特別企画

ガンダムマーカーと消しゴムだけでできる簡単スミ入れ入門!

ちょっとした一手間でガンプラが驚くほど見違えるテクニック

【ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(ライトパッケージVer.)】

発売日:2021年12月17日

価格:550円

【ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン(全3色)】

発売日:2013年7月

価格:各275円

 年々進化が止まらないガンダムのプラモデル「ガンプラ」。今やそのほとんどはしっかりと色分けまでされているおかげで、塗装をせずともパチパチと組んで完成させるだけでかっこよく組み上がるようになっている。そのままでも確かにかっこいいのだが、簡単な一手間でそのガンプラをさらにかっこよくする方法がある。それが「スミ入れ」だ。

今回使用するのは「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(ライトパッケージVer.)」。ENTRY GRADEシリーズのガンプラは素組み状態でもこれだけ色分けがしっかりとされている

 スミ入れはプラモデルの表面に施された彫刻(モールドと呼ばれており、わかりやすく言うとプラモ表面に彫られている凹凸などのことだ)に塗料を流し込んで、強調する手法。スミ入れをすることで、このモールド部分が目立つようになるため、プラモデルの見た目がグッとかっこよくなるわけだ。

プラモデルの表面にはモールドと呼ばれる細かい造作表現の筋彫りが行われている
スミ入れはそのモールド部分に塗料を入れることで、強調するテクニックだ。写真右の足裏のみスミ入れを施している

 スミ入れは簡単なのにプラモデルの見た目をグッと良くすることができる。誰でも簡単にできるテクニックだ。本稿ではプラモデルにスミ入れする方法をBANDAI SPIRTISのガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム」を使用して紹介する。誰でも簡単にできるので、是非マスターしてみてほしい。

スミ入れで使う道具

 はじめにスミ入れで使用する道具を紹介する。

ガンダムマーカーのスミ入れ用ペン

 GSIクレオスから発売中の「ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン」ブラックとグレーに加え、「ガンダムマーカー 消しペン」。この3種類のペンがあれば、基本的にスミ入れで困ることはない。

ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン

 モールドにペン先をあてることで、毛細管現象でスミが流れていくペン。価格は275円。塗りたい箇所にあてることで、スミが溝をかってに流れていってくれるので、初心者にオススメのスミ入れペンだ。ブラック、グレー、ブラウンの3色が用意されており、塗る場所の色に合わせて使い分けることができる。

【ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン】
スミを入れたい場所にチョンチョンと振れるだけでいいのでお手軽にスミ入れができる

ガンダムマーカー 消しペン

 ガンダムマーカーの塗料を消すことができるペン。価格は275円。間違ってスミ入れしてしまったところを綺麗にしたり、はみ出た塗料を消すことができる。

【ガンダムマーカー 消しペン】
ペン先が汚れると塗料が色移りしてしまうこともあるので、溶液を綿棒などに出して使うのがオススメだ

 塗料以外に用意すると便利なアイテムが綿棒と消しゴムだ。

【メイク綿棒】
100均などで買えるメイク用の綿棒。丸い部分と、尖った部分があるので使いやすく、余分な塗料を拭き取ったりするのに重宝する。今回使用したのはダイソーから発売中の70本入り110円の品
【消しゴム】
スミ入れのはみ出た塗料を消すのに使う
嘘みたいな話だが、消しゴムで本当に綺麗に消せるのでぜひとも試してほしい

 これらの道具を揃えることで、スミ入れを始めることができる。スミ入れはモールド部分に色を付けるだけなので、鉛筆やシャーペン、黒のマーカーなどでもできてしまう。だが、専用の道具以外を使うにはそれなりの技術が求められる。簡単かつ綺麗に仕上げるためにも、ガンダムマーカーを使うのがオススメだ。

「EG ストライクガンダム」にいざスミ入れ

 では、スミ入れペンの概要をおとどけしたところで、実際にプラモデルにスミを入れてみたいとおもう。

 今回使用するガンブラは、初心者にもやさしいプラモデルキット「ENTRY GRADE」シリーズより「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(ライトパッケージVer.)」。このキットはニッパーを使わずとも手で簡単に外せるタッチゲート仕様となっており、ガンプラが初めてという人でも簡単に組めるようになっている。さらに、パーツ類の色分けがしっかりと再現されているので、塗装せずとも、組み立てるだけでかっこいいストライクガンダムを完成させることができる満足度の高いガンプラだ。

「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(ライトパッケージVer.)」2021年12月発売のガンプラで価格は550円
パーツ数が少ないにも関わらず、しっかりと色分けされており、ニッパーを使わず手でパチパチと簡単に外して作ることができる

