特別企画
「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム」の3つの魅力に迫る
“Zというモチーフ”、“金属パーツの変形と遊びごたえ”、“カトキ氏のセンス”
2021年6月19日 00:00
- 【METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム】
- 6月19日 発売
- 価格:16,500円(税込)
「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム」がいよいよ本日発売される。本商品は非常に人気が高い商品である。本商品は非常に魅力的なプロダクトだ。ただでさえカッコイイ「Zガンダム」という素材に、「METAL ROBOT魂」、「Ka signature」というプロダクト要素が加わり、眺めて楽しく、遊んで楽しいアクションフィギュアとなっている。
「Zガンダム」、「METAL ROBOT魂」、「Ka signature」という3つのキーワードから本商品の魅力を掘り下げてみよう。
全く新しい“ガンダム像”を提示した「Zガンダム」
アニメ「機動戦士Zガンダム」は、1985年放映である。1980年前半の爆発的なガンプラブームの盛り上がりの後、「新しいガンダム像」を提示するために生まれた作品である。「機動戦士ガンダム」の後、様々なロボットアニメ作品が生まれ、またガンダムの世界もMSVなど掘り下げが行なわれたが、「新しいガンダムを」という声は大きくなり、大きな期待と共に「機動戦士Zガンダム」は生まれたのだ。
このアニメの主役機は前半が「ガンダムMk-II」、そして後半の主役機こそ番組タイトルでもある「Zガンダム」である。富野由悠季監督作品のアニメとして「戦闘メカザブングル」、「聖戦士ダンバイン」、「重戦機エルガイム」からの流れをくみ、本作でも番組中盤で主役機が入れ替わることとなる。
Zガンダムは企画時から“変形”のギミック搭載が決定していたという。「トランスフォーマー」、「超時空要塞マクロス」で変形メカに対するユーザーや玩具業界の要望は高まっており、「変形するガンダム」は魅力的なコンセプトだった。しかしこの変形デザインは難航し、視聴者にこの新しいガンダムを提示するための“橋渡し”の為にMSVの流れをくむ、ガンダムMk-IIがデザインされたという。ロボットデザインはガンプラブームの中急速に進化しており、その価値観の延長上として生み出されたガンダムMk-IIは、現在の我々から見ても古びず、カッコイイと筆者は思っている。
そしてZガンダムは“先鋭的”だった。手足が長くスマートで、特に“顔”はこれまでのガンダム像を大きく変えるデザインだった。変形するウェーブライダーもフォルムとしてもとの人型から大きく変わった。ウェーブライダーになるための背中のパーツはシルエットを大きく変え、その後のガンダムのデザインの幅を大きく広げた。
航空機のように大気圏中も移動でき、単機での大気圏突破による宇宙から地球への攻撃も可能、機体よりも大きな武器を振るうなどZガンダムは様々なポイントで新しいMS像を提示した。筆者は「ゲーム」の存在も大きかったと思っている。スマートでシャープなデザイン、変形による移動力の増加、大気圏突破能力、劇中で主人公が見せた超常的な活躍……Zガンダムが生み出したイメージはゲームでも様々な形で表現され、アニメの枠を超え、多くのファンをつかんだ。Zガンダムに対して特別な思いを持つ、「一番好きなガンダム」という人が多いのはこういった様々な魅力があるからだと思うのだ。
様々な開発者が挑戦する変形システム、スタイリングと可動の追求
カッコイイZガンダムは様々な立体化が行なわれている。その中で開発者たちの挑戦心に火をつけるのが「変形」である。Zガンダムの変形はかなり複雑なのだ。上半身は折りたたまれ胸の中に頭部が収納されるので折りたたみ構造などが求められる上、腕を支えるパーツに薄さが求められる。設定画など絵の世界ならばそれで良いかもしれないが、立体物では強度が求められる。
また背部のウィングが機体前面に回り込む必要がある。いったん機体から取り外し再度つければ問題ないかもしれないが、ここを立体物として説得力を持たせようとするのが開発者魂だ。アームを設定し動かす様にするなどアイディアが盛り込まれている。また足の基部が胴体を挟み込むように移動する機構も人型時のプロポーションに関係してくる。
このため、Zガンダムの立体物が発表されるときにファンが気にするのは「変形するかどうか」は大きなポイントとなる。どう変形させるのか、部品交換などがなく商品のメカニズムで変形を再現した「完全変形」意外にも、負荷がかかる部分やスタイリングが崩れそうな部分を別パーツを使用することでプロポーションも重視できる「差し替え変形」と言う方法もある。Zガンダムのスマートなプロポーションをとことんまで追求したいなら「変形なし」という選択肢もあるのだ。ユーザーが何を望むか、価格帯や大きさでも出す答えは変わってくるだろう。
「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム」は完全変形を可能にした上で、変形用アンテナパーツを用意することでこだわりの変形後のプロポーションを追求している。「METAL ROBOT魂」は基本的には「ROBOT魂」のノウハウをアップグレードしているが「金属パーツ」を多用しているところに特徴がある。
ウィングパーツと本体との接続部分や足の基部に金属パーツを使用することで機構の“耐久力”も確保、ロック機構を設けることで両形態のしっかりした保持力も追求する。膝や肘などの金属パーツは金属光を放つ見栄えと、しっかりした強度をもたらしてくれる。Zガンダムは大型のシールドやメガバズーカランチャーなど大きな武器を持つ。足もすね部分のボリュームが大きな特徴である。これらの大型のパーツをしっかり保持してくれる金属パーツは心強い。「飾って楽しむ」ユーザーにはこの保持力は本当にありがたい。
カトキハジメ氏のセンスが堪能できる「Ka signature」
ガンプラでは「Ver.Ka」というブランドがあるが、フィギュアでもメカニカルデザイナーのカトキハジメ氏によるデザイン監修を受けたブランドはある。「Ka signature」はROBOT魂、METAL ROBOT魂においてのブランドだが、GUNDAM FIX FIGURATIONもカトキ氏の監修を受けている。カトキ氏はアニメデザインのみならず立体物でもガンダム関連を数多く手がけている人物だ。
「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム」もカトキ氏による監修で、スマートさ、かっこよさが強調されている。スタイリング、シャープな雰囲気、立ち姿のバランスなど、様々なところにカトキ氏監修によるアップグレードされたデザインが感じられる。アニメの設定画をきちんとベースにしながら、現代的な雰囲気があるのである。
本商品で特に楽しいのは「ハイパー・メガ・ランチャー」の接続アーム。このアームは大型武器を保持するための商品オリジナルパーツなのだが、「ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> ディジェ」と同じものなのだ。こういった世界観の統一と、サブアームの追加による保持力の増加、ポーズのつけやすさと言った「遊ぶことも視野に入れたデザイン」がカトキ氏の真骨頂といえるだろう。
そして全身に施されたマーキング。このマーキングがカトキ氏のセンスを商品に反映してくれる。完成品フィギュアの良いところは、こういったマーキングが商品に印刷してあるところ。プラモデルではデカールや、ユーザー自身で塗装しなくては表現できない細かなディテールが、買ってすぐ楽しめるのは大きい。
モデラーの優れた技術で作られたプラモデルのようなクオリティの高い塗装が施され、金属パーツを多用することでポージングの細かな表現だけでなく、ガシガシ遊んでも壊れたり関節がへたらない耐久性。プラモデルが苦手なユーザーでもカッコイイ立体物が手にできるというところに、完成品フィギュアの魅力がある。「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Ζガンダム」はユーザーに高い満足度をもたらす商品だと言えるだろう。
©創通・サンライズ