レビュー

「ムービー・マスターピース パドメ・アミダラ」レビュー

ナタリー・ポートマンが目の前に! 目線ギミックでポーズ付けがさらに楽しく

【ムービー・マスターピース パドメ・アミダラ】

開発元:ホットトイズ

発売元:ホットトイズ・ジャパン

発売日:2月28日

価格:48,000円

スケール:1/6

全高:約27cm

素材:PVC、ABS、布

付属品:ブラスター・ピストル、ブラスター・ライフル、ヘッドドレス、ハンドパーツ

 筆者にとってナタリー・ポートマンは特別な映画女優だ。彼女を始めて見たのは、プロの暗殺者と少女の出会いを描いた映画「レオン」。ナタリー・ポートマンが演じるヒロイン・マチルダは弟の復讐を果たすために殺し屋レオンと行動を共にする。幼さの中に怖さを感じさせるマチルダの表情は非常に強烈で、ナタリー・ポートマンという女優の名前を意識するようになった。

1994年の映画「レオン」。ナタリー・ポートマンはヒロインのマチルダ役で映画デビューを果たす。マチルダは非常に印象的だった

 その彼女が「『スター・ウォーズ新3部作』のヒロインを演じる」というのは、大きなニュースであり、筆者も強く惹かれた。ジョージ・ルーカスが16年ぶりにこれまでの前日譚となるエピソード1~3を制作する。彼女はその3部作のヒロインに抜擢されたのだ。ナタリー・ポートマンは後にダース・ベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーと恋に落ち、レイアとルークの母となるパドメ・アミダラを演じた。

 今回発売された「ムービー・マスターピース パドメ・アミダラ」は、「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」20周年を記念して発売された。「クローンの攻撃」ではパドメはボディラインも露わな白いスーツに身を包み、惑星・ジオノーシスの現住生物やバトルイドロイド相手に大暴れする。フィギュアはその印象的な姿を写実的に表現している。

ナタリー・ポートマン演じるパドメが目の前にいるかのような体験ができるアクションフィギュア。「レオン」の時からファンであった筆者にとって発売を心待ちにしていたフィギュアだ

 ホットトイズのムービー・マスターピースは、映画からそのまま出てきたかのようなリアルな表現力が最大の特徴だ。今回のパドメも、彼女が目の前にいるかのような感覚が味わえる。服の質感はもちろん、顔も、肌の感じも映画そのままである。

 加えて20周年記念商品である本商品は"眼球移動システム"を搭載している。これまで多くのマスターピースフィギュアは役者の素顔そのままのヘッドの場合、目線が変えられるこのギミックは搭載されていなかった。このため、ポーズを取っても目線が固定されていてちょっと不自然な感じがあったのだ。

 本商品は目線が動かせるギミックを搭載、しかもパドメの衣装として最も印象的な姿での立体化ということで、"ナタリー・ポートマン フィギュアの決定版"として購入してみた。その魅力を紹介していこう。

惑星ジオノーシスで勇敢に戦うパドメの姿がフィギュアに

 最初にフィギュアのモチーフの紹介をしていきたい。ナタリー・ポートマン演じるパドメ・アミダラは、14歳で惑星ナブーを納める王女となり、任期を満了してからはる銀河元老院の議員として活躍する。彼女の政治手腕、カリスマ性は高く、議員として政界を代表する人物の1人となる。

 しかしその名声は"敵"も作り、彼女は命を狙われる。その護衛の任務に就いた若きジェダイの騎士こそ、アナキン・スカイウォーカーであった。アナキンは元は奴隷として惑星タトゥイーンで暮らしていたが、女王だったパドメと出会い、その時に護衛をしていたジェダイの騎士・オビ=ワン・ケノービとその師クワイ=ガン・ジンによってジェダイの騎士の素質を見いだされたのだ。ジェダイの騎士として美しい若者に成長したアナキンとパドメは、護衛咲きの惑星ナブーで恋に落ちる。

【「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」トレーラー】

 「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」ではアナキンとパドメの再会、そして惑星ナブーでの恋が描かれる。ジェダイは人への執着をもたらす恋愛を禁じており、アナキンとパドメの恋は秘密にしなければならなかった。アナキンは師匠であるオビ=ワンの危機を知るが、護衛の任務のために動けない。しかしアミダラはアナキンを後押しし、2人はオビ=ワンが囚われている惑星・ジオノーシスに向かう。

 今回、パドメが纏っている衣装はこのジオノーシスに向かう衣装である。前作でも惑星ナブー解放のために戦ったパドメだが、「クローンの攻撃」ではバトルドロイドの製造工場に飛び込み、ベルトコンベアの上で工作機械を避けたり、ドロイドと戦ったりと、まるでアクションゲームのキャラクターになったような、激しいアクションシーンを見せてくれる。

