レビュー

「DX超合金YF-21」"変形"レビュー前編

ガルド・ゴア・ボーマン機

ファイター形態では薄く、ガウォーク形態ではスマートなYF-21のプロポーション

 ここからはファイター、ガウォークのディテールを紹介していこう。まずファイター形態の全身。YF-21はファイター形態も特徴的だ。曲線が多いデザインはステルス戦闘機、特にアメリカ空軍向けに試作された試作戦闘機「YF-23」に形が似ている。

【ファイター形態全身】
【YF-23】
こちらは実在した試作機YF-23。画像はプラッツのプラモデル「1/72 アメリカ空軍 試作戦闘機 YF-23」

 YF-21の大きな特徴の1つとしてコクピットがある。他のVFと異なる装甲が施されたキャノピー、「DX超合金YF-21」ではコクピットに座るパイロット・ガルドのフィギュアも用意されている。劇中同様、手は座禅を組んでいるときのような形で造型されている。ガルドはこの姿勢で操縦桿を握らず、脳内イメージで機体を操縦するのだ。

 「DX超合金YF-21」では機体をデザインした河森正治氏の監修の際、特にコクピットから機体に向かうラインでリテイクがあったという。このこだわりのラインを堪能するには機体を後ろから眺めるのがいい。また設計では手足を収納しているのも関わらず、機体を薄くすることに注力したとのこと。この薄さも注目ポイントだ。

【ディテール】
透明部分が最小限の独特のキャノピー
内部ではガルドのフィギュアがコクピットに収まっている。手の形も原作通り
後ろから。機首から機体に繋がるラインは何度かリテイクが加えられたとのこと
見上げる。機体の薄さは苦労したポイント
精密に造型されたエアインテーク
主翼には新統合軍のマーキングがある
ノズルフィンは細かい表情付けが楽しめる
黒い菱形部分はミサイルの射出口だ
全身のマーキングも見所
高速時の形態も再現できる

 様々な方向に噴出方向を変えられるノズルフィンはしっかり可動するところも注目したい。変形システムを活用した高速移動のための主翼を畳んだ形態も再現できる。このほか目を惹くのは全身の細かいマーキングだ。機体名のYF-21や、製造メーカーである「GENERAL GALAXY」、搭載しているエンジンの「FF-2450B」など全身に細かくマーキングが入っていてこの情報をチェックするのも楽しい。

 次はガウォーク形態を見ていこう。戦闘機から手足が出てくるガウォークはVFならではの形態と言えるが他のVFの多くがファイター時のエンジンが足に変わるのに比べ、YF-21ではエンジンはバックパックとなり、細い手足が機体の下部から出てくるのが面白い。

【ガウォーク形態全身】

 特に「DX超合金YF-21」では機体後部が前進し、ファイター時とプロポーションバランスが変わっているのがポイント。一見手足が収納されていたとは思えない機体バランスとなっていてガウォークのプロポーションがきゅっと締まっているように見える。

 細い手足はゼントラーディのパワードスーツである「クァドラン・ロー」を思わせる。尾翼が前腕についているのも特徴だ。劇中ではこの尾翼部分にピンポイントバリアーを生じさせ、盾のように敵弾を防ぐ場面も見られた。ガンポッドを2丁拳銃のように持つだけでなく、前腕にはさらにレーザー機銃が搭載されている。

 またファイター時には底面ハッチとなる装甲はガウォーク時には側面装甲となって独特のアクセントになる。ガンポッドだけでなく、追加武装であるファストッパックを装備できるウェポンプラットフォームとなるところにデザインの秀逸さを感じる。

【ディテール】
両手に持ったガンポッドはケースレス弾薬を使用しており、弾丸を発射しても薬莢をまきちらさない
細身の腕には多くの関節が仕込まれている
エンジンがない分、YF-21の足は他のVFに比べ独特の形状をしている
側面装甲は武器を装備できるプラットフォームになる
ガンポッドのデザインもユニークだ
変形時に見える内部ディテールは本商品用にデザインされた
独特のデザインが楽しい

 今回は前編ということでファイターからガウォークへの変形に注力した情報をお伝えした。「DX超合金YF-21」の変形は一見複雑だが、各パーツの移動などをしっかり考えており、手順を意識すればきちんと変形ができる。この記事が参考になってもらえれば嬉しい。

 記事の後編ではバトロイドへの変形、さらにYF-21ならではの形態であるハイ・マニューバモードへの変形、そして追加武装であるファストパックを紹介する。「DX超合金YF-21」は魅力あふれる商品である。後編も楽しみにして欲しい。