 今回はこのキットにスミ入れを行うので、素の状態とスミ入れ状態でどのようにキットの雰囲気が変わるか、楽しみにしてほしい。

素組み状態のストライクガンダム(前)
素組み状態のストライクガンダム(後)

 最初はスミ入れの効果を一番に実感することができる頭部にスミを入れていこう。

【素組み状態の頭部】
組んだだけの状態でもこの完成度なのがすごい

 さて、いざスミ入れを開始。スミ入れの作業自体はいたってシンプル。塗りたいモールド部分にチョンチョンとペンをあてていくだけ。ガンダムマーカーのスミ入れ塗料は消しゴムや消しペンで簡単に落とすことができるので、大胆に塗っても大丈夫。

 ちなみにスミ入れ塗料の色についてだが、

  • ブラック:赤、青、灰色などの濃い色のパーツをスミ入れするのに使う
  • グレー:白や黄色などの薄い色のパーツをスミ入れするのに使う

 基本的にはこれを覚えておけば大丈夫。

【スミ入れ】
顔周りのモールドにガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン グレーをあてる
はみ出しても気にせず、気持ち多いくらいの方がしっかりとスミ入れできる
はみ出した部分を消しゴムで消していく
比較として頭部を半分だけスミ入れしたもの。スミ入れしたことで立体感がでて、印象がかなり変わったのがわかる

 この調子で残りのパーツをスミ入れしていく。

【スミ入れ(ブラック)】
色の濃い胴体部分にはブラックのスミ入れ塗料
手のグレー部分にブラックのスミ入れを入れるとおもちゃっぽさが消えて重厚感が増す
【スミ入れ(グレー)】
腰や足の白いパーツにはグレーのスミ入れ塗料
ブラック1本で全てスミ入れするのも可能ではあるが、白いパーツなどは黒色が目立ちすぎてバランスが悪くなることがある

 エントリーグレードシリーズのガンプラはモールドが少ないので、比較的すぐスミ入れが終わるはずだ。全てのパーツをスミ入れしたら、あとは組み立てて完成だ。

 せっかくなので素組み状態とスミ入れ状態を比較してみよう。

(左)スミ入れ無し、(右)スミ入れあり
(上)スミ入れ無し、(下)スミ入れあり

 凹凸のある場所にブラックやグレーのラインが入るだけで立体感が大幅に強化されて、ガンプラの見栄えや印象が激的に変わったのがおわかりいただけただろうか。ちょっとした一手間でここまで変わってしまうのがスミ入れのすごさだ。

 今回は基本となるガンダムマーカーの流し込みタイプのスミ入れを使用して紹介したが、実はスミ入れペンには他にもバリエーションが存在している。せっかくなのでそれらも紹介しよう。

【ガンダムマーカー スミ入れ 極細タイプ グレー】
「ガンダムマーカー スミ入れ 極細タイプ」はペン先が極細になっている。価格は220円
線が極細なので、溝がないところや、直接スミを描きたいときに使える
【ガンダムマーカー スミ入れ 筆ペン グレー】
「ガンダムマーカー スミ入れ 筆ペン」はその名の通りプラモデルに描くことができる筆ペン。価格は275円
筆タイプなので広いエリアを塗るのに便利
【タミヤ スミ入れ塗料 40ml】
筆者が筆塗りするときによく使っているのは「タミヤ スミ入れ塗料 40ml」。使い方はガンダムマーカーの流し込みスミ入れと同じだが、自身で好みの大きさの筆を用意できたり、塗料の量が多いといったメリットがある。価格は440円。スミ入れ塗料を拭き取る際は「タミヤカラー エナメル塗料 X-20 溶剤大びん 40ml」を使う。

 これらはスミ入れ塗料ではないが、100均で購入できる、あると便利な道具だ。

【ダイソー 精密ケガキ針】
ダイソーで購入可能なケガキ針。モールドが浅い場合、これでなぞることで塗料を入りやすくできる。また、これを使えば自分で新たなモールドを彫ることもできるので、スミ入れに慣れたら挑戦してみてほしい
【ダイソー ネイルブラシ(ライン)】
ダイソーで購入可能な極細なネイルブラシ。毛先が細いのでガンプラの小さなパーツも塗りやすくオススメ。タミヤのスミ入れ塗料などを使うときに便利

 ガンプラは素組みだけでも十分に楽しめるほどに進化しているが、それでもやはりもう一歩進んでほしい。ちょっとした工夫や手間でプラモデルは見違えるほど変わってくれるので、それを素組みだけで終わらせてしまうのはある意味もったいない。失敗を恐れず、ぜひともかっこいいガンプラ作りに挑戦してみてほしい。