レビュー
「MODEROID イクサーロボ」レビュー
素組で高い彩色再現とOVAの描き込みを再現した造形美
2024年2月16日 00:00
- 【MODEROID イクサーロボ】
- 開発・発売元:グッドスマイルカンパニー
- 2月14日 出荷
- 価格:5,900円
- ジャンル:プラモデル
- サイズ:全高約160mm
グッドスマイルカンパニーから「MODEROID イクサーロボ」が2月14日よりメーカー出荷が開始された。
本商品はOVA「戦え!!イクサー1(ACT.III)」で登場した主人公・イクサー1とパートナーの加納渚が乗る巨大ロボット「イクサーロボ」をプラモデル化したもの。
「戦え!!イクサー1」はAIC制作によるOVAアニメーション作品(全3話)。地球侵略をもくろむ異星人クトゥルフに立ち向かう戦士‟イクサー1”と彼女の力を引き出すためにパートナーに選ばれた加納渚が、襲い来る異星人に立ち向かっていくストーリーとなっている。
本作では人間が怪物へ変貌していく様子や巨大メカ「富士」シリーズなどOVAならではの表現や手法がふんだんに使用され、宿敵となるイクサー1の妹であり、命を狙うイクサー2などのキャラクターが魅力的に描かれている。そして、巨大ロボット「イクサーロボ」の戦闘は、TVアニメでは難しい細かな破片描写、爆破表現、重厚感で濃密に描かれている。
AICは本作より後に「MODEROID」シリーズでも立体化された「破邪大星ダンガイオー」、「冥王計画ゼオライマー」などの80年OVAロボット作品をはじめ数多くの作品を手掛けている。
「MODEROID イクサーロボ」では、OVA第3話(ACT.III)のメカデザイン・作画監督を務めた大張正己氏によるアレンジが再現されている。女性的で躍動感あるライン、肩や背中の張り出したデザイン、そして、独特なフェイスパーツと80年代OVAの濃厚な作画で表現され、そのカッコ良さに釘づけにされた。
劇中ではイクサー2が操る「イクサーΣ(イクサー シグマ)」との激戦を繰り広げた。
今回は「MODEROID イクサーロボ」の魅力を紹介していく。
劇中をイメージした迫力のパッケージに収まったパーツたち
最初はやはりパッケージ。こちらは劇中にて「イクサーΣ」と対峙し、渚の激情で力を発揮した際のイクサーロボを彷彿とさせるイラストとなっている。
裏面にはポーズ例などが掲載されている。背景も暗雲が立ち込めたものとなっている。
中にはパーツ(ランナー)が合計13枚、取扱説明書が封入されている。成形色はグレー、グリーン、ブラックの3色で、一部ランナーには塗装済みパーツが封入されている。
本キットではフェイスパーツをはじめ、胴体や頭部、首元などふんだんに塗装済みパーツが使用され、シールによる色分けはなし。
また、グレーとグリーンの成型色は艶消しが施され、プラスチック感が抑えられて質感の高さもうかがえる。
中身を確認したところで、次は組み立て工程を見ていこう。
組み立てるだけで劇中イメージが構築されていくパーツ構成
最初に組み立てるのは頭部パーツだ。
頭部のフェイスパーツは頬ガード展開ありのものと無しのもの2種があり、どちらかを選択して組み立てる。
胸部パーツの組み立ては頭部、腕部、腹部のジョイント部分を挟み込む設計となっている。そして、背中のアーマーや正面のグリーン部分のパーツを重ねていく。
腹部も同様にジョイントを挟み込み、アーマー部分を重ねていく。ここで横腹のグリーンやパーツを重ねることで立体感や色分けがされ、組み立てただけでも情報量のある造形になる。
次は背部の翼パーツ。張り出したデザインで存在感ある造形となっている。
ここまで組み立てた頭部、胸部、腹部、翼部を合わせる。劇中のプロポーションイメージに近い造形で、胸部と腹部の間も影となり黒いラインのように映る。
次に腕部の組み立て。こちらは二の腕、肘、前腕が同じ構成となっており、手首と肩が左右対称の造形となっている。
脚部も腕部同様に共通パーツに左右対称パーツを組み合わせるものとなっている。膝関節は2重関節方式でニーア―マーが装着される。
最後の手首パーツは握り手、開き手2種の3セットに加え、イクサービームを放つシーンで印象的な組手を組み立てる。マニピュレーターが3つ指で鋭い造形も細かく再現されている。
最後にすべてのパーツを組み合わせることで「MODEROID イクサーロボ」が完成する。
次のページでは次のページでは「MODEROID イクサーロボ」をじっくり見ていこう。
「MODEROID イクサーロボ」商品概要
価格:5900円
仕様:組立て式プラスチックモデル・ノンスケール
サイズ:全高約160mm
原型制作:森口あらん
制作協力:坂田 哲男(HRG)
メーカー:グッドスマイルカンパニー
(C)阿乱霊・久保書店/AICライツ