レビュー

「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」レビュー

キバフォームの質感を極限まで再現。素組みでも格好良く仕上がる、キバとキバットのコンビ

【Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年4月13日

価格:4,400円

ジャンル:プラモデル

全高:約165mm

 BANDAI SPIRITSのプラモデル「Figure-rise Standard(フィギュアライズ スタンダード)」で展開される「仮面ライダー」シリーズの最新アイテム「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」が、4月13日に発売される。

 組み立てて完成させると、アクションフィギュアのように動かして楽しめるFigure-rise Standard。主にアニメや特撮番組のキャラクターを立体化していて、中でも仮面ライダーはこれまでに多数発売され、新作のたびにその造形や表現が進化している。今年1月には「Figure-rise Standard 仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ」が発売されたばかりだが、早くも次のアイテムの登場となった。

 「平成仮面ライダー」のキット化はこのキバでちょうど20体目になるとのこと。仮面ライダーとしてはかなり特異なダークファンタジーの意匠がプラモデルでどう表現されているのか、注目いただきたい。

「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」。4月13日発売。価格は4,400円
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ダークファンタジーを思わせる、複雑な意匠の「キバの鎧」をパーツで忠実に再現

 「仮面ライダーキバ」は、人間のライフエナジーを吸収する「ファンガイア」と戦うバイオリン職人の紅渡(くれない わたる)と、その父のバイオリニスト紅音也(くれない おとや)の、父子2代の物語が並行して描かれる独自の演出のもと、2008年に放映された。

 渡は人間とファンガイアのハーフであり、コウモリの姿をしたモンスター、キバットバットIII世の力により「キバの鎧」を身にまとい、仮面ライダーキバへと変身。「キバフォーム」はその基本形態で、鎧の各所が「カテナ」という鎖によって拘束され、本来の絶大な力は制御されている。腰のキバットベルトにはキバットバットIII世が収まり、左右に装備した「フエッスル」をキバットが吹き鳴らすことで、フォームチェンジや必殺技「ダークネスムーンブレイク」を行うのだ。

「Figure-rise Standard 仮面ライダーキバ キバフォーム」パッケージ

 キットはこのキバの鎧を忠実に再現するために、パーツの造形のみならず、その質感にもかなりこだわって設計されている。例えばAパーツ(イロプラ)の大部分を占める黒いパーツはスーツを表現したつや消しの質感で、Dパーツは逆に光沢が強いグロスインジェクション、Eパーツは鎧の拘束具のシルバーで、つや消しのエクストラフィニッシュというメッキが施されている。パーツの成形色で補えない細かな色分けは、シールを貼ることでフォローしている。ちなみにシールは番号で82、枚数で91枚ある。多いようだが、組み立ての途中で貼っていけばそれほど気にはならない。かなり小さなシールもあるので、未塗装で綺麗に仕上げたいなら、ピンセットは用意しておきたい。

Aパーツ(イロプラ)、Aパーツ(クリア)
B2パーツ×2、C1パーツ
C2パーツ、Dパーツ
Eパーツ、CE-1パーツ
シール
パーツごとに違った質感で成形されている

 組み立てはキバ・ペルソナと呼ばれる頭部から開始。コウモリのシルエットにも見える複眼オムニレンズは、下地にゴールドのシールを貼って、その上から裏にモールドのあるクリアパーツをはめ込むことで、光を乱反射して輝く様子を表現している。赤い飾りのあるクラウンソナーやガーディアンクラウン、額の魔皇石にも細かなモールドが施されている。一部シールを貼る部分もあるが、塗装をすればより美しく仕上がるはず。

顔の組み立て。内部のパーツにクラウンソナー(センサー)とガウ・クラッシャー(あご)を取り付ける
オムニレンズ(眼)の組み立て。内側にシールを貼って顔のパーツに取り付ける
後頭部を組み立てて、顔のパーツに取り付け
クーラントシルヴァ(クラウンソナーの内側の部分)と額の魔皇石にシールを貼る
オムニレンズにクリアパーツをはめ込んで頭部が完成

 胸部は前方にスイングして引き出せる肩関節を内蔵しつつ、特徴的な前面のブラッディラングや横から背面を覆う装甲キングシングレットなどを再現している。前者は分割されたパーツをはめ込むことで色分けと立体感を両立させている。腹部は別パーツで、もちろんジョイントで可動する仕組みだ。

胸部の組み立て。スイング可動する肩関節と胸部を組み立てる
ブラッディラング(胸の鎧)のモールドのパーツをはめ込む
ダークネス・チョーカー(首元の飾り)とブラッディラング上面のパーツを取り付ける
キングシングレット(背中の鎧)を組み立て
首関節(左)と腹部(右)を組み立てる
胸部に首関節と腹部を取り付けて胴体が完成

 腕は肩の拘束具プテラ・プレートに別パーツのカテナを取り付ける。カテナは細めのパーツだが強度はあるので折れる心配はないが、取り付けるためのダボを切り離さないように注意。プテラ・プレートの黒い部分、前腕のモールド、キングブレスの魔皇石、手甲のモールドなどはシールで再現される。シールは規定の箇所に乗せた後に爪楊枝や先細の綿棒などを使って破れないように優しく押さえて密着させると綺麗に仕上がる。

肩のプテラ・プレートの組み立て。黒い部分はシールだ
カテナ(鎖)のパーツを取り付ける
組み立てた肩関節をプテラ・プレートに取り付ける
上腕を組み立てる
前腕のパーツで上腕関節を挟み込んでシールを貼り、キングブレス(腕輪)を取り付ける
手首の組み立て。手甲の模様はシールだ
肩、腕、手首を取り付けて腕が完成。右腕も同じように組み立てる

 脚は膝より下が左右非対称なのが仮面ライダーキバの特徴。右脚にはダークネスムーンブレイク時に展開するヘルズゲートがあり、こちらもカテナのパーツで周囲を囲む設計だ。脛は交換によってヘルズゲートを開いた状態にもできる。一方、左脚の構造はシンプルでパーツ数も右より少なくなっている。

太ももの組み立て。根元と先端は2パーツで、ジョイントで可動する
膝関節を組み立て
ヘルズゲート(右脛)を組み立て。上部にはシールを貼っている
前後にカテナのパーツを取り付ける
膝関節を挟んで太ももと脛を組み付け
足首の組み立て。こちらにもカテナのパーツがある
膝パーツにシールを貼る。黒いドットがシールで、かなり小さいので扱いに注意
それぞれを組み付けて右脚が完成。足裏の赤い部分もシールだ
左脚も同様に組み立てる。バランサー・アンクレット(足首の飾り)は両側にシールを貼る
完成した両脚