レビュー

「HG 1/144 ハイザック・カスタム(A.O.Z RE-BOOT版)」レビュー

“隠れハイザック”を「A.O.Z RE-BOOT」のデザインで立体化。特徴的な肩アーマーやビーム・ランチャーも再現

【HG 1/144 ハイザック・カスタム(A.O.Z RE-BOOT版)】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年12月20日(1次予約分)

価格:3,080円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約135mm

プレミアムバンダイ販売商品

 今年放映40周年を迎える「機動戦士Zガンダム」の公式外伝シリーズ「ADVANCE OF Z」より、「A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢」(以下、「A.O.Z Re-Boot」)で設定された「ハイザック・カスタム」が「HG」シリーズにてプラモデル化された。

「HG 1/144 ハイザック・カスタム(A.O.Z RE-BOOT版)」。2024年12月20日発送(1次予約分)。価格は3,080円。プレミアムバンダイ販売商品

 この「HG 1/144 ハイザック・カスタム(A.O.Z RE-BOOT版)」は「A.O.Z Re-Boot」準拠のハイザックのデザインに則り、ずんぐりとした体躯と、縦に押しつぶしたような扁平な頭部が特徴的で、2023年にGUNDAM SIDE-F販売アイテムとして発売された「HG 1/144 ホビー・ハイザック (A.O.Z RE-BOOT版)」の一部パーツを採用したリデコレーションアイテム的な内容となっている。

2023年発売の「HG 1/144 ホビー・ハイザック (A.O.Z RE-BOOT版)」。GUNDAM SIDE-F限定アイテムで、このHG ハイザック・カスタムのベースとなる

 「機動戦士Zガンダム」時代から数えて、初めてプラモデル化された「RMS-106CS ハイザック・カスタム(通称“隠れハイザック”)」のレビューをお届けする。

遠距離攻撃特化に改良された高機動型ハイザックを忠実に再現。折り畳み式の長銃身ビーム・ランチャーのギミックも再現

 今回キット化された「A.O.Z Re-Boot」版ハイザック・カスタムは、ビーム・ランチャーを装備した狙撃仕様のハイザックで、ジェネレーターや推力の強化により、高機動機としての側面も持っている。「電撃ホビーウェブ」の藤岡建機氏による「A.O.Z Re-Boot」のMSイラスト連載ページでは、地球連邦軍カラーの紺色で描かれていて、バックパック交換による派生型が展開する「トランスパック」によるバリエーションを提示している。

「HG 1/144 ハイザック・カスタム(A.O.Z RE-BOOT版)」パッケージ。プレバン販売アイテムの定番である単色のシンプルなデザイン

 キットは「機動戦士Zガンダム」に登場したときと同じグリーンのカラーで発売された。同作では第39話「湖畔」に登場。サイド2のコロニーで2機がエゥーゴを待ち構えて潜伏していたが、クワトロが駆る百式と交戦し撃破されている。

【ハイザック・カスタム|昼MS【ガンチャン】】

 前述の通りキットの内容は、先行して発売されたホビー・ハイザックのパーツが多く使われていて、ランナーにも同機の名前が見られる。またポリキャップも用意されている。

A1パーツ
A2パーツ、B1パーツ
B2パーツ、C1パーツ
C2パーツ、D1パーツ
E1パーツ、E2パーツ、F2パーツ、PC-001パーツ(ポリキャップ)
シール、マーキングシール

 組立は胸部から。近年のガンプラの定番である成形色による色分けや、合わせ目が目立たない設計はちゃんと押さえていて、胸のダクトや腰のパイプなどは色分けされている。腹部にはL字のジョイントが組み込まれていて、前後左右に可動する仕組み。特に上半身を前に傾けるときはかなり深く曲げられるようになっている。

肩の関節の組み立て。2つ組み立てて、胸部のパーツにはめ込む
胸部前面の装甲を取り付ける
腹部のジョイントを組み立て、首のジョイントとともに取り付ける
胸の動力パイプと装甲のパーツを取り付ける
背中の装甲を取り付ける
ダクトのパーツを取り付け、左胸の突起にシールを貼って胸部が完成

 頭部は内部にモノアイの可動機構を備えている。素組みのときはモノアイパーツにシールを貼ることで塗装をしなくても設定通りに仕上がるわけだが、モノアイのシールはかなり小さいのでピンセットを使うなどして貼るといいだろう。動かすときは頭頂部のパーツを取り外して行う仕組みだ。

頭部の組み立て。中央にポリキャップのジョイントを取り付ける
頭部の底板と口のダクトを取り付ける
動力パイプを取り付ける
モノアイレールとモノアイにシールを貼る
モノアイを取り付け、頭頂部を取り付けて頭部が完成

 腕は上腕と前腕が左右共通。右肩の大型スパイクアーマーは新規造形で、左肩のアーマーとともに一体成形で、素組みでも合わせ目が目立たないようになっている。それぞれのスパイクは個別に取り付ける設計だ。

腕部の組み立て。肘と手首のジョイントを組み込んで外装を取り付ける
装甲を取り付けた前腕に上腕のジョイントを取り付ける
上腕の装甲を取り付ける
肩関節を組み立てる。右に飛び出しているジョイントは肩アーマーを接続するためのもの
肩と上腕を接続して腕部が完成
ここまでは左右同じで、もう一方の腕も組み立てる
右肩のアーマーを組み立てる
左肩のアーマーを組み立て。中央のスパイクは内側から取り付ける設計だ
両手の手首を組み立てたら、腕、肩アーマーをそれぞれ組み付けて両腕が完成
胸部に頭、腕を取り付けて上半身が完成

 脚部や太ももからつま先までが左右共通。上下にはふくらはぎの装甲のパーツで左右を組み分ける。膝には上下に関節があり、深く曲げることが可能だ。つま先、内側のダクト部分、脛の前後にシールを貼るのを忘れずに。

脚部の組み立て。膝関節から組み立てていく
足首の関節を組み立てる
ふくらはぎの組み立て。太もも、足首の関節を組み込んでいく
後ろ側と前側に装甲を取り付ける。グレーと赤の四角い部分はシールだ
向こうずねのアーマーを取り付ける
足首の組み立て。つま先の赤いパーツのグレーの部分はシール
足首のブロックと装甲を取り付ける
膝から下の脚部が完成。左右共通でもう一方も組作る
太ももを組み立てる
ふくらはぎのバーニアを組み立てる
太ももとバーニアを取り付ける
脚部付け根の関節を組み立てる
付け根の関節を太ももに取り付ける
もう一方も同様に組み立てて脚部が完成

 腰部にはスイング関節が内蔵されていて、付け根から脚部を引き出せるようになっている。ただし関節は左右独立していないので、引き出すときは両脚を同時に行おう。腰部前側のアーマーも1パーツなので、同様に動かすときは要注意。

腰部の組み立て。前部はフロントアーマーを、後部はポリキャップを組み込んで両者を組み付ける
股関節を組み立てる。中央の扇形の隙間が関節の可動範囲だ
フロントアーマーに股関節を取り付ける
腰部リアアーマーの組み立て
リアアーマーを取り付ける
脚部を取り付け、腰部左右のアーマーを取り付けて下半身が完成
上半身と下半身を接続して本体が完成