レビュー

フィギュア「GAKI RACE」「YUMI」&「YUKI」レビュー

サイバーでセクシー、メカの魅力もたっぷりのハイクオリティフィギュア

【GAKIRACE 「YUMI」 Premium version】
【GAKIRACE 「YUKI」 Premium version】
開発元:JEI TSENG STUDIO
発売元:S14
価格:各107,250円
発売日:2026年9月12日
ジャンル:フィギュア
サイズ:全長約29cm
材質:ポリウレタン、ABS樹脂、PVC、レジン、ダイキャスト
※フィギュアのみの Standard version(価格:62,700円)も同時発売

 S14はアクションフィギュアシリーズ「GAKI RACE」の最新アイテム「YUMI」と「YUKI」を発売した。「GAKI RACE」は台湾のアートトイ・クリエーターJT(Jei Tseng)氏のオリジナル作品。JT氏が展開するサイバーパンクとファンタジーが融合したような世界観には独特の魅力がある。

 「GAKI RACE」の世界は「天界」、「人間界」、「地獄」の三つの領域によって構成されており、「地獄レース」を通して世界の秩序を維持している。このレースでは幼いながらもすさまじい潜在能力を持った「ガキ」と呼ばれる小悪魔達が熾烈なレースを繰り広げている。

 JT氏はこの「GAKI RACE」をコミックとフィギュアで掘り下げている。フィギュアではキャラクターの表情、衣装、シルエット、小物、そして乗り物……。あらゆるものにこだわりが詰まっている。最新作は「YUMI」と「YUKI」。体の線がはっきりと出るセクシーな衣装をまとい、タイヤが1つの「モノバイク」を駆る美しい双子の姉妹だ。

 やはり注目は今回、取り上げるのが各キャラクターとバイクがセットの「Premium version」、価格は各107,250円である。つまり今回は合計20万円以上の非常にリッチな商品を扱うこととなる。値段にふさわしいクオリティの高さと、世界観、表現のこだわりを紹介していきたい。

左が姉のユミ、右が妹のユキ。ハイクオリティな2人のフィギュアの魅力を紹介していこう

大きな瞳を持つ「YUMI」、ボディスーツに包まれた曲線美に注目

 「YUMI(ユミ)」と「YUKI(ユキ)」は双子の姉妹だ。「GAKI RACE」のキャラクター達は地獄を舞台にレースを繰り広げていく。2人は地獄に“落とされ”、その本性を目覚めさせ、戦いながら勝者を目指す。

 地獄では、罪と欲望は生命力「ヤン」と呼ばれる神秘的なエネルギーへと精製され、それが普遍的な通貨として機能し、取り込むことで力を増幅させる。参加者は優勝とヤンをかけて競い合い、敗者はそのエネルギーの一部となるという。「YUMI」と「YUKI」のPVでも対戦者のガキの1人「モンキー」と、ヤンを巡る戦いを繰り広げる。

【GAKI RACE | Episode 3 | YUKI & YUMI】

 ユミは双子の姉。ユミは人間界では機械いじりが大好きで好奇心旺盛な女の子だったという。彼女は地獄に落ちた際、二刀流の剣とエネルギーパックを授けられ、一振りした瞬間から恋に落ちた。剣を「私の赤ちゃん」と呼び、敵を挑発しながら戦う好戦的な性格をむき出しにしていく。

 ユミはその心の赴くままに装備を改造。ユキと共に一輪バイクにまたがり、「地獄レース」での勝者を目指し爆走していく。彼女はかわいらしさに加え、「動く混沌」としてレースに混乱をもたらしていく……。

 いよいよフィギュアを紹介していこう。フィギュア「YUMI」は1/6スケール、約30cm。グラマラスな肢体をつなぎ状のスポーツウェアに身を包んでいる。服の上からはっきり出るボディラインが大きな魅力だ。

【YUMI】
体の線がはっきり出るセクシーなボディラインが魅力のフィギュア

 「YUMI」はアクションフィギュアだ。素体は胸部や腹部、足の付け根など非常に多くの関節が仕込まれている。全身を覆うボディスーツはその素体の関節の分割線を覆い隠し、セクシーで柔らかな曲線を描き出す。このフェティッシュなラインはJT氏のこだわりだという。胸の先端がスーツの上からもはっきり分かるところも、思い切りの良さを感じる。

