レビュー

「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」レビュー

キバのトレードマークであるキバットベルトとキバットバットIII世もこのキットの見どころの一つ

 腰部とともにキバットベルト、キバットバットIII世も組み立て。これらはこのキットの見どころの一つであり、細部まで表現されたモールドや完成度にも注目だ。ベルトの左右に装備するフエッスルはパーツがかなり細かく、シールも小さいので、作業中に飛ばしてしまわないよう注意したい。装備時の並び順は設定があるので、説明書やパッケージを参照のこと。

 キバットは25mmほどの小さなサイズで、眼にクリアパーツを採用し、翼が可動する仕様。シールで仕上げる場合、19枚貼る必要がある。こちらも貼った後に爪楊枝や綿棒などで押さえつけて仕上げよう。なおベルトのパーツは取り外して、「Figure-rise Standard 仮面ライダーディケイド」に付属のパーツとディケイドライバーを装着し、カメンライド時の姿を再現できるようにもなっている。

股関節の組み立て。腰と両脚が接続される関節で4パーツで構成
組み立てた股関節を腰のパーツに取り付ける
キバットベルトのキバックル(ベルト)とフエッスロット(フエッスルのホルダー)を取り付け
フエッスルを組み立てる。綺麗に仕上げるなら、ピンセットは必須
フエッスルは全部で6種類
フエッスルをフエッスロットに収める。説明書を参考に正しい場所に収めよう
キバットバットIII世の組み立て。シールは正しい位置に乗せてから、先を丸くした爪楊枝で優しく押さえると、パーツのモールドを生かして貼れる
19枚ものシールを貼ったキバットのパーツ群
組み立ててキバットが完成
ベルトに取り付ける。コウモリなので逆さに取り付けるのだ

 ヘルズゲート解放状態の右脛は別途組み立てる。こちらもシールを貼る場所が多く、特に展開した翼の外側はちょっと苦労するかもしれない。貼る面とシールのサイズの誤差はほとんどないので、なるべく隙間がないように順番に貼っていけば自ずと綺麗に仕上がる。シワができてしまった場合も、最後に指で押さえてシワを伸ばせば目立たなくなる。

ヘルズゲート展開時の右脛の組み立て。緑の部分はシール
翼にシールを貼っていく。貼る順番に指定はないが、筆者は内側から貼った
シールを貼った翼と足首
それぞれを組み付けて完成

仮面ライダーキバ キバフォームの魅力を見事に立体化。ダークネスムーンブレイクのポーズももちろん可能だ

 完成した本体は、仮面ライダーキバ キバフォームの特徴を見事に捉えている。体型やシルエットはもちろん、キバの特徴であるブラッディラングの光沢やヘルズゲートの輝き、スーツ部分の質感の表現などもバッチリだ。

完成したパーツを組み付けて仮面ライダーキバ キバフォームの完成。全高は実寸で165mm
背面。キングシングレットのシルバーが鈍く輝く
プラモデルとは思えない完成度の高さを誇る。スミ入れやピンポイント塗装でさらに美しく仕上げられるはず
ブラッディラングやキバットのディテールもかなり細かい
キバットベルトとフエッスル。フエッスルは取り外しが可能
ヘルズゲートとカテナ。カテナは一部がわずかに浮いた設計で、立体感を出している

 関節部分が作り込まれているだけあって、可動も優秀だ。展開したヘルズゲートの再現は伊達ではなく、ダークネスムーンブレイク発動時の右脚を高く上げるポーズや宙返り、そしてフィニッシュのキックまで決まる。首と腰もよく動くので、腰を落とした姿や海老反りもOK。また腕は伸縮させることでより肘を深く曲げられるなど工夫もあり、劇中で見せた様々なポーズを再現可能だ。

肩は胴体側の引き出し関節と腕のボールジョイントで広い可動範囲を誇る。また肩のプテラ・プレートは独立してスイング可動する
前腕を引き出すことで肘を深く曲げられる
取り出したフエッスルを構えるポーズも決まる
交換用手首は3個付属。右はフエッスルを持つための右手首
ヘルズゲート展開時の右脚は、膝の下を交換する

 キットには台座が2つ付属していて、キバとキバットをそれぞれディスプレイすることができる。キバを飾るための大きい台座は「Figure-rise Effect」シリーズのものと同じで、ポージングのサポートをする。ただしアームの曲がる角度に制限があり、微調整ができないので、より凝ったポーズを楽しみたいなら「アクションベース」を用意してもいいかもしれない。

 一方小さいほうの台座はキバット用。キバットはベルトから取り外して翼を広げられるので、ダークネスムーンブレイク時にキバの周囲を飛ばすシーンも楽しめる。なおこの台座のアームは、キバ用台座のダボ穴に取り付けることもできる。

付属の台座。アームは可動式ではなく、ジョイントを抜いて角度を変えて差し込むタイプ
キバならではの腰を落としたポーズも取りやすい
ちょっと見にくいが、キバット用の台座も付属している
ダークネスムーンブレイク発動時は、キバットがカテナを食いちぎり、ヘルズゲートが開く
片足で空中へ飛び上がって宙返り。腰は後ろ側にもここまで反れる
上空からのキックでフィニッシュ!

 仮面ライダーキバの魅力を余すことなく立体化し、組み立てと完成後のポージングの楽しみを両立させたキット。特にスーツの質感の表現と作りやすさは、プラモデルの設計技術の進歩を感じられるはず。カラーリングをフォローするシールの数が多めだが、作っている間に貼ればそれほど気にならず、パーツのモールドとシールの柄がほとんど誤差なく合う、設計とシールのカッティングの技術に感心したほど。気になるなら塗装する選択肢があるのも、プラモデルならではだ。

キバフォームは、ダークネスムーンブレイクを繰り出すまでは、格闘戦が多かったように思える。アクションポーズを楽しもう

 キバファンのみならず、平成仮面ライダーファンやアクションフィギュアのファンにも自信を持って勧められるキットだ。このクオリティでエンペラーフォームをはじめとするキバの各フォームや仮面ライダーイクサなど、バリエーションの展開にも期待したい。