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「トミカ新車インプレッション」6月は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の「デロリアン(タイムマシン)」が登場

「BTTF」のデロリアンのトミカが、クオリティの高い造形と塗装を備えてついに発売!

【トミカプレミアムunlimited 07 バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン(タイムマシン)】

6月18日発売

価格:1,320円(税込)

 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのタイムマシンとして知られる「デロリアン」が、タカラトミーの「トミカプレミアムunlimited」シリーズにて6月18日に発売される。今回発売されるのは映画第1弾に登場した最もシンプルなルックスのデロリアンで、ミニカーでも各社から様々なスケールで発売された人気の高い車種だ。

「トミカプレミアムunlimited 07 バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン(タイムマシン)」。6月18日発売、価格は1,320円(税込)

 この初代デロリアンは、「トミカ」シリーズでも過去に限定発売されたことがあるが、今回は「トミカプレミアムunlimited」のハイディテールミニカーとして、満を持しての一般販売となる。その発売に先駆けて、タカラトミーより製品版を借りることができたので、実物のディテールやパッケージなどの写真をメインにレビューをお届けしていこう。

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【トミカプレミアムunlimited 07 バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン(タイムマシン)いち早く開封します!】

デロリアン社のDMC-12を改造した、スポーツカースタイルのタイムマシン

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下、BTTF)は、ロバート・ゼメキス監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮のもと、1985年に公開された。主人公のマーティ・マクフライが友人である“ドク”ことエメット・ブラウン博士の作り出したタイムマシンに乗って30年前の1955年へと飛び、若きドクとともに未来へ戻るために奮闘する物語が描かれる。タイムトラベルをした者の行動が未来へと影響をもたらす“タイムパラドックス”の効果を脚本に上手く取り入れ、物語の中にちりばめられた伏線を回収していく演出が好評で、後に続編2本が製作され、SF映画史に残る三部作として現在も高く評価されている。

 そんな物語の中で、ドクが開発したタイムマシンが、このデロリアンだ。デロリアン・モーター・カンパニーが発売した「DMC-12」という2ドアクーペに、ドクが開発した「次元転移装置(フラックス・キャパシター)」を取り付け、これに1.21ジゴワット(劇中表記。「ギガワット」に準ずる)の電力をかけ、88mph(約141km/h)で走行することで、車内に設置された「タイムサーキット」で指定した過去未来の日時へのタイムトラベルを可能としている。この初代デロリアンには超小型の原子炉が備え付けられていて、ドクがテロリストからだまし取ったプロトニウムを燃料とし、1.21ジゴワットの電力を発生させていた。続編では未来に行ったドクによって大幅な改造が施され、核燃料を使わずとも発電が可能な核融合炉を搭載。ホバーによる飛行能力も備わった。

タカラトミーの公式サイトより、パッケージのビジュアル。タイムスリップ時のシーンをイメージしている

 冒頭でも述べたようにデロリアンは過去にトミカシリーズでも発売されたことがある。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」の限定アイテムとして販売されたトミカと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」のデロリアンをモチーフとした「ドリームトミカ No.146 デロリアン part.3」である。そして今回は「トミカプレミアムunlimited」での発売となる。このシリーズは映画やドラマ、コミックなどのシーンに登場した車を専用の金型を使用して成形し、劇中に近い塗装を施した、おもちゃとしてもコレクションとしても楽しめる内容となっている。

 パッケージは「トミカプレミアムunlimited」シリーズのフォーマットに則り、開閉自在のブリスターと専用のボックス、そしてデロリアン本体という内容だ。パッケージの写真には車体をあえて後方から撮影した写真を使用し、インパクトを強めている。

ボックスと本体はブリスターパックに収められている
ブリスターは4カ所シールを切れば開けられる。再び収納することも可能だ
付属のボックスは本体を収納してもいいし、ブリスターに入れて綺麗なまま保存しておくのもいい

 気になるデロリアン本体は、BTTFシリーズでも最もシンプルなスタイルを再現。フロントは実車のDMC-12とほとんど変わらないスマートな形状だが、リアにはタイムマシンへと改造された際のメカが積まれ、一般的な車とは違うシルエットを構築している。フロントバンパーの横から伸びたケーブルはボディのサイドを這い、リアのエンジンに繋がっている。ホイールはオリジナルのDMC-12を踏襲したものだ。

フロントは実にシンプル。このシンプルさが好きなファンも多い
リアはメカニカルな印象が一気に強くなる

 ボディは劇中のステンレスカラーを半光沢のガンメタルにて塗装。サイドやリアのケーブルはもちろん、燃料となるプルトニウムを投入するフタなども塗装で色分けされている。後部メカの黒い部分は、原子炉周辺は光沢、ダクトのフィンはつや消しで処理するなど、細かい仕事が反映されている。フロントグリルのDMCロゴやナンバープレートはタンポ印刷で、特に前者は横幅2.5mm程度の大きさながらちゃんとロゴが読める仕様なのも嬉しいところだ。

本体はメタリックカラー。ボンネットはボディと別パーツだが、開閉ギミックはない
ライトはクリアパーツを使用。DMCのロゴもしっかり再現
カリフォルニア州のナンバープレートに「OUT A TIME」の文字が見える
ケーブルやサイドウィンドウの分割線なども塗装で色分けされている
シャーシにモールドはない

 ウィンドウやライトにはクリアパーツを仕様。フロントウィンドウから見えるダッシュボードにもケーブルが這い、助手席側の特徴的なパネルの形状も再現している。シートの間にある次元転移装置は具体的な形までは再現されていないようだが、センターコンソールなども劇中の形状に合わせて造形されている。

ステアリングやセンターコンソールはもちろん、タイムサーキットのあるダッシュボードも再現
リアのメカも塗装にて色分け。一部につや消し処理がされるなど、芸が細かい

 ミニカーとしてのギミックはコロ走行とサスペンションのみで、ボディを上から押すことでタイヤが沈み込む仕様だ。ドアオープンも欲しかったところだが、デロリアンは上に開くガルウィングドアなので、トミカのスケールで再現するのはちょっと難しいかもしれない。なおトミカシリーズの安全基準に則り、サイドミラーは省かれている。

タイヤにサスペンションのギミックを搭載
デロリアンの車高の低さが際立つ角度から眺めるのが魅力だ
5月に発売されたタカラトミーアーツのカプセルトイのデロリアンと比較。左がカプセルトイ、右がトミカ。トミカのほうが一回り大きく、高級感がある
カプセルトイに付属するエフェクトを流用するのも楽しい

 トミカとしては少し価格が高めに設定されているが、造形や塗装のクオリティは価格以上の内容で、箱と本体をディスプレイした状態で保存できるブリスターの仕様もいい感じだ。かつてトミカで発売されたデロリアンは現在入手困難だが、このクオリティで改めて手に入るのは嬉しい限りだ。トミカファンはもちろん、「BTTF」シリーズのファンもコレクションに加えたくなるデロリアンのミニカーをぜひこの機会に手に入れて楽しんでほしい。