レビュー
「レゴ(R)アーキテクチャー 姫路城」レビュー
天守閣や渡櫓も再現!城内部まで至る緻密なビルドで多数のテクニックを学べる
2023年8月17日 00:00
- 【レゴ(R)アーキテクチャー 姫路城】
- 発売元:レゴジャパン株式会社
- 発売日:2023年8月1日
- 価格:オープン価格
- 参考価格:20,980円(媒体調べ)
- ジャンル:ブロック玩具
- サイズ:(約)高さ19cm x 幅32cm x 奥行27cm
- パーツ数:2,125
今回はレゴ(R)アーキテクチャーシリーズの最新作「姫路城」をレビューしよう! アーキテクチャーシリーズは、レゴ(R)ブロックでホワイトハウスやタージ・マハルなど著名な建築物やパリやシンガポールなどの都市などを再現するシリーズだ。特に都市ではなく単体の建物は、レゴ ミニフィギュアを使った建物とは異なり緻密なディテールがウリとなる。今回の姫路城では、白亜の天守や渡櫓など、どのようにレゴ ブロックで再現していくのかを紹介していこう。
「白鷺城」にふさわしいパッケージや説明書
まずはパッケージから見ていこう。姫路城は「白鷺城」という別名でも知られているように、天守や櫓、門などを白の漆喰で塗られた城。パッケージは、大人レゴで恒例の黒いボックスに、その白く美しい姿が浮かび上がり、世界遺産にも選ばれた至高の存在であることを再認識させてくれる。裏面にはリアルな姫路城の写真や製品の見所やギミックなどを見ることができるので、完成した後の楽しさを期待することだろう。なお、インストラクション(組み立て説明書)には、姫路城の情報も掲載されているのが嬉しい。
姫路城のベースを袋1から3で準備する
まずは、袋1から3で製品全体のベースを組んでいく。そのため袋1は大型パーツが多数入っており、組み上げると全体像がわかる。さらに袋2,袋3を使って、ベースや建物の土台部分を組み上げた。秀逸だなと思ったビルドとしては、階段がある。中央にスタッドが付いたプレートパーツをズラしながら組むことで、完全に階段を再現した。また、建物の土台部分も、ただパーツを敷き詰めるのではなく、キチンと梁を組んでいる。絶対に見えなくなるところなのに、手を抜かないこだわりに感動するね。
余談だが、自分で城を再現する場合であれば必ず天守閣から組むことが多い。なぜなら下から組むと天守閣造型に制限ができてしまうからだ。そういう意味では、ベースから組むのはとても新鮮である。
ベースの仕上げと姫路城の石垣を袋4から8で仕上げる!
続いては、ベースの整地と石垣部分の作成を、袋4から8で組んでいく。まずは袋4のサンドグリーン系のパーツを使って、庭の部分を作る。石畳はライトグレーだ。この時、斜めにカットされたウェッジプレートというパーツを多用し、上下逆に組むことで斜めの道を再現。また、ウェッジプレートとタイルパーツを同じ間隔で使うことにより、キチンと手入れができている芝生部分の表現が見事だ。
石垣部分はダークタンのスロープ系パーツで表現。斜めにカットされたウエッジブロックもあるので、十分に対応可能だ。姫路城の石垣は、ほかの城のように「石」の色ではなく、少し複雑な色味をしているので、このカラー選択もありだろう。
袋5では、姫路城のポイントのひとつである「櫓(やぐら)」も作る。インゴットと呼ばれる金塊パーツのダークグレーを使って屋根を表現しているのだが、これが様になっている。袋6から増えてくる、少し大きめの櫓も作り、ここからはスロープパーツの屋根が使われる。このようにサイズによって、屋根のバリエーションを付けているので、スケール感が損なわれない。
袋7では城内の内側の壁なども作るが、最終的には袋8で追加する石垣に隠れてしまうところも多い。だが複雑な形状の姫路城を再現するには、このような一手間も必要なのだろう。
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ミスに注意しながら袋9から17で姫路城を完成させよう!
最後は袋9から17を使って城のメイン部分を作っていこう。まず袋9では小天守や渡櫓になる部分、袋10で天守閣部分を組んでいく。姫路城は、天守閣、小天守などを渡櫓(わたりやぐら)で繋げた「連結式」のお城なので、このように並行して組んでいくのが効率的なのだろう。だが小天守の部分は天守閣に比べて低いので、袋11と12で一気に仕上げていく。
組み方のポイントとしては、中央にスタッドのあるパーツを多用することで、半プレート分ズラして組み、その余剰部分を屋根の一部として見せる手法が秀逸だ。ほかにもブーメランのパーツを重ねて使うことで屋根に見せている表現もある。かなり趣向を凝らしているので、組んでいてとても楽しかった。ただ、このスタッド位置をズラす手法は、ミスを誘発しやすい。同じカラーで組むということを含めて、何度か位置を間違えてしまった。だから、特に後半部分はキチンとインストラクションを見て、位置を間違えないように組んでいくと安心だと思う。
袋13以降は天守閣の築城になる。ここからは組んでいて楽しい技のオンパレードで「おおっ!」と思わず声が出てしまうことも多かった。例えば、天守閣には千鳥破風(ちどりはふ)とか唐破風(からはふ)などの屋根の形があるのだが、これらを前述したブーメランのパーツやカーブスロープ、ヒンジ系パーツなど、多彩な組み方で表現しているのだ。また、上下逆に接続することで極小のディテールを生み出したり、上に載せたりすることで接続しているように見える技もあった。また、新規パーツで、屋根の反り返りを表現しているパーツがあり、この系統はこれまでなかったパーツなので、今後のバリエーション展開が楽しみだ。
天守閣が完成したら、最後は植樹だ。咲いた桜と、咲いていない木の状態があり、好きに選んで付けていこう。とはいえ、桜が有名な姫路城なので、自分は桜を組み込んだバージョンにした。
初心を思い出すテクニックの宝庫
以上で完成だが、組んでいて楽しいセットだったと思う。姫路城のディテールを表現するために使われているテクニックは、自分にとって既知のテクニックが多い。しかし、これだけのテクニックを学べるのは、ビギナーには貴重な体験ではなかろうか。自分もこのようにレゴ セットを組んでいくことで、さまざまなテクニックを吸収し、自分だけの技を考えられるようになっていったなと思った。これは今年ナンバー1のセットともいえるかも!
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