特別企画
「パトレイバー」の「クラブマン・ハイレッグ」が歩いた!「第一回幕張国際レイバーショウ」レポート【ワンフェス】
天神英貴氏×アスラテック×グッスマ共同プロジェクト
2023年2月13日 15:05
- 【第一回幕張国際レイバーショウ】
- 2月12日 開催
ワンダーフェスティバル2023冬の一角で開催された「機動警察パトレイバー」の特別展示コーナー「第一回幕張国際レイバーショウ」にて、天神英貴氏×アスラテック×グッドスマイルカンパニーの合同企画「電動クラブマン・ハイレッグ」の起動デモンストレーションが行なわれた。
様々なロボットビジネスを展開するアスラテックの吉崎航氏が、過去のイベントで「自動変形マクロス」を共に手がけたデザイナーの天神英貴氏に「今回のイベントで何かやりたい」と声をかけたことがきっかけで実現したこの「電動クラブマン・ハイレッグ」だ。
天神氏はイラストレーターやメカデザイナーとして活躍し、グッスマの「MODEROID」のパトレイバーシリーズのパッケージも手がけている。吉崎氏でロボット制御ソフトウェエア「V-Sido(ブシドー)」の開発を手がける技術者で、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のガンダムや水道橋重工の「クラタス」の開発にも携わっている。
2人は「機動警察パトレイバー」の大ファンであり、吉崎氏と天神氏が開発に携わった三精テクノロジーズの人が乗れる四足歩行ロボットをリスペクトして、四脚のレイバーを動かすことを思いついたという。元々はプラモデルで発売済みの「HAL-X10」で検討していたが、グッスマの田中ヒロ氏の提案で企画中のクラブマン・ハイレッグに決定。8月に発売予定のプラモデルを約1/38スケール(約1.6倍)にスケールアップした外装をグッスマが造形し外装に使用している。
このクラブマン・ハイレッグも「V-Sido」によって制御されていて、走行、歩行、首振りなどが可能で、原作で見せた3本足で立つことも可能。また歩きながらタイヤを回すことで歩きながらその場にとどまるムーンウォークのような動きができることも披露してみせた。デモでは会場の電波などの都合で有線で動いているが、無線で動かすこともできるそうだ。
機体のデザイン上、四脚で重心が高く、足先が太くなっているのがポイントで、自然界の動物などには見られない形なのだとか。サーボは16個も使っていて、制御の関係で設定のように脚の付け根を細くすることはできなかったが、本体が大きくなればもっと細くできるかもしれないと吉崎氏。ちなみにこの実機は、各社の協力でわずか1カ月で完成させたというのが驚きだ。本来はソフト担当の吉崎氏だが、このプロジェクトでは本人が加工作業まで行ったそうで、天神氏は「“作りたいから作る”という熱意がワンフェスっぽい」と讃えた。
実際に動いているところを見ると、本当に劇中のクラブマンのように歩くのが実に楽しく「動かしてみたい」という気持ちが湧いてくる。今回の開発にはかなりの予算がかかっているそうで、天神氏いわく「(これを販売するとなれば)車並の価格です(笑)」とのことだが、将来的にこのようなホビーが登場するのは現実的だと語る。ユーザーの要望が各社に届く機会があれば、決して夢ではないと吉崎氏も述べていた。
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