ホットトイズでは「クローンの攻撃」20周年を記念し、パドメと共にアナキンのフィギュアも発売された

 さらに捕らえられた後の処刑場のシーンでは襲いかかってくる怪物に服を引き裂かれ、お腹や腕、背中を露わにした大胆な姿で救援に来たジェダイの騎士達と共にブラスター片手に大立ち回りを演じる。セクシーな衣装で活躍するパドメの姿は「スターウォーズ 1~3」の中でも特に印象的で、パドメを代表する姿と言えるだろう。いよいよフィギュアのディテールに迫っていこう。

シンプルながら印象的な衣装を細かくチェック

 フィギュアはパドメのジオノーシスでの姿を再現している。これまでの優美なドレス姿から一転、体の線がはっきり出た純白の衣装に身を包んだ彼女はセクシーさも感じさせる。かなりきつめに結った髪や、純白の服は彼女の子供であるレイア姫のイメージも重なる。

 フィギュアのスケールは1/6、身長160cmの小柄な姿を約27センチの大きさで表現。フィギュアの全身を見ると、白一色のシンプルに見えた彼女の衣装の細かいディテールが見えてくる。首元には格子状の凹凸があり、胸元にもラインが引かれている。純白の飾り気の内服にラインが走っているのは、ストーム・トルーパーのアーマーデザインにも通じるところがある気がする。

【全身】
パドメの姿を忠実に再現したフィギュア。シンプルなデザインだが細かくチェックするのも楽しい
小柄なパドメの体型もきちんと表現されている
ホルスターにちゃんとブラスターが収められるなど作りもとても細かい

 上半身でアクセントになっているのが上腕についた銀の輪。フィギュアでもきちんと金属が使われており、柔らかな布地とコントラストを生み出している。また腰に巻かれたベルトは合成皮革で作られており、ポーチやホルスターが精巧に表現されている。裏地にはマジックテープが使われていてしっかりズボンに固定されている。ブーツもこの合成皮革が使われていて、質感もバッチリだ。

【ディテール】
最大の魅力はナタリー・ポートマン演じるパドメの表情の再現だろう。本人が目の前にいるかのようだ
レイア姫とのつながりを感じるかっちりした髪型
シンプルだが胸元などに飾りがある
上腕の銀の輪は金属が使われている
合成皮革でのベルト。ポーチなど作りは細かい。どんなものが収められているか気になる
ブーツも合成皮革が使われていて質感が良い

 フィギュアでは上に羽織るマントも注目。しっかり型が付けられており、1/6サイズでありながら実物大の衣装のようにしっかりシルエットが形作られる。首の位置を調整し腕で支えることで動きを演出することも可能だ。

 さらにフィギュアでは劇中未登場で、コンセプトアートに描かれたヘッドドレスも付属。側面に磁石が仕込まれており、この磁石を使うことで口元を隠したり露出させる表情付けができる。口元を隠すことで露出した目に視線が集中し神秘的な雰囲気が増すのも楽しい。

【マント】
ふわりとした雰囲気のマント。ドレープ(しわ)がかっちりしていているので、しっかりフィギュアがまとえる
ポーズにアクセントが加えられる
【ヘッドドレス】
コンセプトアートが存在する、劇中未登場のヘッドドレス
右頬に磁石があり、口元を隠せる

 付属品は「ブラスター・ピストル」と、「ブラスター・ライフル」。ピストルの方は戦いに積極的ではないナブーの文化を現すかのような優美な姿をしている。いかにもSFっぽい曲線と銀色を組み合わせたデザインだ。銃身は伸縮し縮めることで「ホルスターにしっかり収まる。このピストルはジオノーシスでは使われなかったが、前作スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」でパドメ達の武器として活躍している。

 ライフルはバトルドロイドのメインウェポンだ。パドメはこれを奪い活躍する。華奢な彼女が大型のブラスターを扱うビジュアルはかなりインパクトのあるビジュアルだ。ブラスターも攻撃的でメカニカルさを感じさせるデザイン。他のフィギュアや、ロボットフィギュアとからませても楽しいデザインである。

 そして「ムービー・マスターピース パドメ・アミダラ」の最大の魅力が「眼球移動ギミック」だ。視線を動かすことでポーズでの自然な感じが大きく増すのだ。これまでの写真でも目線は動かしているが、次ページではここにフォーカスし紹介していきたい。

【武器】
優美な雰囲気もあるブラスター・ピストル。銃身は伸縮する
バトル・ドロイドが使用する大型のブラスター・ライフル。ごつい外見だが、女性でも片手で扱える扱いやすい武器だ