ホグワーツ城全貌」で驚いたのが、ズッシリと重いこと。パッケージサイズ的には前回の姫路城と同じに見えるが、中身的には1.5倍は詰まっている感じだ。ハリポタシリーズとはいえ、大人レゴの象徴ともいえる黒パッケージは伊達じゃない! 実際に開封してみると22個の袋に1枚の大型プレートという構成。これは重いはずだよね。

 インストも2冊構成で、これまた豪華。内容はホグワーツ城に関する情報やモデルの組み方が掲載されている。だが、今回驚いたのは、組み方部分だ。以前より、パートごとに使用するパーツは囲みで別記載されていたが、それをどこに配置するかまでは記載されてなかった。ところが今回はどこに積めばいいのかを、キチンと赤線で囲んでいるのだ。だから、積み方のミスなど、ほとんど発生しなくなるんじゃないだろうか。大型のモデルの組み立てもこの仕様であれば格段にやりやすくなる。

パッケージの表面には完成が楽しみで仕方なくなるような魅力が詰まっている
裏面にはホグワーツ城のギミックが紹介されていて、どのような組み方なのだろうと考えたくなる
インストラクションには、ホグワーツ城の歴史などにも触れており、英語のわかるファンなら一層楽しめること間違いなし!
ちょっとフライングだが、インストラクションの途中でも制作物に関するトリビアが記載されている
初心者にも優しい位置表示

袋1~11でホグワーツ城のベースと名シーンを制作!

 まずは、袋1から11で、ホグワーツ城の土台となるベース部分を作る。普通の製品なら、ここでベースプレートを土台にして、緑地部分を作ったり、建物を置くためのかさ上げした崖や石垣などを作ったりするだけだろう。しかし、この製品はひと味違っており、ハリー・ポッターの物語に出てきた「洞窟内の部屋」なども内側に作るのだ。だから崖部分を作っていても全然飽きがこないし、とっても楽しめる。個人的には、これはハリー・ポッターを読み直すか、映画を観直してから作れば、もっと盛り上がったかもしれない。

 実際の制作では、袋ごとにある程度のユニットを作り、ベース部分はこのユニットを拡張していくことで完成へと向かう。だから大きいベースに、貼り付けていくというよりも、ひとつひとつの袋で小さな作品を完成させていくイメージだ。ベースパートで楽しいのは、前述した物語に登場するシーンだけではない。袋3で作る崖や袋5で作る舗装された道など、ただ適当に並べているように見えながら、緻密に計算されたパーツ選定で、実にリアルに表現されている。だから、このようなジオラマモデルを組みたい方には、とても参考になるはずだ!

 また本製品では大型のプレートを使っていないので、各ユニットが崩れないように補強も必要になる。袋4などではそういう裏方仕事を覚えるチャンスだ。また、袋11では色違いのクリアブルー系パーツで、黒い湖の浅瀬と深い部分を表現している。パーツも複数のパーツを交互に使うなどして、湖面が単調にならないところもスゴイ。全体を通して、ジオラマモデルの参考になる技術が惜しみなく投入されているので、組んでいて「ほう」とうなずくことも多いはず!

