特別企画
【ちょい組み】ハセガワの「『クラッシャージョウ』TR-5 ハーピィ “ノーマ機”」に挑戦!
少ない手順で組み立て可能な初心者にもオススメの高品質なキット
2021年4月7日 00:20
のっけからちょっと話しが脱線してしまうのは申し訳ないですが、この“ちょい組み”というコーナーは、なんでも気になるけど今一歩踏み出せない皆さんを応援するために生まれたコーナーなんだとか。なんと、これはまさに筆者向けでは!? と思った次第であります。
というのも、プラモデル自体は小学生の頃からいろいろと作った記憶があり、「ガンプラブーム」が最初に起きたリアルタイム世代でもあったため、モビルスーツの模型もそれなりの数を作ってきました。
しかし、それが途絶えたのは高校生の頃。当時大好きだったプロレスラー藤波辰巳のプラモデルを作ったの最後に、ほぼ作らなくなってしまいました。ちょっと変わった題材のプラモデルを作ってしまったことで、その思い出をほかで上書きしたくないというよくわからない理由からだったのですが……。
数年前、近所にプラモデルが売られている場所ができ、ふと思い立ち30年以上ぶりぐらいに「ザク」のプラモデルを購入。接着剤もいらず、色を塗らなくてもある程度の品質で完成させられるようになっているということは知っていたものの、実際に自分で作って、改めてこの間に起きたプラモデルの進化具合に驚かされました。
というわけで、すっかり話しが長くなってしまいましたが、今回その「ザク」以来ぶりに組んだのが、ハセガワから発売された1/72スケールプラモデルの「TR-5 ハーピィ(ノーマ機)」です。こちらは、1983年に公開された映画「クラッシャージョウ」の中で、敵側である宇宙海賊マーフィ・パイレーツ四人衆の紅一点キャッツアイ・ノーマが乗っていた赤い機体を立体化したものとなっています。
「クラッシャージョウ」といえば、「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを手がけた安彦良和氏が初監督を務めた作品としても有名です。それにしても同じ安彦良和氏繋がりで、「ザク」の次にこちらを作ることになったのは、自分の好みの傾向が出ていますね(笑)。
パーツ点数も少なくわずか10ステップで組み立て可能
今回はあくまでも「ちょい組み」ということで、基本は素組みで簡単に組み上げています。が、何かと形から入りたがるタイプであるため、小道具も少しだけ揃えてみました。以前にガンプラを作ったときにニッパーやデザインナイフなどは揃えたのですが、作業マットなどがやや古くなっていたので買い換え。ついでに、ゲート跡処理用のヤスリなども購入しました。
マニュアルには「接着剤不要」と書かれていましたが、すぐその真下に、「プラモデル用接着剤を使用することで、より確実に部品を取り付けることができます」とも記載されています。まぁ、そりゃそうだよなと思い、ついでに接着剤も購入しましたが、結果的にはまったく不要でした。
最低限必要な道具としては、ニッパーとゲート跡を削ることができるヤスリなどがあればOKです。基本的にはパーツを差し込んでいくことで問題なく組み上げることができるのですが、ゲート跡が出ているとパーツがハマらなくなってしまいます。このゲート跡処理も調べてみると、いろいろとレシピがあるようですが、今回はあくまでも組み上げることが目的であるため、最低限のラインで処理を行っています。
このキットが初心者にもオススメしやすい理由のひとつが、全体的なパーツの少なさです。同梱されているランナーの数も、全部で7つしかないため、ほとんど迷わず組んでいくことができます。また、制作のステップも全部で10しかありません。基本的に左右対称のパーツを作っていくことが多いため、片方を作った後はより簡単にもう片方も組んでいくことができます。
ということで、早速手順に従ってランナーからパーツを切り離していくのですが、久々のプラモ作りだと、この最初の切り離しが妙に緊張してしまいます。もしかして、間違って切ってはいけないところを切り離してるんじゃ? といった疑惑が浮かんでくるかもしれませんが、基本的にはそうそう困ることはないのでどんどん切り離していきましょう。
ちなみに、YouTubeなどでガンプラ作りに精通した人の動画を見たことがあるのですが、最初に一気にパーツを切り離してから組んでいました。慣れた人ならそれでも大丈夫かもしれませんが、プラモ歴は長いとはいえほぼ初心者ともいえるレベルであるため、基本に従いひとつひとつ指示に従って切り取り、パーツを組み上げていくことに。
先ほども少し触れたように、基本的に左右対称のパーツが多いためわりとサクサク組んでいくことができます。しかし、今回の「ちょい組み」にチャレンジする前に、ひとつだけ危惧していたことがありました。それが小さいパーツの扱いです。実は、前回「ザク」のプラモデルを組んでいたところ、途中で小さいパーツを落としてしまい、その後2度と見つけることができなくなったからです。細かいディテールもパーツを差し込んでいくことで簡単に作れるのはいいのですが、このように簡単に無くしてしまう可能性もあるため、今回は細心の注意を払って作業を進めていきました。
実際のところ、こちらのキットで最も小さいパーツは、丸い穴に差し込むタイプのものだけでした。ゲート跡処理はしっかり行う必要はあるものの、幸いなことに問題なく組み上げることができました。
駐機中か飛行状態か、完成形を考えての選択
これまでは組み立て説明書の順通りにエンジンやコクピットなど各部位のパーツを組んでいくため、全体としてイマイチ何を作っているのかよくわかっていませんでしたが、いよいよ後半メインディッシュのボディを作り込んでいきます。ここまで作ってきたパーツも取り付けていき、いよいよ完成に近づいていきました。
ここでひとつ、キットの注意点について触れておきたいと思います。最近のプラモデルは可動部分が多くフィギュアのように遊べることが多いですが、この「TR-5 ハーピィ(ノーマ機)」は基本的に可動式ではなく、パーツの付け替えによって機体の形態が再現できるようになっています。
このパーツも簡単に取り外せればいいのですが、1度付けてしまったら2度と外れなくなってしまう可能性があるため、最終的な仕上げに入る前にあらかじめどのスタイルで再現するか考えてから組んでいったほうがいいでしょう。
特に注意すべきは車輪が並んだ背面部分です。こちらは、車輪を出したパターンもしくは閉じたパターンが選択できます。台座を使わず、直接飾りたい場合は車輪を付けたほうにしておいた方がいいでしょう。また、もうひとつ注意したいのが、後方車輪の間にある穴の部分です。ここは透明な台座を取り付けるためのものですが、パーツを取り付けて埋めることもできます。一度埋めてしまうと台座が付けられなく可能性があるため、こちらもよく考えてから選択しましょう。
台座も含めて一通り完成したはずですが、なぜかクリアなパーツがたくさん余っています。もしかして、何か見落としたのかな? と思い説明書を再度確認してみたところ、どうやらまったく使わないパーツも多数含まれている模様。このクリアパーツ自体は台座にしか使っていないため、ほかの製品と共有になっているのかもしれませんね!
(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