特別企画

【年末特別企画】HOBBY Watchライター陣が選ぶ2020年オススメ「ガンプラ」

 みなさまこんにちは。ライターの中山です。私の担当は主にガンダムのプラモデル、通称”ガンプラ”です。私は1980年からの最初のガンプラブームの直撃世代でして、それからずっとガンプラを作り続けています。そしてガンプラ40周年のこの年にライターデビューさせていただきました。レビューなどを通してガンプラ・ガンダムの楽しさを読者の皆様に少しでもお届けできればと思ってます。

 さて、今回編集部から2020年のガンプラを総括してオススメを3つ紹介してほしいと依頼がありました。この2020年はガンプラ40周年でもありましたので、これまでにないくらいガンプラ(特にRX-78ガンダム)がリリースされまして、私もこの1年間は手が休まる暇がないくらい組み立てることになりました。実際に組み立ててレビューさせていただいた中からぜひとも”組んでみていただきたい”・”動かして遊んでみてほしい”とオススメしたいガンプラをご紹介させていただければと思います。

2020年オススメ「プラモデル」その1:「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」

発売日:2020年12月19日
価格:27,500円(税込)
全高:約30cm
スケール:1/60
メーカー:BANDAI SPIRITS

 まずは先日レビューした「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」から紹介します。こちらのキットは、1/60スケールの全高約30cmの大きなガンダムです。前身となるのは今から22年前の1998年に発売された「PERFECT GRADE 1/60 RX-78-2 ガンダム」ですが、こちらは当時様々なモビルスーツがマスターグレードシリーズで発売されるたびにガンプラファンは狂喜乱舞し、その技術革新を遂げていく中、その当時の集大成として開発された1/60スケールという大きいサイズのキットでした。

 今回のものもやはりこの時代における技術の集大成として企画され、その上で”組み立てやすさ”をも盛り込んて今の時代のガンプラの最高峰を目指したキットとなっています。技術革新=複雑さではなく、技術革新を”パーツの処理と組みやすさ”ととらえ、ハイグレードクラスのパーツ数に抑えながらそれを多重に重ねていくことでパーフェクトグレードが持つ”重厚感”や”満足感”を組み立てたユーザーにもたらすことに成功しています。

 私も組み立てながらその組みやすさと出来上がり、手に取った時のサイズ感と重量感、そして可動性能にも大満足しました。まさに”組みやすく、ガシガシ遊べるパーフェクトグレード・ガンダム”という言葉がぴったりのガンプラ40周年を締めくくるにふさわしいキットになっています。これは長い間語り継がれるキットになるのではないでしょうか。

【PGUガンダム】
多重に再現された内部フレーム
簡単組み立てで大迫力のガンダムが眼前に
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2020年オススメ「プラモデル」その2:「1/144 RX-78F00 ガンダム&ガンダムドック」

発売日:2020年12月19日
価格:2,750円(税込)
全高:約12.5cm
スケール:1/144
メーカー:BANDAI SPIRITS

 こちらは12/19から”ようやく”公開が始まった「ガンダムファクトリー横浜」の”動く実物大ガンダム”を1/144スケールに落とし込んだキットとなっています。このキットは現地のガンダムを再現するだけではなく、ガンダムを支えるGキャリアー、それを格納するGドックもモデル化されているのが最大の特徴となっています。

 ガンダム本体を組んでみると、ハイグレードクラスのパーツ割りが特徴的で実機と比較して色数も少なく……といっても白ベースの青赤黄のトリコロールは完璧な色分けが実現されていますが、1/144スケールでもあることからこれまでのガンプラとそう変わらないイメージです。ですがガンダム本体をGキャリアーに接続し、Gドックに収めるとこれが何とも言えないすばらしい雰囲気を醸し出すのが大満足ポイントです。

 12/19のオープン初日、実際に現地に行きまして実機を見上げるとこのガンプラのリアルさが実に引き立ってきました。そして帰宅後に実機のポーズを再現させてみるのがとても楽しかったです。写真に撮ったポーズ通りに関節を折り曲げ、オープンまで秘密だった立膝ポーズなどほぼほぼ同じポーズが取れるガンプラだったことがとてもよかったです。さすがに指が動かないなど細かな違いはありますが、現地で実機を見たからこそ1/144スケールであっても感じ取れる重厚感や存在感を感じていただけるのではないかと思います。

【ガンダム&ガンダムドック】
完成したガンダムとGドック
組み立てやすい設計
動け! ガンダム

2020年オススメ「プラモデル」その3:「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」

発売日:2020年9月4日(ガンダムベース限定)
価格:770円(税込)
全高:約13mm
スケール:1/144
メーカー:BANDAI SPIRITS

 2020年のオススメガンプラ最後を飾るのはその価格何と税込み770円の「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」です。私がこの年ガンプラを作っていてとんでもなく感動したのがこのキットなのですが、その特徴は何といってもその”組み立てやすさ”にあります。ニッパーも使わず、ランナーからパーツを取り出すことができ、(もちろんニッパーを使うほうがきれいに仕上がります)ブロック単位で組み上げていくと1時間もしないうちに完成してしまいます。

【ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム】
組立説明書
ニッパーなくても作れます
これぞ”ガンダム”
可動性能が素晴らしい

2020年オススメホビー記事!

 今年、執筆させていただいたなかで一番印象に残っているのは「1/144 RX-78F00 ガンダム&ガンダムドック」レビューです。このガンプラは横浜の動く実物大ガンダム「RX-78F00 ガンダム」を1/144スケールに落とし込み、ガンダムを支えるGキャリアーと格納するGドックを組み立てるというものでしたが、一時公開も延期となる中徐々に情報が出されるたびにワクワクしながら組み立てたものです。

 小さいサイズですが実際にある実機をスケールダウンしたガンプラはそれだけでドキドキしました。Gドックに収めるとその迫力たるやすごいものですよね。簡単組み立てでホンモノのガンダムが眼前に現れる様子を今一度ご覧いただければと思います。

 冒頭で書かせていただいたように2020年はガンプラ40周年ということで記念的な商品も含め、たくさんのガンプラが発売されてきました。また、コロナ禍で延期されている「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の公開、富野由悠季監督の「Gのレコンギスタ」、ガンプラビルドシリーズ、SDガンダムシリーズ等たくさんの映像作品が公開予定となっています。さらにはハリウッド版のガンダム映画も予定されていますので2020年を超えるガンプラのリリースが期待されます。

 それにガンプラはガンダムだけが商品化されるわけではありません。敵対勢力のモビルスーツもキット化されるのがガンプラの強みでもあります。それこそザクなどはガンダム的に様々な切り口でキット化されるモビルスーツなので今回の78ガンダムで培われた技術をもってかっこよくてガシガシ遊べる。それでいて組みやすいキットの登場を待ちたいと思います。

 パーフェクトグレードのザクを再開発して欲しいなぁ……今回のPGUガンダムの設計を見ているとPGUジムもありえるかも? とも思わされましたし、発表されていない全く新しいガンダム映像からの新作キットがあるならそれはもちろん楽しみでしかないですよね。「Gのレコンギスタ」のGセルフのMG化なんてのも個人的には待っていますし……妄想ばかりが膨らむ私ではございますが、2021年もガンプラ・ガンダムを楽しんでいただけるようなレビューをお届けできればいいな、と思っておりますので今後ともよろしくお願いします。