【袋1:洞窟内の部屋】
袋1はまず最初のユニットを作るパーツが入っている。珍しいパーツは特になく、シンプルで汎用性の高いパーツがメイン
完成すると見えなくなるが、袋1は「洞窟内の部屋」を作る。意外と作り込まれている
袋1の完成品。これがホグワーツ城になるのかと思うとたまらない
【袋2:巨大魔法チェス】
袋2はベースや蓋になる大型プレートが多い
袋2で作る「巨大魔法チェス」のマイクロ版
袋2の完成形、様々な見所を多数仕込んでいく
【袋3:崖1】
袋3では、ついに崖に着手するためのパーツが入ってくる
袋3を使って崖や海部分を組み上げる
別に封入されていた16スタッドサイズの大型プレート
【袋4:崖2】
袋4はさらに崖を拡張するパーツとベースの補強用のパーツが多い
スロープパーツをただ適当に組み合わせたように見える崖だが、実際に作ると参考になるはず
袋4の完成部分。かなり形が見えてきた
【袋5:崖上】
袋5は組み上げた崖上のベース部分を緑地化するためのパーツが多い
実際に緑地化する際には舗装された道も作る。新規パーツのおかげで単調にならないのが嬉しい
袋5の完成品。まだまだ半分くらいだ
【袋6:魔法薬学の教室】
袋6にはプリントパーツなども入っている
プリントパーツを多用して作った「魔法薬学の教室」は、小さくてもリアル
袋6の完成部分。ベースとしては、2/3くらい終わったイメージ
【袋7:補強】
袋7はさらに大型化するための補強系のパーツが多い
袋7の完成品。両サイドの終わりが見えたので全体のサイズ感がわかってくる
【袋8:ベースの拡張】
袋8ではさらにベースを拡張していく
袋8の完成品。崖がイイ感じに組まれていく
【袋9:道】
袋9のパーツ。さらにベースの拡張と崖を追加していくパーツが多く含まれている
崖に沿って道を作っていく。溝付きのスロープが階段っぽくていい
袋9の完成品。ベース部分はあとひとつの欠けのみ
【袋10:灯台】
袋10のパーツ。ベースのラストピースを埋めていくパーツ
ある意味では初の建造物も制作。灯台かな?
袋10の完成品。ベースは組み上がったが、むきだしの部分が残る
【袋11:黒い湖】
袋11のパーツ。黒い湖用のパーツが大量
クリアライトブルーと、濃いめのクリアブルーで黒い湖の深さを表現
袋11の完成品。一段落といったところ

袋12~22でホグワーツ城の建造物を組み上げろ!

 ベースができたら、いよいよ建造物の制作。全11袋という大ボリュームだ。ホグワーツ城は全体的にはタンと呼ばれるカラーのパーツをメインに、屋根をダークグレーのパーツで構成している。だから、単調になりそうな気がするかもしれないが、タンのパーツの種類は豊富だし、プリントパーツもある。これらのパーツを絶妙な組み方をすることで、緻密なディテールを表現するのだ。だから、インストラクションを1ページずつ読み進めていくごとに、たくさんの発見があるだろう。特にホグワーツ城の建物は、必ずしも左右対称ではないので、そのあたり不自然に見えないようにどのようなパーツを選ぶのかも参考になるはず。もちろん窓枠など、中にはプリントパーツを使うことで再現している部分もある。しかし、正統派を貫いて完成品のクオリティが落ちるくらいなら、プリントパーツでリアルに見せる方がファンも喜ぶに違いない。

 実際の制作だが、メインタワー、天文台の塔、大広間、ボートハウス、温室などを、ユニット単位で制作してベースに積んだり、直接増築していったりと、ケースバイケースで組まれている。だから、組んでいる途中で「どうなっているんだ?」と思うこともあるが、組み合わせることで造型が完成すると、抜けていたパズルのピースが埋まる爽快感が味わえる。

 基本的には袋12~21でホグワーツ城の建物を作り、残りの袋22でブラッシュアップする。メインタワーの造型では、バーと呼ばれる棒状のパーツで柱を再現したり、ヒンジパーツを使ったりすることで屋根の斜め表現している。また、スタッドの確度を変えるパーツを多用しているので、プリントパーツの使用用途が広いイメージだ。

