レビュー

「トミカプレミアムunlimited DRIFT TURN STAGE」レビュー

『頭文字D』、『ワイルドスピードD』の世界をトミカで表現

【DRIFT TURN STAGE 頭文字D】
【DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード】
開発・発売元:タカラトミー
3月15日発売
価格:6,600円
※単4電池3本使用

 タカラトミーが3月15日に発売したターンステージ「トミカプレミアムunlimited DRIFT TURN STAGE 頭文字D」と、「トミカプレミアムunlimited DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」は、“大人のためのトミカ”として提案するミニカー「トミカプレミアム」と、トミカプレミアムを乗せる「ステージ」のセット。それぞれの作品に登場した“車”だけでなく、その車に欠かせないアクション、そして世界観を再現できる商品だ。

 トミカをステージに乗せスイッチを入れると、トミカが煙を吹き出し、ブレーキ音を響かせ、“ドリフト”するのである! 世界観にバッチリなノリノリのBGMと、LEDの光と共に、トミカが激しく車体を振るのだ。動かないはずの車体が、かっこよくドリフトする。本商品はその驚きを体験できる。

 今回、発売に先駆けて2つの商品を体験することができた。その魅力を紹介していきたい。

煙を立てて、ブレーキとタイヤ音を響かせてのドリフト! 『頭文字D』と『ワイルド・スピード』の世界観を再現した商品が同時発売だ

スタイリッシュなドリフトアクション! 『頭文字D』

 今回、「トミカプレミアムunlimited DRIFT TURN STAGE」ではコミックから幅広いメディアで展開中の『頭文字D』と映画『ワイルド・スピード』の2作品が取り上げられている。

 『頭文字D』はしげの秀一氏による走り屋をテーマにしたマンガが原作。主人公・藤原拓海は、元ラリードライバーの父・文太の仕事を手伝い、トヨタ AE86 スプリンタートレノ(ハチロク)で毎日秋名山の峠道を走り、とうふの配達をしていた。とうふを崩さないように、車内のドリンクホルダーのコップから水をこぼさないように走ることを求められ、最速で峠を攻めていくうちに、拓海は卓越したドライビングテクニックを身につけていく。

【拓海のハチロク】
通称「パンダトレノ」、劇中の雰囲気を細部まで再現

 そして拓海は赤城山を本拠地とする走り屋チーム「赤城レッドサンズ」の高橋啓介と戦い、勝つことで走り屋達に「秋名のハチロク」として知られるようになり、走り屋達との峠のレースへとのめり込んでいく。やがて高橋啓介の兄・高橋涼介が立ち上げた「プロジェクトD」のメンバーとして、関東の走り屋達に挑戦していくこととなる……。

 拓海のハチロクは作品世界の中でその性能を上回るマシンが登場してくる。しかし拓海の卓越したテクニックと、それに応えるアップデートを繰り返しながらライバル達に勝利していく。彼の走りを象徴するテクニックが「ドリフト」だ。拓海のハチロクは直線ではライバル車のパワーにかなわないものの、拓海の恐怖を克服する心と、卓越したテクニックによるドリフトで相手を抜き去る。

 「DRIFT TURN STAGE 頭文字D」はそのドリフトシーンが想起される。その秘密は「ハチロク」を乗せるターンテーブルにある。ターンテーブルは単4電池3本で動く。始動させる前に台の裏の電池ボックスに電池を入れ、「タンク」をいったん取り外し、スポンジを入れる。トミカ固定パーツを使って台にハチロクをセット、さらにスポイトを使って水を台の穴から注入する。

【DRIFT TURN STAGE】
ハチロクを「DRIFT TURN STAGE」に乗せることで、華麗なドリフトアクションが楽しめる
操作パネル。右が電源ボタン、左がアクションボタン
水を入れるタンク。中央の白いスポンジをセットする
裏面、電池を入れ、タンクをセットする
トミカ固定パーツをハチロクの前輪内側にセットし、台に固定する
スポイトで台の穴から水を入れる
ハチロクをセットスイッチを入れるとアクションスタートだ

 前面パネルの電源を押すとターンテーブルが動き出す。左のアクションボタンを押すことでハチロクは車体を激しく振り、ドリフトを行う。アクションボタンを押すたびにドリフトを行うこのモードが「フリードリフトモード」だ。

 「フリードリフトモード」からアクションボタンを長押しすることで「スペシャルドリフトモード」へ移行する。派手なBGMとLEDの光の中、煙を吹き出して車体を激しくスライドさせるハチロクは迫力満点だ。ぜひこのアクションを動画で見てほしい。

