レビュー

「MODEROID イクサーロボ」レビュー

素組で高い彩色再現とOVAの描き込みを再現した造形美

【MODEROID イクサーロボ】

開発・発売元:グッドスマイルカンパニー

2月14日 出荷

価格:5,900円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約160mm

 グッドスマイルカンパニーから「MODEROID イクサーロボ」が2月14日よりメーカー出荷が開始された。

 本商品はOVA「戦え!!イクサー1(ACT.III)」で登場した主人公・イクサー1とパートナーの加納渚が乗る巨大ロボット「イクサーロボ」をプラモデル化したもの。

 「戦え!!イクサー1」はAIC制作によるOVAアニメーション作品(全3話)。地球侵略をもくろむ異星人クトゥルフに立ち向かう戦士‟イクサー1”と彼女の力を引き出すためにパートナーに選ばれた加納渚が、襲い来る異星人に立ち向かっていくストーリーとなっている。

 本作では人間が怪物へ変貌していく様子や巨大メカ「富士」シリーズなどOVAならではの表現や手法がふんだんに使用され、宿敵となるイクサー1の妹であり、命を狙うイクサー2などのキャラクターが魅力的に描かれている。そして、巨大ロボット「イクサーロボ」の戦闘は、TVアニメでは難しい細かな破片描写、爆破表現、重厚感で濃密に描かれている。

 AICは本作より後に「MODEROID」シリーズでも立体化された「破邪大星ダンガイオー」、「冥王計画ゼオライマー」などの80年OVAロボット作品をはじめ数多くの作品を手掛けている。

MODEROID イクサーロボ

 「MODEROID イクサーロボ」では、OVA第3話(ACT.III)のメカデザイン・作画監督を務めた大張正己氏によるアレンジが再現されている。女性的で躍動感あるライン、肩や背中の張り出したデザイン、そして、独特なフェイスパーツと80年代OVAの濃厚な作画で表現され、そのカッコ良さに釘づけにされた。

 劇中ではイクサー2が操る「イクサーΣ(イクサー シグマ)」との激戦を繰り広げた。

 今回は「MODEROID イクサーロボ」の魅力を紹介していく。

劇中をイメージした迫力のパッケージに収まったパーツたち

 最初はやはりパッケージ。こちらは劇中にて「イクサーΣ」と対峙し、渚の激情で力を発揮した際のイクサーロボを彷彿とさせるイラストとなっている。

 裏面にはポーズ例などが掲載されている。背景も暗雲が立ち込めたものとなっている。

【パッケージ】

 中にはパーツ(ランナー)が合計13枚、取扱説明書が封入されている。成形色はグレー、グリーン、ブラックの3色で、一部ランナーには塗装済みパーツが封入されている。

 本キットではフェイスパーツをはじめ、胴体や頭部、首元などふんだんに塗装済みパーツが使用され、シールによる色分けはなし。

 また、グレーとグリーンの成型色は艶消しが施され、プラスチック感が抑えられて質感の高さもうかがえる。

首元に使用する塗装済みパーツが封入されてる
フェイスパーツ2種、頭部が塗装済みパーツとなっている
胴体正面のラインも塗装済みパーツで表現されている
Fパーツは2枚封入
Gパーツは2枚封入
Iパーツは塗装済みパーツが入っている
取扱説明書

 中身を確認したところで、次は組み立て工程を見ていこう。

組み立てるだけで劇中イメージが構築されていくパーツ構成

 最初に組み立てるのは頭部パーツだ。

 頭部のフェイスパーツは頬ガード展開ありのものと無しのもの2種があり、どちらかを選択して組み立てる。

【頭部】
フェイスパーツは選択式の組み立てとなる

 胸部パーツの組み立ては頭部、腕部、腹部のジョイント部分を挟み込む設計となっている。そして、背中のアーマーや正面のグリーン部分のパーツを重ねていく。

【胸部】
ジョイントパーツを挟み込む組み立て

 腹部も同様にジョイントを挟み込み、アーマー部分を重ねていく。ここで横腹のグリーンやパーツを重ねることで立体感や色分けがされ、組み立てただけでも情報量のある造形になる。

【腹部】

 次は背部の翼パーツ。張り出したデザインで存在感ある造形となっている。

【翼部】

 ここまで組み立てた頭部、胸部、腹部、翼部を合わせる。劇中のプロポーションイメージに近い造形で、胸部と腹部の間も影となり黒いラインのように映る。

【胴体完成】

 次に腕部の組み立て。こちらは二の腕、肘、前腕が同じ構成となっており、手首と肩が左右対称の造形となっている。

【腕部】
二の腕、肘、前腕は同じパーツ構成
肩の張り出したアーマーはもちろん手首のアーマーも大きめで迫力ある造形となる

 脚部も腕部同様に共通パーツに左右対称パーツを組み合わせるものとなっている。膝関節は2重関節方式でニーア―マーが装着される。

【脚部】
膝、脹脛、足元パーツは共通の構成
太ももは左右対称パーツとなっている

 最後の手首パーツは握り手、開き手2種の3セットに加え、イクサービームを放つシーンで印象的な組手を組み立てる。マニピュレーターが3つ指で鋭い造形も細かく再現されている。

【手首パーツ】

 最後にすべてのパーツを組み合わせることで「MODEROID イクサーロボ」が完成する。

 次のページでは次のページでは「MODEROID イクサーロボ」をじっくり見ていこう。

「MODEROID イクサーロボ」商品概要

価格:5900円
仕様:組立て式プラスチックモデル・ノンスケール
サイズ:全高約160mm
原型制作:森口あらん
制作協力:坂田 哲男(HRG)
メーカー:グッドスマイルカンパニー