 やはりこの布で包まれたボディラインがいい。胸とお尻が大きく、お腹がきゅっとくびれている。正面はもちろん、後ろ姿もセクシーだ。また胸部分にはゴムのように柔らかい材質が使われており、ポーズを変えるときなどにボディを動かすと、フィギュアの体を触った指に心地よい弾力が感じられる。フェティッシュな魅力全開のフィギュアと言えるだろう。

【セクシーなボディライン】
関節が仕込まれたフィギュアの素体をスーツで包むことで、柔らかな曲線を演出できる。胸とお尻で描かれる柔らかな曲線に加え、ポーズを変えるときに胸に指を当てると柔らかい感触が楽しめるのも楽しい
膝まで覆うソックスも面白い

 顔を見ていこう。地獄に堕とされたユキは小悪魔「ガキ」に変貌しており、先端が細長い耳を持ち、額上部には角が生えている。目は大きく真っ赤な唇が印象に残る。大きな瞳は眼球可動システムで自由に目線を変えることができる。

 フィギュアの顔部分はマグネットで接続されており、簡単に着脱させ目線を変えられる。ポーズごとに気軽に目線を変えることができる。目の表情でポーズ付けの楽しさが大きく広がる。また、「YUMI」には表情が異なる舌を出し、ウィンクした頭部が付属している。もちろん開いた目の眼球は可動する。

【表情】
そばかすがあり、大きな目を持つユミ。角と尖った耳、ショートの髪型で独特のキャラクター性がある
顔部分がマグネット接続で簡単に外せ、目線を変えられる
舌を出した交換用頭部が付属

 「YUMI」は様々な装備も魅力。ウサギの頭蓋骨型マスクはつけることで雰囲気が大きく変わる。ユミの大きな目はそのままなので、目線の効果が一層強まる印象だ。そして2本の剣だ。直刀ではなく、ネパールやインドで使われている独特の形状をした刃物「ククリ」のようなシルエットをしている。

【マスクと剣】
顔の中央部分を覆うウサギの頭蓋骨型のマスク。独特のかっこよさがある
大きなユミの目は、マスクをつけるとシリアスな雰囲気も出せる
ククリのようなユニークなラインを描く2つの剣
ユミは剣が得意。二刀流はアクションポーズが楽しい

 そしてエネルギーパックだ。ムービーではユミはこのパックで敵の周囲を拘束で飛び回れる。このパックには剣を収納できるほか、なぜか「ウサギ」用のシートまでついている。このウサギは彼女たちの相棒のようで、ユキもウサギを連れている。

【エネルギーパック】
空中戦を可能とするユミのエネルギーパック。敵の周りを飛び回り斬撃を加える立体機動が可能となる。ククリを収納できるのもいい
エネルギーパックにはウサギがちょこんと座っている。ウサギも造形に力が入っている

 次はバイクだ。一輪式の「モノバイク」はシルエットが丸くコミカルな印象を受ける。鳥山明氏がデザインしたメカのようなかわいらしさも取り入れつつ、「小悪魔姉妹のマシン」としての独特のデザインとして完成している。パーツのビス留めや汚し塗装も入っており、メカとしての魅力もしっかり感じられる。専用の台座で立たせることが可能だ。

【バイク】
一輪バイク。卵のような曲線が楽しい。鳥山明氏のメカニックのようなシルエットも感じる
メカニカルなディテールも注目してほしい

 もちろんこのバイクに「YUMI」を乗せることが可能だ。「GAKI RACE」はその名の通り小悪魔達がレースを繰り広げる世界。フィギュアと乗り物がセットとなっており、これまでの商品でもしっかり乗り物に乗ったポーズをとることができた。「YUMI」でも足を上げたライディングポーズを取らせることが可能だ。

 シートからお尻を離し、スタンディング(立ち乗り)姿をとらせるのも「YUMI」の大きな楽しみ方だ。立ち乗りさせることで「YUMI」の魅力、肩からお尻までの背中のラインと、大きなバスト、ボディスーツの描く柔らかな曲線がたっぷり堪能できるのだ。

【ポーズ】
独特なランディングポーズ
スタンディングの時のボディの曲線美はこのフィギュアならではだ

クールな雰囲気と、大型エネルギー砲を持つ「YUKI」

 ユキは双子の妹。かつては物静かで控えめな性格で、姉のユミの後ろに隠れていたが、地獄に足を踏み入れ、悪魔の仮面をかぶった瞬間、隠されていたクールで魅惑的、そして冷徹な性格が目覚めた。