【トミカがドリフト! 「DRIFT TURN STAGE 頭文字D」】

 商品にはさらに車が回転する中でLEDが7色に変化する「ディスプレイモード」も搭載している。「DRIFT TURN STAGE 頭文字D」の面白さは、アニメさながらに車が激しくドリフトし、煙を噴き上げるその姿にある。特にスペシャルドリフトモードはドリフトするハチロクを色々な角度で見たくなる。きしるタイヤや、ブレーキ音、ノリノリのBGMに、車体を染めるLEDと非常に派手だ。

煙を上げ、激しくドリフトするハチロク。トミカがこの動きを見せてくるのが楽しい

 吹き出す煙は水を超音波で煙状にするもの。火を使わないので安全な上、少しの水で豪快な煙が上がる。これまでの玩具技術を活用し、『頭文字D』の世界観をたっぷり堪能できるのが楽しい。

パワフルでワイルドな走りが楽しい「ワイルド・スピード」

 そして「DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」では、『頭文字D』とは異なる世界観が表現される。トミカは「BNR34 SKYLINE GT-R」、映画2作目「ワイルド・スピードX2」で主人公ブライアンが搭乗し、ド派手な走りを見せてくれる。付属のトミカプレミアムunlimitedでは可能な範囲で再現している。

【BNR34 SKYLINE GT-R】
ボディのシルバーの塗装がLEDに照らされた時を意識したDRIFT TURN STAGE用のメタリック塗装となっている
劇中のシーンが彷彿とされるパーツ類が可能な範囲で再現されているのが確認できる
車やパネル、台のカラーが違うと「頭文字D」と雰囲気が大きく異なる
映画の原題である「FAST & FURIOUS」が描かれている。回転することで虹色にキラキラと光る
操作パネルもド派手だ

 『頭文字D』と異なる点はトミカだけでなく、ターンテーブルに「FAST & FURIOUS(猛烈な勢いで)」の文字があること。実はこれは『ワイルド・スピード』の原題なのだ、米国では『ワイルド・スピード』シリーズは、「FAST & FURIOUS」シリーズなのである。この文字は回転することでキラキラと虹色に光る。

 さらに「DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」 ではドリフトアクションやスペシャルドリフトモードでのBGMも異なる。LEDが照射された際にキラキラ光るよう工夫された車体塗装やステージ部分の文字など「頭文字D」とはひと味異なる演出を動画で楽しんでほしい。

【ド派手なドリフトを見よ! 「DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」】

 「DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」はスタイリッシュな「頭文字D」に比べ、よりパワフルで、強引さを感じさせる走りの演出が楽しい。外見がちょっと地味に感じるハチロクと、厳ついボディに、車内から助手席を取り払った窒素ボンベが覗くGT-Rの迫力たっぷりな外観も大きく異なる。それぞれの商品だけでなく、2つ手に取ることで、「DRIFT TURN STAGE」の表現の幅を実感できる。

トミカの完成度もチェック!

 「トミカプレミアムunlimited」は映画やドラマ、コミックといったさまざまなシーンに登場し、その魅力あふれる活躍が鮮烈に思い出されるクルマを、造形や細部に渡る塗装で最大限に再現したトミカである。ドリフトアクションだけでなく、トミカそのものも注目していきたい。

 「DRIFT TURN STAGE 頭文字D」は、劇中のハチロクを可能な限り再現している。白と黒の「パンダトレノ」と呼ばれるカラーリング、右側面に描かれた「藤原とうふ店(自家用)」の文字はもちろん、今回のDRIFT TURN STAGE用に施されたナンバープレート上の「頭文字D」ロゴや車体の細かい文字もしっかり判別できる。

 ドアを開けることもでき、車内の作り込みも確認可能。”拓海のハチロク”を手の中でしっかり楽しめるコレクションアイテムとしても満足感が高い商品だ。

【拓海のハチロク】

 「DRIFT TURN STAGE ワイルド・スピード」は、映画2作目の『ワイルド・スピードX2』で主人公ブライアンが搭乗しレースを繰り広げた「BNR34 SKYLINE GT-R」を再現している。

 銀の基本色にはラメのような粒子が粗く見えるような特殊な塗装で、車により派手な印象を与える。レーシングカーのような青いライン、大型のウイングとこのGTRが速さを追求した特別な車であることを印象づける。GTRならではのパワフルな雰囲気が、映画にぴったりである。

【BNR34 SKYLINE GT-R】

 動力のないトミカが動く、「DRIFT TURN STAGE」は動いている車を表現する楽しくて斬新な商品だ。特に「スペシャルドリフトモード」のBGMが鳴り響き、LEDが光る中でドリフトを決め、煙が上がるド派手な雰囲気が楽しい。

 ちょっと最初に戸惑った点は、スイッチの構造が押しているかがわかりにくいところ。ここは今後の商品でもっとクリック感のある構造にしてもいいのではないかと感じた。とてもユニークなアプローチの商品であり、今後も色々な車で登場してほしい。

大迫力のドリフトアクションは、トミカの新しい可能性を感じさせてくれる