レビュー
「MODEROID ガッチャスパルタン」レビュー
2025年9月23日 00:00
「ユーナイト、ガッチャスパルタン！」、各メカが変形合体
シールは各機体のナンバリングに加え、ガッチャ2号のテールランプや、ガッチャ4号の砲台の黒い部分など、シールを使うことでより細かく色が入り、塗装しなくても劇中イメージに近く組み立てられる。
そして本商品最大の魅力である「合体」だ。作中では大鷲の健による、「ユーナイト、ガッチャスパルタン！」のかけ声で各メカが変形、合体を行う。各メカを変形させ合体していこう。
ガッチャ1号はランディングギアの部品を取り外し、カバーパーツを取り付ける。ガッチャ2号は前輪パーツを取り外し、合体用のパーツと差し替える。大きくシルエットが変わるのがガッチャ3号と4号だ。ガッチャ3号はランディングギアをカバーパーツに差し替えた後、主翼を前方に折りたたみ、尾翼を機体にぴったりくっつける。機体前方にはガッチャ1号とのジョイントパーツをくっつける。
ガッチャ4号は後部を展開、前方に回転させクローラー部分の前後が重なるようにする。回転させた部分の縁パーツを寝かせることで合体準備完了になる。ガッチャ5号は左右のブレード部分を回転、さらにアームを回転させ基部を広げる。こうして5機それぞれが合体前の形へと変形する。
合体はガッチャ4号と5号から。主翼部分にある接続口の凹凸を合わせて合体させていく。その上にガッチャ2号を載せ、そしてガッチャ1号と3号を合体。最後に、合体させたガッチャ1号と3号を本体に取り付ける。これで合体形態「ガッチャスパルタン」へと変わる。
ガッチャスパルタンになることで劇中では機体から発生する「デルタパワーフィールド」というエネルギーに包まれ、機体強度が大幅にアップ、体当たりで敵メカを引き裂くことも可能となる。劇中では各機体の色も変わり、各機体のカラーリングが赤に統一される。このカラーリングの変化は「MODEROID ガッチャスパルタン」では再現されていないが、プラモデルの各機体の色を残した合体の方が「5つのメカが合体している」ということが見た目でわかりやすく、個人的にはこの5つの色を持つ合体形態の方がカッコイイと思う。
「MODEROID ガッチャスパルタン」の最大の魅力はその大きさだ。全長33cmの巨大サイズは、目の前にするとかなりの大迫力だ。機体そのものが翼のような、三角錐のシルエットも斬新だ。裏返すとクローラーと車輪があって、地上も走行しそうな万能SFメカの雰囲気が増す。各メカの特徴が合体することで1つになるのは、ワクワクさせられる。
そして必殺技「科学忍法ハイパーシュート」である。大鷲の健が機外に飛び出しガッチャスパルタンの上でガッチャマンフェンサーを構えることで、デルタパワーフィールドとガッチャマンフェンサーが連動、機体を突撃させて機を切り裂く科学忍法ハイパーシュートを可能にする。絶大な威力を持つ必殺技だが、健の体への負担は大きく、そのダメージは徐々に健の命を削っていく……。
「MODEROID ガッチャスパルタン」では合体したガッチャスパルタンの上に剣のフィギュアを設置することで科学忍法ハイパーシュートを再現できる。機体の上で剣を構え、増幅されたデルタフィールドで敵メカを粉砕するその姿は、ヒーロー物として理屈を超えたかっこよさがある。その強力さ故に代償があり、健は命を削りながら戦っていく、というところもロマンだ。そういった劇中のエピソードを思い出しながらガッチャスパルタンとその上に立つ健を見るのがとても楽しい。
「MODEROID ガッチャスパルタン」は“遊べるプラモデル”としてオススメのアイテムである。組み上がった各メカ、そして合体したガッチャスパルタンは構造的にしっかりしており、飛行や走行をイメージしながら手で動かす「ブンドド」をしても簡単には部品は外れない。合体もしっかりしており、何度も変形合体をして楽しめるように設計されていると感じた。
特に本商品は『科学忍者隊ガッチャマンF』放映時、超合金を買ってもらった人や、買ってもらえなかった人にとって思い入れが強いアイテムではないだろうか。5機のメカが合体して大ボリュームの戦闘機になる。ガッチャスパルタンを手に持ってその充実感をぜひ感じてほしい。もちろん『ガッチャマン』を知らないような人にも、この商品のデザインとコンセプトは魅力的だ。商品を手に取ってから作品に興味を持つ、というのも楽しいと思う。多くの人に手に取ってほしい。
(C) タツノコプロ