レビュー

空飛ぶ360°カメラ! 「DJI Avata 360」レビュー

飛行しているときに自由に視点変更可能! 新しい飛行感覚を実感できる

【DJI Avata 360】
4月発売予定
価格:
77,330円(機体単体)
116,380円(DJI RC 2付属)
159,830円(Fly Moreコンボ)
162,140円(Motion Fly Moreコンボ)

 DJIは新型ドローン「DJI Avata 360(以下、Avata 360)」を発表した。このドローンはDJIの360°カメラを搭載し、最新ドローンフォーマットで、空中での新しい飛行感覚、飛行映像の制作を可能とするドローンだ。

 従来のドローンは視点を動かすときに機体そのもの向きを変える必要があり、自分の望む景色を撮るには細かく調整する操縦技術が求められた。しかし、「Avata 360」は一度の飛行で周囲360°の風景をすべて収録可能なため、対象の周囲をアバウトに飛ぶだけで周囲の世界すべてを記録できる。

 そして収録映像データを編集すれば、自分が空中にいて周りを見渡せるように自由自在に視点が動かせ、目標の追尾も可能。ユーザーが思い描いた空撮映像作品を作ることができる。「Avata 360」は4月発売。今回は発売に先駆けてこのドローンの性能を体験できた。その可能性をお見せしたい。

DJIの新型ドローン「DJI Avata 360」。写真はドローン本体と送信機「DJI RC 2」だ。4月からは機体単体に加え、送信機「DJI RC 2」とのセット、ゴーグル「DJI Goggles N3」とモーションコントローラー「DJI RC Motion 3」とのセットが販売される。

空中で収録した映像を自由に見回せる、遊覧飛行をしているような感覚!

 ドローンは「空飛ぶカメラ」といえる機械だ。優れた飛行能力を持つ本体の前方にカメラを搭載。そのカメラで捉えた映像を録画できる。空に浮かび上がり自由に撮影ができる能力は「空を飛ぶ」という夢を叶えてくれるが、例えば1つの対象を撮影しようとした場合は、その近くに行くだけでなく、機首を対象に向け、カメラの画角も調整するなど微妙な操縦技術・操作技術が必要となる。

 DJIの最新空撮ドローン「Avata 360」は「空飛ぶ360°カメラ」といえる存在。「Avata 360」は空中を飛行中、ドローンから見える360°すべての景色を録画できる。2つの広角レンズで世界を球面状に記録し、それを合成して飛行中の周りの風景を一度に記録できる。

 2つのレンズからの映像を合成し8K(7680×4320ピクセル)で球形のデータとして記録する。このデータを編集ソフトを使って任意の視点を決めることで、ドローンが静止していても自由に視界が動かせるのだ。実際にどのように視点が変えられるか、映像で見てみよう。

【新型ドローン「DJI Avata 360」球体で世界を保存し、世界を見渡すことができる!】

 次が「飛行中の視点切り替え」。ドローンをまっすぐ飛ばしてみて、操縦者が見ている視点と、自由に視点を動かす映像を上下に並べてみた。ドローンはまっすぐ進んでいるだけだが、「Avata 360」の飛行データで視点を変えることで、まるで飛行機に同乗し、首や体を回し様々な場所を見るように360°の映像で周囲の風景を見れるのだ。

【新型ドローン「DJI Avata 360」まっすぐ飛ばすだけでも自由に視点変更が可能!】

 繰り返すが通常のドローンは機体前方にカメラがある。カメラの向きは変えられるが、基本は機体を操作し画角を調整しなければいけない。任意の所を撮影するにはそれなりの“操縦技術”が必要だ。対して「Avata 360」ならば撮影したいポイントをアバウトに飛んでいるだけでも撮りたい場所やものを撮影できるのだ。

 また、通常のドローンなら「カメラで対象を捉え損ねて決定的瞬間を逃してしまった」、ということも起きるかもしれない。「Avata 360」ならば、ドローン周辺のすべてを撮影しているので、被写体を逃す心配がない。さらに飛行時に気がつかなかったものまで発見できる。「Avata 360」は“世界すべてを記録する”のだ。

【新型ドローン「DJI Avata 360」は、2つのレンズを装備! 映像を合成することで360°の世界を記録】
2つのレンズからの映像を球体状に記録することで、ユーザーが任意に視界を選ぶことが可能に
通常のドローンでは視点を動かすには機体を動かし、カメラを操作して画角を調整する必要がある。「DJI Avata 360」はそういった操作を必要とせず任意の場所が写せる

 「Avata 360」の飛行データはスマホのアプリ「DJI Fly」やPCの編集ソフト「DJI Studio」で編集できる。工夫すれば凝った映像表現もできる。「Avata 360」はドローンで空撮する楽しさ、可能性を大きく広げてくれるアイテムなのだ。

DJIのスマホ向けドローン総合アプリ「DJI Fly」。アルバム機能で収録映像を編集できる
こちらはPC向け映像編集ソフト「DJI Studio」これらで収録した映像を編集できる

