レビュー

「30MM ACVI ARQUEBUS ADD VE-40A」レビュー

プラモデルシリーズ初の特殊タンク脚部が登場!重量級ACのアセンブルにマストな1体

【30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ARQUEBUS ADD VE-40A】
発売元:BANDAI SPIRITS
価格:4,180円
発売日:2025年12月13日
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約115mm、全長約230mm
シリーズ初の特殊タンク脚部を採用したキット。

 「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」シリーズではこれまで、二脚型と四脚型のACが立体化されてきました。本記事ではシリーズ初となる特殊タンク型脚部のACをプラモデル化した「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ARQUEBUS ADD VE-40A」をレビューします。

頭部もユニークな形状をしています。

空戦を想定して開発された特殊タンクパーツ

 今回紹介する「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ARQUEBUS ADD VE-40A」は、フロム・ソフトウェアのメカアクションゲーム「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」に登場するアーキバス先進開発局製のACを30MMシリーズで立体化したプラモデルです。「VE-40A」は、発売中の「オープンフェイス」と同じ型番であり、本機のコアパーツと腕部パーツはオープンフェイスと同じパーツ構成となります。武器はアーキバス先進開発局製のレーザーライフル「VE-66LRB」を装備します。

 脚部にはアーキバス先進開発局製の特殊タンク型脚部を採用しています。空戦を想定した滞空性能と直進性能を有した設計となっています。ゲーム中での本パーツは他のタンク型脚部パーツと比較して、高い防御性能を持ち、空戦を想定していることから推力も最も高く設定されています。

「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ARQUEBUS ADD VE-40A」パッケージ
脚部パーツは初のタンク型で前後に非常に長い形状です。シリーズ最大級の大きさで全長は約230mmあります。

頭部パーツ、脚部パーツ、腕部武器を新規金型で立体化

 本キットのパーツ構成は頭部パーツ、脚部パーツ、腕部武器が新規造形となっています。その他の武器は本キットに付属していませんが別売りのオプションパーツセットや他のACから換装することで好きな装備に変更できます。

武器はレーザーライフル「VE-66LRB」1丁が付属します。

各部に戦艦を思わせる意匠が組み込まれたデザイン

 本キットのパーツ構成は、コアおよび腕部パーツが発売中の「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ARQUEBUS ADD VE-40A オープンフェイス」と共通となっています。そのため、ランナー構成も一部共通形状となります。

Aランナーは同一形状のランナーが2枚付属し、一部オープンフェイスと同一形状となります。
B1ランナーはオープンフェイスから成型色が変更され、頭部パーツを構成していた箇所が一部オミットされました。
Cランナーはオープンフェイスの頭部パーツを構成する箇所が別パーツに差し替えられています。
Dランナーはオープンフェイスのランナーから脚部パーツをオミットしたパーツ構成となります。
E1、E2ランナーは脚部パーツにおける側面ブースタの外装パーツを構成します。
Fランナーは本キットの最も大きなパーツを含み、脚部の上下外装を構成しています。
Gランナーは脚部パーツにおける左右外装パーツを構成します。
Hランナーは腕部や脚部のフレームパーツを構成します。
OAランナーは本キット唯一の武器であるレーザーライフルを構成します。

 ここからは各部パーツの組み立てをレビューしますが、コアパーツと腕部パーツはオープンフェイスと共通パーツとなるため、新規造形パーツを中心にレビューします。

頭部パーツ「VE-44B」

 頭部パーツの造形は戦艦の艦橋部に搭載されている測距儀を思わせるデザインで、ゲームでは「スキャン」に関する性能に優れています。左右に張り出した頭部上部はボールジョイントで角度を自由に変更できます。

パーツ状態での頭部パーツ。頭部上部が測距儀を思わせるデザインとなります。
完成した頭部パーツは上部がボールジョイントで自由に可動します。

脚部パーツ「VE-42B」

 本機の脚部はタンク型脚部ですが、そのデザインはどこか船舶を思わせるものとなっています。この脚部は空中戦に特化し、地上ではホバー移動を行なうため、背部と底部に大型のブースタが見られます。

組み立て前の左右ブースタ。左右で対称構造となります。
組み立て前の脚部本体。本キットにおいて最も大型のパーツを組み合わせていきます。
組み立てが完了した脚部パーツ。前後に長い船舶を思わせるデザインです。

レーザーライフル「VE-66LRB」

 本機の右腕武器であるレーザーライフルは全5パーツで構成され、完成後はこれまでに発売された腕部武器の中でも比較的大型の武器となります。銃本体上部にはハンガー用接続孔が開孔されているため、別売りの「ウェポンハンガー」に懸架できます。

パーツ状態でのレーザーライフル。これまでに発売された腕部武器の中でも比較的大型の武器となります。
組み立てが完了したレーザーライフル。別売りの「ウェポンハンガー」に懸架可能となります。