【袋12:建造物1】
袋12からはベースがないので細かいパーツが増えてくる
袋12の完成ユニット。まだまだこれでは何を作っているのかわからないだろう
【袋13:建造物2】
袋13は袋12の完成品をさらにブラッシュアップするためのパーツが入っている
袋13で作ったホグワーツ城の建物
完成した建物を配置すると一気にテンションがアップする!
袋13の完成品。まさにホグワーツ城といった感じのビジュアルになってきた!
【袋14:建造物3】
袋14のパーツもタン系カラーのパーツがメイン
袋14の完成品。拡張していくことで、より大きな建物へと変化する
【袋15:建造物4】
袋15はパーツもタン系カラーに加えてダークタンのパーツも多い
袋15の完成品。ホグワーツ城メインの建物ができてきた
【袋16:建造物5】
袋16のパーツもタン系カラーのパーツを中心にした建材として使われるパーツ
袋16の完成品。メイン部分にフォーカスすればホグワーツ城らしさを実感できるはず
【袋17:窓】
袋17のパーツもタン系カラーの建材パーツ。窓枠のプリントがされたタイルパーツも大量に入っている
袋17のパーツでいくつかの建物を作り、これらを貼り込んで、ひとつの形に仕上げていく
袋17の完成品。徐々に完成していくジオラマは、まるで箱庭のよう
【袋18:城のディテールアップ】
袋18のパーツは、袋16で作った建物をディテールアップするためのパーツが多い
袋18の完成品。もうひとつのメインの建物も完成。タンにダークグレーの屋根がよく似合う
【袋19:天文台】
袋19のパーツは、ホグワーツ城で一番高い天文台の塔を作る!
袋19の完成品。天文台の塔があるだけで、かなり引き締まったイメージ
【袋20:城の増築】
袋20のパーツでホグワーツ城の増築を行う
袋20の完成品。ほぼほぼ完成といってもいい状態
【袋21:温室】
袋21のパーツでホグワーツ城の最終仕上げを行う。温室用の透明パーツも多い
袋21の完成品。まさにホグワーツ城といったビジュアルになった!
【袋22:ダームストラング専門学校の船】
袋22のパーツで最終的なオプションを追加していく
袋22ではダームストラング専門学校の船、ボーバトン魔法アカデミーの馬車、設計家のミニフィギュアなど

完成品と見所&面白い遊び方を紹介!

 実際の完成品は、8方向からの画像を見てその完成度の高さを感じてほしい。特にダームストラング専門学校の船、ボーバトン魔法アカデミーの馬車といったアクセントが、全体的な完成度を高めている気がする。また、建物をつなぐ橋や回廊なども、微妙に確度がついていて、とてもカッコイイ。とにかく見えないところでも、キチンとディテールがあるので、いろいろな確度から見れば気づかなかった発見もあるだろう。

 また、建物ばかりに目を奪われがちだが、崖や湖の表現などにも注目してほしい。特に、陸地と湖の間を、斜めになっているウエッジパーツや、1/4円のパーツなどを多用することで、とても滑らかな海岸線とでもいうべき接点部分になっている。

 最後に、面白い遊び方としては、映画で使われたプロップなどの建物画像を見て「どのようなパーツ構成や組み方をしているのかな?」などと考えながら組むのはいかがだろうか。まさにパズル感もあるし、オリジナルモデルを制作しているアマチュアビルダーであれば、脳トレにもなるはず。

 いずれにせよ、大型モデルのような迫力はないのかもしれないが、様々な技術と見所を濃縮したモデルで、今年のナンバーワンモデルといってもいいほどだ。ハリー・ポッターファンでなくても、ぜひ手に取って、その魅力を感じてほしい。

まずは前からの完成カット。本製品の魅力が一望できるといっても過言ではない
左前からの完成カット。ダームストラング専門学校の船の造型がよく見える
左からの完成カット。温室部分に加え、バジリスクらしいヘビも見える
左後ろからの完成カット。暴れ柳の枝に引っかかったフォード・アングリアが見られる
後ろからの完成カット。ホグワーツ城の裏側や、魔法使いのチェスの部屋、魔法薬学の教室などが見られる
右後ろからの完成カット。ボーバトン魔法アカデミーの馬車の浮遊感が楽しめる
右からの完成カット。上陸してからホグワーツ城に入るまでの道がよく見える
右前からの完成カット。正面と同じくらいホグワーツ城の魅力がわかるカットだ
アップで見るとホグワーツ城の建物の複雑なからみ合いがよくわかる
ホグワーツ城の建物は、そのディテールに合わせたパーツ使いを学ぶのに最適
ホグワーツ城を上から見ると、まるでニンバスシリーズに乗って空から見ている気分になれる
サイズの違うスロープパーツの組み合わせだけで、これだけリアルな崖を作れるのだとよくわかる