操作しやすく、高い飛行性能、最新フォーマットでの安定飛行で360°撮影が可能に

 「Avata 360」の基本スペックを紹介したい。「Avata 360」のサイズは246×199×55.5mm(長さ×幅×高さ)。ホビードローンとしては標準的なサイズだ。機体とプロペラガードが一体化したデザインなので、ドローンが何かに衝突するようなことになっても高速回転するプロペラがものを傷つける心配はないし、プロペラそのものの損傷も防げる。

【Avata 360】
機体がプロペラガードと一体化しており、何かにぶつかってもダメージが少ない
背部にバッテリーを搭載
プロペラは4枚羽根のものが4つついている
2つのレンズを装備したカメラユニット。左右には様々なセンサーも搭載されている
裏面には地上の情報を読み取るセンサーも

 1つのバッテリーで約23分の連続飛行が可能。10km以上離れても操作可能だ。飛行スピードは無風状態では最大約57km/h。重量は約455gとなっている。

 気をつけたいのはドローンを運用するためのルールだ。日本では100g以上の重量のあるドローンは「ドローン情報基盤システム(DIPS)」に機体情報を登録する必要がある。また「リモートID」を搭載し、位置情報を国に認識させなければならない。

 「Avata 360」はDJIの他のドローンと同様、DIPSのデータベースに登録されているため、機体登録は項目から選択するだけで行えるし、リモートIDを発信する機能も組み込まれている。ちなみにドローンが見えない位置での飛行や、高度150m以上の飛行にも申請が必要になるので、注意したい。

【DJI RC 2】
送信機「DJI RC 2」。スマホを必要とせずドローンを操作できる。スクリーンはタッチパネル対応だ
ドローンが撮影している映像がスクリーンに映し出される
【インテリジェントフライトバッテリー】
1つのバッテリーで約23分の飛行が可能

 「Avata 360」は全方位障害物検知システムを搭載しており、障害物が近くにある場合、コントローラーに警告が出る。初心者用のドローンとして様々な安全対策が盛り込まれているし、上級者の要求にも応えてくれるドローンだ。実際に飛ばしてみるとその軽快な操作性が非常に楽しい。

【新型ドローン「DJI Avata 360」手軽に飛翔、空の散歩が楽しい!】
自宅周辺の飛行許可をもらった場所での飛行。映像では撮影しやすくするため低速で飛んでいる。もちろんより高速で飛ばせることも可能だ

 筆者は他にもDJIのドローン「DJI Mini 2 SE」と「DJI Neo 2」を飛ばしている。「DJI Neo 2」は送信機を使わず手のひらを向けるだけで操作ができる機能や、歩くとこちらを追尾するフォローモードなど多彩な撮影メニューが楽しめる。「Avata 360」にも対象物を追尾、自動で障害物を避けるモードがある。また高空での撮影も得意だ。「DJI Neo 2」と「Avata 360」を使い分けてより楽しい映像表現ができそうである。

 「DJI Mini 2 SE」は「Avata 360」同様に高空を自由に飛ばすのにぴったりである。比べると「Avata 360」はプロペラガードがあり、より安全な飛行ができる。また、自動で帰還できる「ホームポイント」の設定がより厳密にできるなど、最新ドローンの飛行システムの確かな進化を実感できた。

【他のドローンと並べてみる】
「DJI Neo 2」は手のひら操作、多彩な撮影メニューと非常に楽しいドローン
「DJI Mini 2 SE」は手頃な価格で本格的な飛行が楽しめるドローン。撮影機能などはシンプルだ
【FPV飛行にも対応】
「DJI Avata 360」はDJIのゴーグルとモーションコントローラーに対応し、「FPV(First Person View:一人称視点)飛行」が可能となっているのも大きな特徴。しかし、日本の場合ゴーグル装着での操縦は「目視外飛行」にあたるため、屋外での飛行は国土交通省の許可が必要になるためハードルが高い。今後挑戦できる可能性を探り、ぜひ体験してみたい

 「Avata 360」は最大風圧抵抗10.7m/s(約38.5km/h)。少しの風が吹いていても高空を自由に飛ばせることができる高性能な飛行能力を持ってる。その上でDJI最新ドローンである「DJI Neo 2」からさらに発展した飛行システムをもち、さらに対象を追尾する「ActiveTrack 360°」といった機能も搭載しているのだ。「自由自在に高空を飛べる飛行能力」、「DJI最新のドローン機能」。「Avata 360」はこの2つの特性を持つ最新ドローンだ。

 多彩な機能を持つ「Avata 360」だからこそ初心者が扱うドローンにもぴったりだ。初心者を助けてくれる機能とプロペラガードによる安全性、そして機能や動画編集を学んでいくことでドローンが持つ潜在的な能力をさらに引き出せる。

 「Avata 360」はホビードローンとして最高峰の飛行能力を持ち、収録映像を編集することで新しい世界が広がる。現在体験できたのはこのドローンの魅力の入り口であり、潜在能力を引き出せばどんなことができるか、筆者はとてもワクワクしている。これからもっとこのドローンの能力を深掘りしていきたい。

 「Avata 360」はこれからドローンを始める人、ドローンによるより奥深い映像世界を求めている人など様々なニーズに応えてくれるドローンだ。ぜひ手に取ってほしい。

「DJI Avata 360」は従来のドローン以上に空撮の楽しさを広げてくれる