レビュー

「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 ハーフクロス(キンケドゥ搭乗仕様)」レビュー

過去アイテムを踏襲したギミック、アクションの数々が受け継がれた“はじまりのX1”

 「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 ハーフクロス(キンケドゥ搭乗仕様)」では、ハーフクロス形態の他、通常の「クロスボーン・ガンダムX1」、そして、キンケドゥが搭乗したらを表現した「クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」にすることもできる。

 通常の「クロスボーン・ガンダムX1」は近接戦闘に特化した武器を駆使したアクションが魅力で、漫画本編でのキンケドゥの活躍を思い出させるポージングが楽しめる。もちろん、全身に仕込まれた武器を巧みに操るケレン味もMETAL BUILDの濃密なディテールと可動で表現できる。

【クロスボーン・ガンダムX1】
両腕部に備えたブランド・マーカーによる近接格闘
ビーム・ザンバーとブランド・マーカーによるビームシールド
射撃武装のバスターガンとビーム・ザンバーを手にすると海賊らしい印象
バスターガンとビーム・ザンバーを連結したザンバスター
スコープを展開し、ザンバスターに弾頭を装填。マンガでもあった狙撃シーンを再現できる
膝立ちポーズも可能。脹脛に隠されたヒートダガーも手に持たせることができる
足裏のジョイントにヒートダガーの刃を装着すれば、展開状態にすることも可能
コア・ファイターのビーム・サーベル
フロントスカートのシザーアンカー。チェーンパーツと補助支柱、ジョイントパーツで射出状態を表現できる
ジョイントパーツを使用することでビーム・ザンバーをシザーアンカーで持たせたケレン味あるアクション

 そして、フルクロスを装着した状態は全身を覆う追加装甲による防御力を底上げした姿となる。本アイテムでは「キンケドゥが使用したら?」を想起させるものとなっている。

 「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」にてトビア・アロナクスが搭乗した際のムラマサ・ブラスター、ピーコック・スマッシャーの大火力武装はないものの、X1の武装やヒート・カッター、スカルヘッド・ユニットを駆使したアクションが楽しめる。

 装着方法も左右肩部、胸部のフルクロス、襟元の装甲を追加することで完成する。

【フルクロス 装着】
フルクロスを装着
襟元の装甲を装着
【クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス】
モビルスーツ本体を包み堅牢なフルクロス
フルクロスの各部可動で腕部を動かすことも可能
ブランド・マーカーを突き出すアクション
フルクロスの内側には大型のヒート・カッターが仕込まれている
フルクロスをひるがえしながらヒート・カッターで攻撃
肩のスカルヘッド・ユニットはジョイントパーツを使うことでブランド・マーカーの発生装置に取り付けができる。フルクロスの一部装甲を取り外した状態にすることもできる

過去アイテムとのディスプレイ。色彩から感じられるX1の歴史

 「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 ハーフクロス(キンケドゥ搭乗仕様)」ではキンケドゥ搭乗機ともあり、再改修(X1改・改)前の状態で胸部にクロスボーン・バンガードのエンブレムが施されている。外観としては過去商品の「クロスボーン・ガンダムX1」と比べても大きな変化はないが、色彩の違いはかなり出ている。

 本商品では前日譚となる「機動戦士クロスボーン・ガンダム 最初のX(クロス)」で登場した状態で、本編の木星戦役が始まる前の状態が表現されている。

 特に黒のカラーリングは青味の入った彩色でロールアウトしたばかりのような新品感が演出されている。また、マンガカラーイラストに近い印象であり、ゲームや立体物にも続いていく「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の“はじまりの色”が感じられる。

 特に「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」と比較すると、キンケドゥからトビアへ受け継がれた「クロスボーン・ガンダムX1」の長い戦歴とドラマを感じさせる色の変化が一層強く感じられるものとなっている。

【「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」比較】
「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」の「クロスボーン・ガンダムX1 改・改(スカルハート)」(右)と比較
黒い部分の彩度の違いがわかる
フロントスカートをはじめ鮮やかゴールド部分がシルバーになっているなど物語の経過を感じさせる
ゴールドも若干の色味の違いが出ている

 フルクロスの彩色も違った印象で、「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 ハーフクロス(キンケドゥ搭乗仕様)」では明るい青色が感じられるものとなっている。「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」は黒色で重厚感が強い雰囲気で、同じ装備ながらそれぞれの機体のアプローチの違いが顕著に出ている。

【「フルクロス」比較】
「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」(右)と比較
色合いの違いで機体の年季が感じられるようになっている

 そして、歴代の「METAL BUILD クロスボーン・ガンダム」と並べてディスプレイ。筆者は最初に発売された「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1」が購入できず、「いつかキンケドゥが乗るX1を手に入れたい」と思っていた。

 今回ようやく木星戦役で活躍したX1、X2、X3を備えることができ感無量だ。それぞれパイロットのスタイルに合った武装やカラーリング、数々のドラマを生み出した機体が一堂に会するディスプレイは迫力満点だ。

「クロスボーン・ガンダムX1」(中央)、「クロスボーン・ガンダムX2」(左)、「クロスボーン・ガンダムX3」(右)がついに揃った
横からのディスプレイ
3機のクロスボーン・ガンダムによる共闘をイメージしたディスプレイ
2機の「クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス」が並び立つ
「機動戦士クロスボーン・ガンダム 最初のX(クロス)」でのキンケドゥ対ザビーネを疑似的に楽しめる

 以上、「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX1 ハーフクロス(キンケドゥ搭乗仕様)」のれビューをお送りしてきた。

 「METAL BUILD クロスボーン・ガンダム」の新アイテムとして「機動戦士クロスボーン・ガンダム 最初のX(クロス)」のハーフクロスが立体化。過去にも「クロスボーン・ガンダムX1」はMETAL BUILDシリーズで立体化され、フィギュア本体やフルクロス、武装なども共通している部分が多い。

 シルエットの変化こそ少ないものの、色彩へのこだわりで「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の物語、そしてMETAL BUILDシリーズでの展開の流れが感じられるものとなっており、作品が好きな人はもちろん、これまで「METAL BUILD クロスボーン・ガンダム」を集めていた筆者としても“始まり”に焦点を当てたアプローチは新鮮に感じられた。

 また、新装備のハイ・ビーム・ブラスターの造形からはムラマサ・ブラスターに繋がる技術的系譜が感じられ、大出力を表現したビームエフェクトも立体物として「ここまで来るか!」と手にしてみて驚愕した。

 「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の物語は最新作「機動戦士クロスボーン・ガンダム ゼーロイバー」へと続き、METAL BUILDシリーズでの今後の展開にも注目したい。