レビュー
「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」レビュー【後編】
2020年12月19日 00:00
「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」完成!大迫力のガンダムを体験せよ!
完成したガンダムを眺めていると、「これは自分が組み上げたガンダムなんだ……」という感覚が押し寄せてくると思います。MSFを軸にして、メカ部の組み込み、トラスフレームや外装を組み付けることでどのパーツがどこに使われているか、どういう可動するかもを把握できます。それによってRXモビルスーツ・ガンダムの開発・建造をしたような気分にさせてくれますし、愛着がわくというものです。
接写してみると、1/60スケールという大きさもあってその存在感は圧倒的なものがありますね。
いくつかハッチオープンも撮ってみました。ハッチを開けてなかの金属調のトラスフレームやエッチングシールで再現された部分がチラ見えすると思わずため息が漏れてしまいます。この機構は無理のない設計で実現されていて破損もしにくい構造ですが、もちろん無理は禁物です。ハッチを開けたまま可動させるのはやめておくほうがいいと思います。
コアファイターも接写すると結構なディテールが垣間見えてきます。なんだか実際に飛びそうにも思えてくるから不思議ですね。
22年ぶりの邂逅。過去と今、そして未来をつなぐパーフェクトグレード・ガンダム
筆者宅には22年前に組んだ「パーフェクトグレード・ガンダム」がまだ残っています。若さゆえの過ちかシルバーで塗装してしまっていて色褪せている部分もありますが、ご登場願うことにしました。関節はヘタってきてはいますがまだ直立はできるようです。
この22年の技術革新は素晴らしく、当時も最新技術を盛り込んで組みごたえたっぷりだったのを覚えています。今回の「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」も簡単な構造でありながら、多重に組み込むという仕様になったため別の意味での組みごたえがあったと言えると思います。旧PGを久しぶりに触ってみたのですが、脚部にはサスペンション再現のためにスプリングが入っているんですよね。これも当時としては意欲的な仕様でした。
現在の最新技術と理論でリリースされたガンプラ40周年記念「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」を組んでみて
今回、レビューさせていただいた「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」ですが、以前開発担当のBANDAI SPIRITS ホビー事業部の開発担当・齊田直希氏にインタビューさせていただいたときに、「今回のPGではぜひ遊んでほしい」という言葉がありました。これは「パーフェクトグレード」クラスになると、組み立てても直立で飾っておくことが多いという分析結果があったとのこと。
筆者も同じように考えることがありまして、ガンダムのパーフェクトグレードシリーズは1/60スケールとなっていますから本来は手に持って動かしやすいサイズなはずだと思うのです。ハイグレードやマスターグレードなどはパーツも小さくなるのでパーツの取り扱いや関節の強度不足などにも気を使わなければなりません。その点パーフェクトグレードであればある程度ガシガシ動かしても強度バッチシですからその大きさもあいまって動かしやすいと思います。
今回のレビューをご覧いただいていればMSFによる内部フレームはもちろん、かぶせていくトラスフレームや外装のパーツの割り方がとても簡単で、組みやすいことがわかっていただけたのではないでしょうか。【前編】冒頭でも書かせていただいたように技術革新=複雑化の路線はいったん置いといて、まずは”組んでもらう”・”遊んでもらう”を大前提に設計にすることで、これがパーフェクトグレード・ガンダムの22年後の解答ということになりますね。筆者もこの方向性は大賛成でガンプラは”組み立てるもの”だと思っているためです。
コロナ禍でおうち時間が増えた方も多いのではないかと思います。お子様がいらっしゃるご家庭ではお父さんがフレーム系、お子様が外装系と作業を分担して一気に組み上げてしまうというのも面白いのではないでしょうか。そんな中で”ガンプラってこうだったんだよ”なんて会話をしながらガンプラを”組み立てる”・”構造を知る”・”ガシガシ動かす”といった楽しさが伝わっていけばいいな、と思う今回のレビューでした。楽しかった!
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