レビュー
「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」レビュー【後編】
魅せてもらおうか……ガンプラ40周年の集大成となったPGUの迫力とやらを!
2020年12月19日 00:00
- 「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」
- 開発・発売元:
- BANDAI SPIRITS
- 発売日:
- 12月19日
- 価格:
- 27,500円(税込)
- ジャンル:
- プラモデル
- 全高:
- 約30cm
- 電池:
- ピン型リチウム電池BR435 1個
- ボタン電池[LR41] 2個
いよいよ発売される「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」。1/60スケール全高約30cmの大きなサイズに、精密な内部構造、細かい装甲分割など、圧倒的なディテールを詰め込みながら、組み立てやすさも追求するというまさに「ガンプラの未来」を提示する商品です。その圧倒的なボリュームを紹介するため、前編、後編で紹介していきます。今回は後編です。
「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」は組み立て工程において説明書でフェイズ4まで設定しており、前編では組み立てフェイズ1~2まで進めました。これはガンダムの内骨格フレーム(MSF=モビルスーツ・フレーム)を軸に、内部構造を構築するというものでしたがここまででだいぶガンダムらしい、といいますか内部構造だけでも十分魅せてくれる内容だったと思います。
特にMSFの効果は絶大で、本来、非常に面倒な作業……内骨格フレームの組み立てをランナーからの切り出しのみで終わらせてくれるのは組み立てのストレスから大幅に解放(UNLEASHED)してくれました。
キットの構成は【前編】にお任せすることにして、さっそく【後編】に入っていきましょう。ここではフェイズ3(トラスフレーム)・フェイズ4(外装)・フェイズ5(コアファイターや装備など)を進めていくことになります。
フェイズ3:メカニカル感がグッと増す金属色パーツ「トラスフレーム」の組み込み
フェイズ3では基礎となるフレームにトラス状のフレームパーツを貼り付けていくこととなります。このトラスフレームには金属色が付いていて一気に華やかに、さらにメカニカルな風合いが漂い始めることになります。それでは進めてまいりましょう。
このトラスフレームの質感が素晴らしく、ゴールドやシルバーのつや消し処理がされています。組み付けるだけで一気にメカニカル感が高まる印象です。つや消しだと光りの反射が鈍くなってなめらかでありながら強めのグラデーションを作り出して重厚感さえ感じられますね。
ブラックとグレーのフレームに金属色が乗るとすばらしい質感を醸し出してくれます。筆者も内部フレームで気になるところはメタリックでアクセントを入れるようなことをしていたのですがすでに用意(それも大きなパーツで)されているので組んだ瞬間”おっ!”ってつぶやくほどでした。
ボディ部も比較的少なめなトラスフレームとなっています。内骨格フレームのままでは胴回りなど固定が緩い部分がありますので貼り付ける部分を裏などからしっかり押さえつつトラスフレームを組付けていきます。そして「もふもふアルパカエンジン」ことランドセル部は機外に露出したメカ部でもありますのでフェイズ3でのトラスフレーム組み付けが効果的に見えますね。
腕部も少なめで肩アーマー下部の可動アーマーのベースになる部分を組み込みます。この可動アーマーはヒンジを取り付けて上部アーマーに収めているだけになり、フェイズ4の外装取り付けまで固定されませんので注意が必要です。
フェイズ3最後は頭部になります。チンガードや頭頂部に金属調パーツが付けられることで双方衝撃から機体を守るための部材という印象が強くなります。
フェイズ4:”外装の組み付け”、ついに眼前に大迫力のPGUガンダムが!
フェイズ4ではおまちかねの”RX-78-2ガンダム”を出現させる最終装甲の取付になります。フェイズ3で組み付けたトラスフレームがほぼほぼ見えなくなってしまう作業にはなってしまいますが、「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」には本体全53箇所のハッチオープニングギミックが搭載されていますので完成後もそのメカニカル感満載な様子は確認することができます。
腰部は可動する前後左右のアーマー、黄色いヘリウムコア全てがハッチオープンギミックが搭載されているのでクリアランスを確認しながら取り付けていきます。ヘリウムコアはその開き方など構造の認識が若干難しいところがあるのと、パーツ同士の接触位置にゲート跡が来ているのできれいに処理しておきましょう。
ボディ部は一番組み付ける外装が細かく、多い部位になります。首元の黄色い襟パーツがいつもは大体1パーツ構成ですが3パーツで構成されているのがすごいですね。フェイズ3で組み付けたトラスフレーム上に配置されたピンやモールドはフェイズ4で組み付けられる最終外装に開けられた穴に接続されます。
これらはもちろん組み立て用の接続ピンだったりするわけですが、機体のディテールにもなっていて素晴らしい構造だと思いました。特に胸部上面の青いパーツ上に出てくるその下のトラスフレームのつや消しシルバーのピンのコントラストがとてもかっこいいですね。
ランドセル部に最終外装を組み付けます。こちらはガンダム本体の華やかさに比べるとだいぶシブい印象となります。特に丸一モールドのサブジェネレーターが露出抑え目なのでなおさらそう見えるように思います。放熱口のようにデザインされた中央下部のエッチングシールの部分もチラ見えしててその機能を想像してしまいますね。
腕部に最終外装を組み付けるとボディビルダーの筋肉のパンプアップのように全体がボリュームアップします。白という色は膨張色ですからその印象も強くなるのでしょう。マッシブな骨太のプロポーションは”強力なモビルスーツ”という印象をもたらしてくれます。肘裏の細かい装甲の組み付けにちょっとコツが必要かもしれません。肘を折り曲げた状態で取り付けますが、上腕・前腕とのクリアランスを確認しながらゆっくり可動させて位置を確認しましょう。
前腕と手首の間の隙間がそれほど開いていないのでその密度感が素晴らしいですね。前腕のマグネット接続用の部分にはスライドするハッチが用意されていて必要以上に露出するのを防ぐ構造になっていてこれはうれしい仕様です。ハンドの甲にカバーをかぶせれば腕部完成です。
さて、やってきましたフェイズ4のラスト。頭部へ外装を組み付ければガンダム本体が完成します!さすがに1/60スケールともなるとV字アンテナが大きくて取り扱いやすいのがうれしいです。基礎となる頭部本体のフレームとそれを補強し耐衝撃性能を向上させるトラスフレームが装備されたところにRXモビルスーツ・ガンダムの意匠を形作る最終外装を取り付けて、あたかもガンダムの開発者”テム・レイ”になったような気分になります。
©創通・サンライズ