【YUKI】
YUMIとは服装が異なる。足のストッキング、お尻に目が惹きつけられる

 フィギュア「YUKI」は姉の「YUMI」と服装が異なる。下半身がストッキングになっており、姉の「全身を覆ったボディスーツ」とは異なる色気を発散させている。ストッキング状の材質は特に足の付け根や、膝部分に生まれるしわにフェティッシュさがある。長いソックスは姉と妹で異なる。姉のユミは膝の上まで覆うデザインだが、ユキのソックスは膝を覆わず、膝のラインがはっきり出る。JT氏のストッキングへのこだわりを感じさせる。

【ボディライン】
ちょっとだけバストは控えめ
ストッキングによる太もものシルエット、ストッキングのしわもこだわりを感じさせる
ソックスは膝まで。だからこそ膝裏のしわが楽しい

 ユキは淡い金髪、青い目が特徴だ。口紅も小さく、かわいらしい雰囲気。そしてマスクはゴーグルタイプだ。目元が隠れ唇が特徴的だ。マスクが角の上に被さるデザインも面白い。マスクをかぶるとよりクールな雰囲気がある。交換ヘッドで舌を出したものが用意されており、マスクをつけても大きく印象が変わる。ユキの中の隠された好戦的な性格が明らかになったような感じだ。

【表情とマスク】
おとなしさを感じさせる表情
舌を出すと雰囲気が一変する
マスクをつけるとクールさが一気に増す
舌を出すとかなり好戦的な感じだ

 「YUKI」にも2つの剣が付属しているが、彼女はその武器を好まないという。彼女が得意としているのが「重砲」と呼ばれるエネルギー兵器だ。バズーカのように肩に担ぐ大きな武器だが、曲線を描く未来感のあるデザインだ。面白いのがハッチを開けるとウサギがいるところ。またこの重砲には「Yumi」の文字が書かれているところも興味を惹かれる。

【重砲】
エネルギーを発射する重砲。ユキはこの銃で精密射撃を得意とするという
銃にウサギを座らせることができる
銃には「YUMI」の文字が描かれているのも面白い

 「YUKI」にもモノバイクが付属している。こちらは「YUMI」のカラーバリエーションといえる。こちらもバイクと一緒だとプレイバリューが大きく広がる。特にバイクに乗って銃砲を構えた姿はカッコイイ。

【バイク】
ユミと同じデザインの一輪バイク。青いカラーがクールな雰囲気
【ポーズ】
こちらもバイクと組み合わせることで遊びの幅が大きく広がる

2人で併走! 双子をそろえることで広がる面白さ

 「YUMI」と「YUKI」はセクシーでプレイバリューの高いアクションフィギュアだ。布に包まれた曲線美を描くボディ、眼球可動システムはポーズ付けの楽しさを大きく増してくれる。そして装備品、2つの剣、バックパック、重砲に加えモノバイクは大きく世界を広げてくれる。

 フィギュアを触って感じているのはJT氏が生み出す魅力的な世界観だ。双子の小悪魔姉妹。エッジの効いた服装に目線で強調される表情。キャラクターの雰囲気には大友克洋氏に代表されるSF的世界観に強く影響を受けていることが伝わってくる。

 世界に反逆し、独自のスタイルを貫く強さを感じさせる。彼女たちならどんなポーズを取るのか、どうポーズを取らせればその世界に近づけるか、そういったことを考えながらポーズを取らせるのが楽しい。

 「YUMI」と「YUKI」はビークルをセットにしたハイクオリティなアクションフィギュアだ。価格は各10万円とかなり高価である。しかしそのコストをかけているからこそ、非常にクオリティが高く、フィギュア本体だけでなく、小物なども力が入っている。ユーザーに高い満足感を与えてくれるアイテムだ。

 今回触ってみて改善してほしいと感じたポイントは「台座とモノバイクの接続」程度である。後部アームが短いのと、本体をしっかり台座に固定するためのへこみなどが無いため、モノバイクの固定が甘く感じる部分があった。幸い台座と接するマフラー部分は塗装されていないので、長く台座にバイクを飾る場合は両面テープなどを使うのもいいだろう。

 何といっても「YUMI」と「YUKI」はそのセクシーな雰囲気が最高だ。関節が仕込まれた素体でいかにセクシーな雰囲気を出すか? というテーマに、体の線がしっかり出るボディスーツでその曲線美を表現し、さらに触ると心地いい弾力があるのがいい。ポーズ付けでその曲線を楽しみながら、指先で感触も楽しむ。飾るだけでなく、遊ぶのが最高に楽しいフィギュアである。手に取ってみてはいかがだろうか?