レビュー

「Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO〈SC仕様〉 -ACTION-」レビュー

力強さを感じさせるカラーのゼロが、新武装をひっさげて登場!

【Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO〈SC仕様〉 -ACTION-】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:10月28日

価格:4,070円

 BANDAI SPIRITSがシリーズ展開するキャラクタープラモデル「Figure-rise Standard」の新製品として、「Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO〈SC仕様〉 -ACTION-」が10月28日に発売される。

 コミックやアニメで展開中の『ULTRAMAN』の外伝企画、小説「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE(UAU)」の「Episode:ZERO」に登場する、「ULTRAMAN SUIT ZERO」(ゼロスーツ)に特殊なコーティングを施した「SC仕様」のカラーで、新たなプラモデルオリジナル武装「ワイドゼロショット」が付属している。

 2020年に発売された「Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO -ACTION-」をベースに、新たな成形色の採用により通常のゼロスーツとは異なるカラーの本体が構築されたこのキットのレビューをお届けしていこう。

時空界面突入のための特殊コーティングを施したSC仕様のゼロスーツ。SEVENに憧れる薩摩次郎の要望で赤を主体としたカラーリングに

 特撮ドラマ『ウルトラマン』のその後の世界をドラマシリーズとは異なる世界観と切り口で描く『ULTRAMAN』。ウルトラマンをパワードスーツとして描いた作品であり、その存在は本作のシンボルと言える。

「Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO〈SC仕様〉 -ACTION-」パッケージ

 ゼロスーツこと「ULTRAMAN SUIT ZERO(Ver.0)」は、その外伝企画UAUの「Episode:ZERO」に登場。「ULTRAMAN SUIT Ver.7」(セブンスーツ/SEVEN)を着用する諸星弾(モロボシ・ダン)用に開発されたのもので、試作スーツのために制御が難しく、過剰な機能が諸星の不評を買い、ロストナンバー=Ver.0として科特隊の倉庫に長く封印されていた。後に原因不明の再起動を果たし、上海でピンチに陥った薩摩次郎の命を救う形で強制装着し、そのまま次郎が着用者となる。

 今回キット化されたSC(Strong Corona)仕様は、時空界面に突入するためにゼロスーツに備わった可変波長透過吸収機能に特殊コーティングを組み込んだものだ。そのカラーリングは、次郎が憧れるSEVENと同じ赤を主体としたもの。

 付属の「ワイドゼロショット」はゼロスーツと同時に開発された試作スペシウム兵器。特殊コーティングが施されたSC仕様のゼロスーツにしか扱えないほどの超高火力を誇り、銃身は火力による崩壊を抑えるための装甲で覆われている。

赤と黄色を基調としたSC仕様のゼロスーツをキット化。武装はワイドゼロショットとゼロランス
通常仕様のゼロスーツは「Figure-rise Standard ULTRAMAN SUIT ZERO -ACTION-」として2020年にプラモデル化

 キットは「Figure-rise Standard」の『ULTRAMAN』シリーズで確立された「-ACTION-」カテゴリーに基づいた仕様で、完成後のプロポーションやディテールだけでなく、可動にも強いこだわりが見える設計となっていた。

【キット内容】
A1パーツ、A2パーツ
Bパーツ、Cパーツ
Dパーツ、E1パーツ、E2パーツ
F1パーツ、F2パーツ、ACB-6パーツ
シール、マーキングシール

 『ULTRAMAN』のキットでありながら、個々のパーツのディテールはメカニカルながら、各部位が完成すると人型のシルエットが見えてくるのが面白いところ。各パーツはアンダーゲートが要所に採用されていて、極力ゲート跡が見えない設計。成形色による色分けはかなり細部まで施され、カバーできない部分をシールでフォローしている仕様だ。これにより部分塗装をするだけでも、かなり完成度の高いゼロスーツが完成するはず。

【頭部の組み立て】
組み立ては頭部から。内部に収まるクリアパーツは、LEDユニットで光らせる構造になっている
目にマーキングシールを貼ることで、目の周囲のクマドリが表現される
額のランプはホイル処理されたタイプと、LEDユニットで光らせるためのクリアタイプの選択式。作例は前者を貼っている
ゼロスラッガーと後頭部の装甲を取り付け
頭部の完成

 キットは別売りの「LEDユニット デュアルタイプ」に対応している。組み立てるときはコンパーチブルで、どちらかを選択するスタイル。LEDユニットを組み込むと、目とカラータイマーに採用されたクリアパーツが内部から輝く様子を楽しめるようになっている。使用しない場合は別のパーツを使って組み立てる仕様で、こちらは可動を重視したパーツを使用して組み立てる。今回の作例では後者で作成している。全体的な組み立てに難しいところはなく、このあたりはさすがのBANDAI SPIRITSのプラモデルというところ。

【胴体の組み立て】
胴体の組み立て。胸部の内側にはLEDユニットを組み込むスペースがある
胸部装甲を取り付ける。カラータイマーはクリアパーツだ
腹部の装甲。銀色の部分はシールを貼っている
可動優先で組み立てているので、内部にはジョイントを組み込んでいる
3つのパーツを組み付けて、背中の装甲を取り付ける
首関節の組み立て。LEDユニットの光を送るクリアパーツが内部に仕込まれている
胴体が完成
【腕部の組み立て】
腕の組み立て。これは右腕の肩関節
肘関節を内蔵した上腕。装甲を取り付ける
上腕のジョイントに前腕のパーツを挟み込む
拳は3パーツ構成
拳を取り付けて腕の完成。左腕も同様に組み立てる
【脚部の組み立て】
脚部の組み立て。右足の太ももから組み立てる
股関節を取り付ける
膝の関節に脛パーツを挟み込む
脛のモールドに対してシールを貼る。モールドの端に合うように調整しながら貼ろう
ブーツは3パーツ。かかとの装甲はボールジョイントで可動する
膝と足首に装甲を取り付けて脚部が完成。左足も組み立てる
【腰部の組み立て】
腰部の組み立て。股関節は独立してスイングする
前後に装甲を取り付ける
【本体完成】
腹部と胴体の間にパーツを挟んで組み付ける
腰部の左右の装甲を取り付ける
頭部、腕などを取り付けて完成
【武装の組み立て】
ゼロランスの組み立て。クリアパーツの先端が美しい
ワイドゼロショットの組み立て。マズル内部にシールを貼る
本体に装甲を組み付けていく。尾部のストライプはシールだ
可動式のグリップを取り付けて完成

 付属のマーキングシールはその名の通り本体の各所にマーキングを施すもので、貼ればよりリアルな姿を楽しめる。完成後にガシガシと動かしたいのなら、貼らずに楽しむのも一つの手だろう。

マーキングシールを正しく貼るときはピンセットを使うのが確実