レビュー
「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」レビュー
2024年4月12日 00:00
キバのトレードマークであるキバットベルトとキバットバットIII世もこのキットの見どころの一つ
腰部とともにキバットベルト、キバットバットIII世も組み立て。これらはこのキットの見どころの一つであり、細部まで表現されたモールドや完成度にも注目だ。ベルトの左右に装備するフエッスルはパーツがかなり細かく、シールも小さいので、作業中に飛ばしてしまわないよう注意したい。装備時の並び順は設定があるので、説明書やパッケージを参照のこと。
キバットは25mmほどの小さなサイズで、眼にクリアパーツを採用し、翼が可動する仕様。シールで仕上げる場合、19枚貼る必要がある。こちらも貼った後に爪楊枝や綿棒などで押さえつけて仕上げよう。なおベルトのパーツは取り外して、「Figure-rise Standard 仮面ライダーディケイド」に付属のパーツとディケイドライバーを装着し、カメンライド時の姿を再現できるようにもなっている。
ヘルズゲート解放状態の右脛は別途組み立てる。こちらもシールを貼る場所が多く、特に展開した翼の外側はちょっと苦労するかもしれない。貼る面とシールのサイズの誤差はほとんどないので、なるべく隙間がないように順番に貼っていけば自ずと綺麗に仕上がる。シワができてしまった場合も、最後に指で押さえてシワを伸ばせば目立たなくなる。
仮面ライダーキバ キバフォームの魅力を見事に立体化。ダークネスムーンブレイクのポーズももちろん可能だ
完成した本体は、仮面ライダーキバ キバフォームの特徴を見事に捉えている。体型やシルエットはもちろん、キバの特徴であるブラッディラングの光沢やヘルズゲートの輝き、スーツ部分の質感の表現などもバッチリだ。
関節部分が作り込まれているだけあって、可動も優秀だ。展開したヘルズゲートの再現は伊達ではなく、ダークネスムーンブレイク発動時の右脚を高く上げるポーズや宙返り、そしてフィニッシュのキックまで決まる。首と腰もよく動くので、腰を落とした姿や海老反りもOK。また腕は伸縮させることでより肘を深く曲げられるなど工夫もあり、劇中で見せた様々なポーズを再現可能だ。
キットには台座が2つ付属していて、キバとキバットをそれぞれディスプレイすることができる。キバを飾るための大きい台座は「Figure-rise Effect」シリーズのものと同じで、ポージングのサポートをする。ただしアームの曲がる角度に制限があり、微調整ができないので、より凝ったポーズを楽しみたいなら「アクションベース」を用意してもいいかもしれない。
一方小さいほうの台座はキバット用。キバットはベルトから取り外して翼を広げられるので、ダークネスムーンブレイク時にキバの周囲を飛ばすシーンも楽しめる。なおこの台座のアームは、キバ用台座のダボ穴に取り付けることもできる。
仮面ライダーキバの魅力を余すことなく立体化し、組み立てと完成後のポージングの楽しみを両立させたキット。特にスーツの質感の表現と作りやすさは、プラモデルの設計技術の進歩を感じられるはず。カラーリングをフォローするシールの数が多めだが、作っている間に貼ればそれほど気にならず、パーツのモールドとシールの柄がほとんど誤差なく合う、設計とシールのカッティングの技術に感心したほど。気になるなら塗装する選択肢があるのも、プラモデルならではだ。
キバファンのみならず、平成仮面ライダーファンやアクションフィギュアのファンにも自信を持って勧められるキットだ。このクオリティでエンペラーフォームをはじめとするキバの各フォームや仮面ライダーイクサなど、バリエーションの展開にも期待したい。
(C)石森プロ・東映