特別企画
【ちょい組み】スケールモデル「1/48 ソビエト中戦車 T-34-85」
2021年3月19日 12:00
接着剤を使った組み立てを楽しむ。装備品の取り付けにおける創意工夫がおもしろい
それではキットを見ていこう。単色のランナー4枚に、重量感を出すためのウェイト、砲塔を彩るためのデカール、主砲を稼働させるためのポリキャップ2個とシンプルな構成だ。これに加えて、組み立てマニュアル、組み立てアドバイス、バックグラウンド情報といったペーパーが同梱されている。
筆者はこの「ソビエト中戦車 T-34-85」を、1カ月ぐらい掛けて組んだ。2月6日に発売されてからすぐ購入し、3月過ぎにようやく完成。平日はなかなかまとまった時間が取れないので、週末に数時間ずつ。少し組んでは眺め回し、マニュアルを精読しては次の手を熟考するということを繰り返しながら。トータルでは10時間ぐらいだろうか。慣れてる人なら、接着剤が乾く時間を含めても数時間で組めると思う。
キットは、車体下部を皮切りに、車輪、履帯、車体上部、砲塔の順番で組んでいく。全工程で接着剤を使うため、ランナーから切り離しては、接合部を綺麗に合わせ、そこに接着剤を流し込んでいくということを繰り返していく。筆者は勝手がよくわからかったので、マニュアル番号ごとにキッチリそのプロセスを繰り返していったが、間に接着を待つ待ち時間が発生するため、先に全部切り離して並べてから取りかかるようにすると、よりスピーディーに組めそうだ。
筆者は現在乗り物系のスケールモデルから、いわゆるガンプラまで、様々なプラスチックモデルに挑んでいるが、この「ソビエト中戦車 T-34-85」は、1/48サイズと小さいこともあり、1つ1つのパーツの小ささに驚いた。最初はカッティングマットの上で組み始めたが、くしゃみひとつで色んなパーツが吹き飛んでしまうので、ボックスの中でやったらとても収まりが良かった。そのままふたを被せれば、すぐ中断できるし、接着剤の漏れも吸収してくれる。ビギナーにはオススメしたい。
このスケールモデルの可動部分は、砲塔と戦車砲のみ。キャタピラは写真でもお見せしたようにピッタリくっつけているため動かない。砲塔は全周360度の回転が可能で、進撃、撤退、もっとも有利とされる45度角からの射撃戦など、思いのままのポージングが可能だ。戦車砲の俯仰角は、仰角40度ほど、俯角は5度ほどと、仰角については実際より広く取れる。
このちょい組みを通じて伝えたいメッセージは、スケールモデル作成の楽しさとおもしろさだ。自分が関心のある実在した乗り物が自身の創作によって徐々に出来上がってくる感覚は楽しいし、組み立て後半部分の装備品の取り付け部分に、自身の創意工夫を加え、自分だけの作家性を表現していく作業はとてもおもしろい。筆者も引き続き、別の戦車や、もっとサイズの大きいシリーズにチャレンジしていきたいと思うし、機会があればまたこのちょい組みで取り上げられればと思う。ぜひ往年の戦車ファン、戦車に興味のある方は、チャレンジしてみては如何だろうか。
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