レビュー

プラモデル「鬼滅模型 嘴平伊之助」レビュー

伊之助の肉体を高精度に再現!手軽にハイクオリティなモデルが作れる初心者向けキット

【鬼滅模型 嘴平伊之助】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

販売中

価格:4,620円(税込)

ジャンル:プラモデル

 BANDAI SPIRITSから発売されている、「鬼滅模型シリーズ」。こちらは、ニッパーを用意するだけでプラモデルを初めて組み立てる人でもハイクオリティな作品を作りあげることができるのが特徴となっている。これまで主人公の竈門炭治郎や竈門禰豆子、煉獄杏寿郎といったキャラクターたちがラインナップされてきたが、そこに待望の嘴平伊之助が加わることとなった。

 吾峠呼世晴氏による漫画「鬼滅の刃」は、これまで1億5000万部以上の累計発行部数を記録するという、まさに日本を代表するといっても過言ではない作品だ。その人気にさらなる火を付けたのが、2019年から放送が開始されたアニメである。これまで竈門炭治郎 立志編、無限列車編、遊郭編、刀鍛冶の里編と放送・上映され、それに続く柱稽古編の制作も決定している。

 また、2020年に公開された「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」にいたっては、日本国内のみで興行収入400億円以上を記録。日本歴代興行収入1位を記録しただけでなく、その年の年間興行収入世界第1位を記録するなど、作品の人気と知名度をワールドワイドにまで押し上げた感がある。

 今回レビューするプラモデルの「鬼滅模型 嘴平伊之助」は、「鬼滅の刃」に登場するキャラクターたちのなかでも重要な役どころを担うひとりだ。普段は猪のかぶり物を身に付け、「猪突猛進」と叫びながら突っ込んでいくというかなり奇抜なキャラクターだが、その素顔は驚くような美少年というギャップを持っている。今回のプラモデルも頭部が差し換えられるようになっており、猪頭と素顔状態が自由に切り替えられるようになっているところも特徴だ。

頭部は素顔にも付け替えられる
「鬼滅模型 嘴平伊之助」のキット内容物一式

伊之助のトレードマークである猪頭から作り始めよう!

 このキットはランナーを見てもわかるようにパーツ数は少なめで、比較的短時間で組み立てることができる。色分けはパーツ分割とシールで再現されているので、塗装せずともフィギュアのような作品に仕上げられるところも、このシリーズの魅力となっている。

 全体的な流れとしては、まずは頭部から作り始めていき、胴体、腰、脚、腕といった流れで組み立てて、最後にそれらを組み合わせて完成となる。ということで、まずは頭部から作り始めていこう。

 ニッパーを使い、ランナーから指定されたパーツを切り離していく。パーツを切り離すときは、少し離れた位置にニッパーの刃を入れて切り離していこう。少し出っ張りが気になるときは、ヤスリなどを使用することで綺麗に仕上げることができる。なお、すべてのパーツは差し込み式になっており、接着剤などはまったく不要だ。

ニッパーでパーツを切り離していく
切り離した後の出っ張りは、ヤスリで滑らかにしておこう

 最初に作る頭部は、伊之助が頭に被っている猪頭の部分だ。こちらは毛並みが複雑な形状になっているのだが、実際に組み上がったものを見ると、感心させられるレベルで見事に再現されている。しかも、割と早い段階で最も特徴的な部分ができあがっていくので、早く全体を作りあげたいという気分にもさせてくれる。

目の部分は別パーツで構成されている。瞳はシールで再現する
顔のパーツを付けると、一気に仕上がりに近づいた

 このプラモデルでは、色を塗る代わりにシールが用意されているのだが、注意しなければいけないのが組み立てている途中で貼らなければいけないところがあるところだ。最初にシールを貼ることになるのが、耳の部分である。結構細かいシールを貼らなければいけないため、可能ならばピンセットなどを用意しておいた方が楽に作業を進めることができるだろう。

耳の部分は、組み立てる前にシールを貼らなければいけないところがあるので気を付けよう

 ここまできたら頭部はあとひと息。後頭部のパーツや鼻、牙を取付け、目にもシールを貼って仕上がればひとまず猪頭部分は完成だ。

シールを貼るときは、ピンセットがあると楽に作業が行なえる
猪頭部分が完成!

素顔パーツを組み立てていこう!

