特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、横山宏氏のSF世界を満喫できる「ドーヤネン シュトゥルムケーファー」
2021年11月11日 00:00
シンプルな組み立てながら、世界観をたっぷり楽しめるプラモデル
では作業開始ですが、接着剤なしで作ることができました。接着剤なしで、パーツの嵌合だけで組み上げられるキットをスナップフィットなどと呼んだりしますが、このキットもそうですね。スナップフィットはガンプラをはじめとしたキャラクターモデルでは主流の方式で、一方スケールキットは接着剤を使うものが大半です。
ガンプラのHGを組んだことのある人であれば、問題ないのではないかなあと。いずれにせよ、私にとってはたいへん組みやすいキットだなあという印象ですね。ただなあ……これも人によるんですよね。
例えばガンプラのRGを作れれば大丈夫だと思うのですが、それが難しいと感じる方だったり、おもちゃ的にガシガシと動かしても大丈夫! みたいなことを期待する場合は、ちょっと厳しいかもなと。あくまでも作る過程だったり、その形状を楽しむのがよいのではないでしょうか。
作業時間は、撮影しながらなので少し時間がかかりましたが、2時間程度でしょうか。普通に作るだけなら、もっと早く出来てしまうと思います。説明書に従って、まずは下面からやっていきましょう。
下面がこれにて完成となりますが、シンプルなパーツ構成ながらエンジン部の細かいモールドが楽しいというところ。パーツを組み付けるたびに、メカというか機械の複雑な構成が出来上がっていくところが魅力ですね。
このコクピットですが、SF3D時代から登場していたシリーズ最初期の機体であるところの、P.K.Aのコクピットと同じ意匠なんですよね。同じシュトラール軍だからそうなのですが。これがまた、同じ系統のメカということでソソります。
もともとP.K.Aの上半身は、ヘリコプターのヒューズ500のキットを縦にして使われていたと記憶していますが、その発想に、少年だった私は「わーすごい!」と感動したわけで、その意匠にまた出会えたというところです。というわけで、次ページは上面や脚を組み立てていきます。
生物的な魅力も感じる細い脚に支えられたぶっとい胴体
下面が終われば、お次は上です。こちらは下面に比べると駆動部が少ないので、大きな上面パーツにアクセサリ的に小さなパーツをはめ込んでいくかたちで作業します。
上面に関しては、ホントに楽しい作業ですね。細かいパーツが多いので、プラモデルが苦手な方にはちょっとたいへんかもしれませんが、プラモデル好きな人にとっては、大きな上面パーツにアクセサリを付けていく行程は、ドレスアップ的な意味合いもありますし、「ここに細かい色を塗ったらカッコいいかも!」などと妄想も膨らむ部分です。
ここまで来たら、いよいよ上下を合体させます。上面を裏返して、まずはコクピットのブロックを、続いて底面を組み付けます。
ボディを組み上げると、脚部がないながらもゴロっとした質感が出て、とにかく嬉しい。ちょっと手にとって、くるくるといろいろな角度から眺めれば、曲面に入る光のかたちが変わり、その影の移り変わりがまたたのしいわけです。さらにコクピットをのぞけばパイロットが鎮座していて、「人が乗っているんだなあ」という実感も湧いてきますね。
ボディはこれにて、「ほぼ」終了。お次はシュトゥルムケーファーの特徴でもある4つの脚をつくります。同じ形状なので、1本ずつ作るのではなくて、同じパーツをどんどん切り出して流れ作業的に作っていきます。
コレにて機体のシルエットが完成です。4脚の戦闘車両という独特なシルエットは、蜘蛛というかカニというか。細い脚に支えられたぶっとい胴体は、生物的な魅力というか美しさも感じます。が、同時にメカでもあるわけで、そのあたりは、ヒーロー体型のロボットだったり、世界観とは別の魅力を感じます。
ここまで来たら、機体の基本形はできあがり。あとは細かいアクセサリ的なパーツを付けていきます。これがまた、細かいディテールが付け足されていくから楽しいのです。
例えばスモークディスチャージャー、例えばコクピット左上の武装、そしてアンテナ基部など、曲面にちょいちょいと“尖った”場所があって、なんだろう……言い方はアレですが、お弁当に入っている漬物のような、ちょっと刺激的な部分がよいのです。