特別企画

【ちょい組み】ボークスのカラーレジンキット「キャラグミン 1/8 真希波・マリ・イラストリアス」を成型色生かしで制作する

【キャラグミン 1/8 真希波・マリ・イラストリアス】

開発・発売元:ボークス

価格:10,000円(税別)

スケール:1/8(全高22cm)

パーツ数:40(瞳デカール付き)

原型制作:SUZU (ATOMIC-BOM)

 「キャラグミン」というボークスの組み立て式ガレージキットがあります。筆者が住む広島県広島市にはボークスのアンテナショップがあり、筆者はほぼ週一で通っています。キャラグミンはパーツが色分けされており、組み立てるだけでも、部分塗装を施しただけでも質の良いフィギュアとなる。機会があれば挑戦したいと思っていました。

 今回、“ちょい組み”向けに何か組み立てキットを”という提案をもらったとき、ぜひこのキャラグミンに挑戦したいと考えました。組み立てるだけでどのような感じになるか、部分塗装を活かすならどうするのが効果的か、試してみたくなったのです。

 「キャラグミン」はアニメやゲームと言った様々なキャラクターで展開されており、これまでに200種類近いキャラクターがキット化されている人気シリーズです。筆者はその中から、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」より、「真希波・マリ・イラストリアス」を制作していきます。

こちらは公式の塗装した完成見本。今回は部分塗装で仕上げていきます

 「キャラグミン」はアニメやゲームと言った様々なキャラクターで展開されており、これまでに200種類近いキャラクターがキット化されている人気シリーズです。筆者はその中から、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」より、「真希波・マリ・イラストリアス」を制作していきます。

 マリと言えば、新劇場版にて新登場したキャラクターであり、ストーリーの裏の部分を知っているようなミステリアスな印象が魅力的なキャラクターです。また、エヴァンゲリヲン新劇場版と言えば新型コロナウイルスの影響で公開が延期になってしまったことでちょっと話題になりました。最新作にてマリの正体は明かされるのか? 映画の期待も込めて、そしてキットから感じられるマリの魅力を語っていきたいと思います。

 筆者は前回、「“質感を活かした塗装”でガレージキットのアスカの魅力を表現する!」で全塗装の製作レポートをしましたが、今回は敢えて部分塗装で、キットの成型色を活かす方向で製作してみました。

【ボークスのキャラグミン】
ラインナップの一部です。他社ではあまりないモチーフと、豊富なラインナップが魅力のガレージキットシリーズです

マリのミステリアスな雰囲気を立体化

 まず、パッケージから見ていきます。本キットは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」での真希波・マリ・イラストリアスをプラグスーツの姿で立体化したキットとなります。笑顔の奥で何を考えているかわからないミステリアスさを完璧に表現されているのではないでしょうか。パッケージを開ける前からワクワクが止まりません。

【パッケージ】
キャラグミンのパッケージ。パッケージはプラスチック製となっており高級感があります

 ここで、前回のガレージキットの製作レポート同様、レジンキャストキットの“下処理”をします。組み立て前の作業としてパーツ表面に付着している離型剤を除去しなければなりません。離型剤は言ってみればパーツ全面についている白い粉で、パーツを型から外すときに付着するもの。この粉をなくさなければ質感は悪くなるし、接着や塗装もうまくできなくなります。

 前回はパーツを煮ることで離型剤を処理しましたが、今回はこの作業も簡単にしてします。使用するアイテムは「造形村 キャストクリン [離型剤落とし専用スプレー]」です。

 離型剤の処理が完了したらパーツの処理に入っていきましょう。

【離型剤を落とす】
造形村 キャストクリン 980円(税別)。なんと、このスプレーは離型剤のついたレジンキャストキットにスプレーするだけで離型剤が蒸発して落ちてしまうという夢のようなスプレーとなっています
パーツを容器に入れてスプレーを全面にします
新聞紙の上で乾燥させるだけで離型剤が除去できる!

プラモデル感覚で組み立てられるガレージキット!