 以上で本キットにおいて新規造形されたパーツは全てとなります。各部を連結させて完成した「VE-40A」を見ていきましょう。

戦艦を思わせるデザインが特徴的な機体

 最初に本キット付属のパーツのみで完成させた「VE-40A」を見ていきます。形状は戦車というよりもまるで戦艦を思わせるデザインとなっています。

正面は脚部パーツのボリュームが特徴的です。
背面には迫力ある大型ブースタ7機が確認できます。タンク型の脚部はブースタを内蔵しているためコアパーツにはブースタを取り付けません。
腕部武器のレーザーライフルは双身式で高威力の「VE-66LRB」です。タンク型の脚部に見合った迫力があります。

 頭部はT字のシルエットで、測距儀のようにアンテナが突き出したデザインの「VE-44B」を採用しています。下部は首のようにも見え、上部と下部がボールジョイントで可動するのがユニークなポイントです。

ボールジョイントにより角度を自由に変更できます。
回転で表情を付けられるのが面白いです。

 本機の大きな特徴の一つである脚部パーツはタンク型ですが、標準的なタンクではなく特殊タンクに分類される「VE-42B」を採用しています。空戦に特化しており地上ではホバー移動するため、後方に多数の推進器と底面にホバーユニットを搭載します。シルエットは戦車というより戦艦を思わせるデザインに見えます。

前方に突き出したタンク型の脚部。

 脚部パーツの底部中央にアクションベース接続用の開孔があり、「アクションベース8」に対応しています。空中戦のポージングも安定して取れます。

アクションベースに対応しており機体を真横に向けるようなポージングもできます。
脚部パーツのモールドは昨今のステルス戦闘機に採用されているパネルラインに近いものとなっています。

 本機もこれまでの「30MM ACVI」シリーズキットと同様にオリジナルカスタマイズ「アセンブル」をして楽しめます。ここからはアセンブルの一例をご紹介します。

 まずは素体を活かして武器をモリモリにし、戦艦をイメージした形態にしてみました。左腕にバーストライフル「MA-J-200 RANSETSU-RF」、肩部にはスタンニードルランチャー「VE-60SNA」とグレネードキャノン「SONGBIRDS」を追加で装備しました。

素体はそのままに武器を多く搭載してみました。
これだけの装備を追加してもアクションベースを使用すれば安定したポージングが取れます。
まさに重量級ACとして仕上がりました。

 次に上半身をより細身のパーツを使用して軽量化を図ります。「CC-2000 ORBITER」の頭部・コア・腕部パーツを組み合わせました。こちらも前後に長い形状でカラーリングもグレーで統一されるのでよく馴染んでいます。武器は右腕にバーストライフル「MA-J-200 RANSETSU-RF」、左腕に速射型リニアライフル「LR-036 CURTIS」を採用しました。両肩には双対ミサイル「BML-G1/P32DUO-03」を採用し空中からの爆撃を主眼に置いた装備構成をイメージしています。

脚部パーツの形状を意識してパーツ選定を行ないました。高速艇のようなフォルムに仕上がっています。
手持ち武器はスマートなライフル2丁を選びました。
「CC-2000 ORBITER」も「ADD VE-40A」と同じく量産機としてのラインナップなので、パーツは同じ成型色が採用されておりカスタマイズしても違和感がありません。

 最後に上半身を中量型である「BD-011 MELANDER」の上半身を使用してみました。武器は右腕にバーストハンドガン「MA-E-211 SAMPU」、右腕にマシンガン「MG-014 LUDLOW」、肩部は分裂ミサイル「BML-G2/P19SPL-12」と拡散バズーカ「SB-033M MORLEY」に換装しています。

上半身に「BD-011 MELANDER」のパーツを採用することでタンク型らしい堅牢なカスタマイズをイメージしています。
脚部パーツとコアパーツの接続はボールジョイントなので自由な角度でポージングできます。
タンク型脚部はサイズが大きいため射撃武器がよく似合います。

 今回レビューした「VE-40A」はシリーズ初のタンク型脚部ということでこれまでのACとは異なったコンセプトでカスタマイズを楽しめるキットでした。キットのパーツ分割も大型パーツが多く採用され、簡単に組み立てが完了しました。また、タンク型の脚部は大型パーツでありながらパネルラインがしっかりと入っているため見た目が単調にならず、無塗装でもディテールを楽しめるのがポイントです。

 本キットは現在のラインナップではシリーズ唯一のタンク型脚部なので、装備マシマシで重量級のアセンブルをしたい方には必須のアイテムといえます。武器の「VE-66LRB」も非常にボリュームがあるので、既存ラインナップとの組み合わせやオプションパーツセットを用いたカスタマイズ欲を満たしてくれるアイテムでした。