レビュー

「MODEROID ガリアン重装改」レビュー【機甲界ガリアン】

鉄巨人ガリアンがMODEROIDでよみがえる。高いアクション性と劇中カラー再現

 完成した「MODEROID ガリアン重装改」は、アニメの印象をそのままプラスチックモデルで体現した高い完成度を誇っていた。

 プロポーションのバランスはもちろん、重厚感のあるデザイン表現や赤い装甲のインパクトは鉄巨人にふさわしい存在感を放っている。特徴的な両腕の造形、太めの脹脛など中世騎士を彷彿とさせつつ、巨大ロボットならではのヒロイックさも兼ね備えている。

 今回組み立てに際して上述の通り、水転写式デカールやシールはなし。一部塗装済みパーツを使用しつつも成型色によってアニメカラーが再現され、完成した際は驚愕した。特に胸部や脚部のチラッと見えるインナーフレーム部分もパーツを重ねた構造によって成型色を活かしつつディテールも入り、造形密度も高い。

正面
背面
バストアップ
特徴的な腕部
重厚感ある脚部
左脚部には操縦バケット部分の分割箇所がわかる
飛装砲
肩のパイプ造形やスリット箇所などもしっかりと造形されている
足裏にはローラー造形

 本体ギミックとしてコックピットハッチの開閉や飛装砲の展開、盾裏のパイルバンカー展開が備わっている。そして、ガリアンソードの鍔部分も可動し、長剣、鞭形態を表現できる。

コックピットハッチが開閉。内部ハッチ造形も再現されている
飛装砲は肩越しに正面へ展開が可能
盾のパイルバンカー展開
長剣形態のガリアンソードの鍔
鞭形態のガリアンソードの鍔

 手足の可動、腰のひねり、頭部の動きなど可動もしっかりとしている。立ち姿は劇中デザインが再現され、肘の可動域が心配になるが、前腕部内にあるスイング可動により大きく曲げることができる。

 特に大腿部の可動は独特な機構ながら、大きく動かすことができ蹴り上げるアクションや膝立ちの動きなどの表現ができる。この可動は背面から見るとノズル部分が露出するような形となり、飛装改時の展開にもつながるものとなっている。

肘の可動
大腿部の可動。大きく足を振り上げることができる
大腿部の背面可動でノズルが露出

 これらのギミック、可動と合わせることで重厚感あるアクションを表現することができる。特にガリアンソードによる殺陣は迫力満点。重装砲による射撃ポーズも再現でき、様々なポージングが楽しめる。

ガリアンソードを構え、臨戦態勢
長剣を振るうアクション
「THE シンプルスタンド」を使用すれば飛び掛かるアクションも表現できる
刃パーツを付け替えることで腕部からの抜刀シーンを再現可能
鞭形態の刃を振るう
片膝をついたポーズ
飛装砲を発射
重装砲を抱えて突き進む
マーダル軍の大軍勢に重装砲が火を噴く
本体からのエネルギーチューブの接続をリード線で再現可能

 次に飛装型(ビッグファルコン)への変形を紹介。劇中の変形手順が再現され、自分の手で変形させていくとアニメのシーンが思い出され非常に楽しい。

 肘関節部分も前腕部にスライド機構で一体感ある造形となり、脚部の逆関節も膝部分を引き出して再現されている。

【飛装型(ビッグファルコン) 変形工程】
肘関節を収納
頭部を180度回転
バックパックの頭部を起こす
脚部を逆関節型に変形
サイドスカートのウイングパーツを起こす
【飛装型(ビッグファルコン)】
正面
背面
頭部はハヤブサのような鋭いデザイン
飛行イメージのポーズ

 そして、ガリアン重装改での飛装改(パンツァーファルコン)と自走改への分離機構も再現することができる。

 飛装型(ビッグファルコン)から脚部を分離することで飛装改(パンツァーファルコン)となる。そして、脚部と重装砲、盾を合わせることで自走改(ストライクヴィーグル)が完成する。

 飛装改(パンツァーファルコン)をディスプレイする際は別売りの「THE シンプルスタンド」を使用することで飛行シーンを再現できるのでオススメだ。

 自走改(ストライクヴィーグル)は左脚部の操縦バケットがせり出し、内部のコントロール装置を起こす造形へのこだわりが感じられるものとなっている。

【飛装改(パンツァーファルコン) 変形工程】
飛装型(ビッグファルコン)から脚部を分離する
【自走改(ストライクヴィーグル) 変形工程】
重装砲と盾を組み合わせる。盾の上部を展開し、そこに砲身を通す。盾の裏にあるパーツを起こすことで重装砲を固定できる
重装砲の左右グリップを脚部の大腿部に接続
脚部の角度を調整
左脚部の操縦バケットを展開
右脚部の接続口と重装改をリード線でつなぐ
【飛装改(パンツァーファルコン)&自走改(ストライクヴィーグル)】
飛装改(パンツァーファルコン)。身軽でより鳥らしいシルエットとなった
「THE シンプルスタンド」で飛行ポーズを表現できる
自走改(ストライクヴィーグル)。自走砲台として活躍
背面
レッド・ウィンドウが搭乗していた操縦バケット
2機を並べてディスプレイ

 以上、「MODEROID ガリアン重装改」レビューをお送りしてきた。

 成型色と塗装済みパーツによって劇中に近いカラーリングが再現され、プロポーションや造形も非常に満足度の高いキットとなっている。TVアニメ版の巨大ロボットが持つ重厚感や、ガリアンソードなどのアイデアを詰め込んだ武器による迫力あるアクションが、MODEROIDでしっかりと再現されている。

 一方で変形・分離機構の再現もあり、独特な可動となっているので最初はアクションポーズを取らせる時に筆者は緊張した。それでもしっかりとした保持力があり、劇中のアクションポーズの再現が楽しめる。

 プラモデルに慣れていないと脚部など少し複雑に感じられる部分もあるが、組み立てるだけで高い完成度となっておりTVアニメ版が好きな人は必見のキットだ。

 そして、2026年1月には「MODEROID ザウエル」、「MODEROID スカーツ」が登場する。MODEROIDで広がるパンツァーワールドに今後も期待したい。

「MODEROID ガリアン重装改」商品概要

2025年12月 発売
価格:8,700円
スケール:ノンスケール
サイズ:全高約180mm
メーカー:グッドスマイルカンパニー
製品デザイン:Arm-Q
設計:T-REX
制作協力:林 健太郎