 猪頭パーツが完成したら、もうひとつの素顔パーツに取り組んでいこう。こちらは青い後ろ髪のパーツから組み立てていき、顔を取り付けていく。ちなみに素顔パーツに関しては、タンポ印刷で目元は最初からパーツに描かれた状態になっているため、シールなどを貼る必要はない。ユニークなところは白い歯で、こちらは顔の内側からパーツをはめ込むことで再現している。

目元は最初から印刷されており、印刷精度も申し分ない
後ろ髪と顔パーツを取り付けたところ

 伊之助の素顔パーツの面白いところは、前髪部分がいくつかのパーツにわかれているところだ。たしかに髪型はなかなか複雑な形状をしているのだが、前方左右のパーツと前髪パーツに分けることでその形と組み立てやすさを両立させているのである。

前髪の左右部分のパーツを付けたところ

 髪パーツをすべて取り付けると、素顔パーツも完成。これで、ふたつの頭部ができあがった。続いて、胴体部分の組み立てを行なっていく。

素顔パーツの出来上がり!
ふたつの顔パーツを並べたところ

胴体の組み立て

 ふたつの頭部ができあがったら、今度は胴体部分を組み立てていく。パーツ自体はかなり大きいのだが、こちらはかなりシンプルな作りになっている。まず背中側のパーツをランナーから切り離したら、腕の辺りにふたつのパーツを取り付けていこう。その後、胴体の前面側のパーツを取り付けることで完成だ。

胴体パーツの背面側に腕を取り付けるためのパーツを付けていく
あとは前面部分を組み合わせることで、胴体は完成だ

 胴体が完成したら、先ほど作った頭部も組み合わせておこう。ちなみに、着脱自体は簡単に行なえるので、頭部の付け替えもスムーズにできる。

胴体に猪頭の頭部を取り付けたところ

 胴体が完成したら、次は腰を作っていく。こちらも大きめのパーツではあるが、胴体並みにシンプルな組み合わせで作ることができるようになっている。まずは青いズボンのパーツを組み合わせたら、腰蓑のようなパーツを上からはめ込んでいけばOKだ。

ズボンのパーツを貼り合わせよう
腰蓑をズボンの上から取り付けると、腰パーツは完成だ

左右の脚を組み立てていこう!

 続いて、左右の脚を作っていく。基本的な作り方は左右同じなので、初めに右足部分を作ったら、同じ要領で左足部分も作っていこう。脛を組み立てた後で、草履を履いた部分を取り付けていくのだが、このときに気を付けたいのが草履部分である。

 この草履は裏面と側面に加えて、足の裏と合わせる上側もシールを貼っておく必要がある。特に上側は他のパーツと組み合わせるため、張り忘れないようにしておこう。

脚パーツは、脛から作っていく
草履にシールを貼っておくのを忘れないようにしよう
片方の脚ができたら、もう片方も同じように組み立てていく
ここまで作ってきたパーツをすべて組み合わせてみた

左右の腕と日輪刀を組み立てて最後の仕上げ!

 ここまで来たらほとんど完成に近い。残りは2本の腕と日輪刀を組み立てていくだけだ。腕に関してはふたつのパーツを組み合わせるだけでOKだ。日輪刀に関しては、パーツとして組み立てる部分はないものの、シールを貼って仕上げていく必要がある。

 このシールだが、刃の辺りがパーツに対してやや大きめのサイズになっている。元のパーツに合わせてキッチリ貼るのは難しそうだったため、今回はシール同士が重なり合うような形で仕上げてみた。ひとつ気を付けたいのが、日輪刀を手に持たせるときだ。シールが重なり合っているところは折れ曲がりやすいので、注意しながら手に通していこう。あとは、すべてのパーツを取り付ければ完成である。

腕はふたつのパーツを貼り合わせるだけだ

手軽な組み立てで美しい仕上がりに!

 以上で、今回のプラモデル「鬼滅模型 嘴平伊之助」を組み立てることができた。撮影なども行いながら作業を進めていったため、通常よりは時間が掛かった方だと思うが、それでも3時間ほどですべて作りあげることができた。このぐらいのお手軽さなら、しばらくプラモデル作りから離れているから心配だという人や、これが初めてのプラモデル作りだという人にもオススメしやすい。

 簡単に作ることができるからといって、最終的にできあがったものがいまいちというわけではない。この写真を見てもわかるように、スケールフィギュアのように360度どこから見ても楽しめるような、素晴らしい造形になっている。

伊之助らしい勇ましい姿に
鍛えられた体のラインも見事に出ている
背中から見てもカッコイイ!
ついついいろいろな角度から写真が撮りたくなる

 「鬼滅模型」は固定ポーズのプラモデルシリーズだが、それだけにディテールが細かく、素組みでも劇中のプロポーションをしっかりと表現できている。「鬼滅模型 嘴平伊之助」では、頭部パーツを猪頭と素顔で取り替えられるようになっているが、どちらの再現度もすばらしい。さきほども紹介したが、この「鬼滅模型」シリーズはすでにいくつか他のキャラクターが発売されているほか、これからもどんどん充実していく予定となっている。そちらも合わせて、一緒に飾っておきたくなるような仕上がりだ。

同じキャラクターだが、頭部を変えるだけで印象も大きく異なる
何かを企んでいるような笑みを浮かべた表情

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記となります。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。
※対象年齢15才以上
※商品の写真・イラストは実際の商品と異なる場合がございますのでご了承ください