 まずは、パーツをゲートから切り離し、ゲート処理とパーティングライン処理をしていきます。ゲートはレジンキットらしく太いゲートとなっています。まずはニッパーで大まかにカットし、アートナイフ、やすりの順番で処理していきましょう。ここまでは通常のレジンキットと同じですね。

【ゲート処理を行なう】
レジンキャストキットのゲートは太くなっています

 全パーツの処理が完了したら組み立てです。組み立てを始めて驚いたことがあります。キャラグミンははめ合い精度が高い。素晴らしいです。通常、ガレージキットはパーツ同士のはめ合いが悪いためパテなどを使いパーツを成型する必要があります。

 しかしキャラグミンにはその必要がないのです。パーツのはめ合い精度が高いのでそのまま組み立てることが可能です。そのため、真鍮線等の軸打ち作業も不要となっています。

【快適な組み立て】
無加工のパーツ同士をはめ込むだけで……
完璧に合わさりグラつきもありません

 ガレージキットおいて難易度を上げている一番の要因である「パーツの成型」と「軸打ち」が必要なく、プラモデルの様に組み立てられることは素晴らしいと思います。ガレージキットを作ったことがない人にオススメしたいなと、作っていて思いました。

 こうして素組まで完了です。筆者は組んでみて改めて驚かされました。色分け精度が高いです。この色分けの多彩さは“ガンプラ並み”といえると思います。

【多彩な色分け】
素組でもこの色分け精度、素晴らしいです

 また、今回の仮組は見栄えを重視して100円均一のクラフトコーナーでもおなじみの「グルーガン」にて接着を行ないました。グルーガンは樹脂でできたスティックを加熱して溶けた樹脂でパーツを貼り付けることができます。

 グルーガンの大きな特徴は、ゆっくり力を入れることで再度取り外しができること。今回は部分塗装で組み上げましたが、全塗装で塗り直すことも考え、敢えてグルーガンで作りました。

部分塗装で満足度は大きくアップ!

 このまま瞳を含めたデカールを貼れば説明書通りの完成ですが、やはり少しだけ塗装を行ない、クオリティをアップしたいと思います。今回は墨入れと部分塗装をやって行きます。

 使用した塗料はボークスがキャラグミンの塗装にオススメしている「ファレホ」。ファレホはスペインで開発されたホビー用水性塗料となっており、発色の良さ、色数の多さで人気の塗料です。

 まずは墨入れをやって行きましょう。今回はパーツの色が薄めなのでグレーで墨入れをしていこうと思います。使用したカラーは「ファレホモデルカラーホワイト」と「グロスブラック」を調色しました。

【スミ入れ】
墨入れに使用したファレホ ホワイトとグロスブラック 各290円(税別)
まずは、はみだしを気にせず色を乗せていきます。
塗料が乾燥したらはみ出た部分をペイントリムーバーで拭き取っていきます。
ファレホの拭き取りに使用した「ペイントリムーバーECO」、1,230円(税別)

 次にフィギュアの最重要ポイントと言える顔ですが、今回は“口部分”だけ塗装します。目はデカールを貼ることで雰囲気が出せるので、口を塗るだけで、フィギュアとしてグッと完成度が上がります。

【口の塗装】
素体状態のヘッドパーツ、ここから塗装していきます。
口の中をファレホ ダークレッドで塗装
ファレホ ダークレッド 290円(税別)
舌の部分をモデルカラー ホワイトとメカカラー レッドを調色した色で塗装していきます。やはり口の中が塗装されると雰囲気が変わりますね。
【アイのデカール】
アイはデカールを貼っていきます。アイに色が入ると一気に出来上がった感じがしてきますね

 これで部分塗装は完了です。パーツを組み立てていくことで、一気に完成です!

【組み上げて完成!】
足パーツにラインのパーツをはめ込み
胴体パーツに取り付け。どんどん形が見えていきます。
腕パーツの組み立て。右手に持っている髪の毛パーツは右腕に先付けしておきます。
顔パーツの組み立て。後頭部と顔面パーツを組み立てた後ヘッドセット、メガネパーツを取り付け、最後に前髪パーツで蓋をしていきます
頭部を取り付ければ、ほぼ完成ですね。最後に後ろ髪を取り付けたら完成です