特別企画

ボークスの「ファイブスター物語」、黒騎士ではない「ダッカス」を成型色で表現! 材質変更で動かしやすくなる「破烈の人形」、進化するプラキット

【VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト =ボォス 3074=(ヨーン・バインツェル)】
2026年秋~冬発売予定
価格:未定

 ボークスが開催したホビーイベント「ホビーラウンド34」では様々な新作商品が展示された。その際に開発者から商品へのこだわりや注力ポイントを聞くことができた。本稿ではボークスのプラキット「VSMS(VOLKS SUPER MODELING SERIES)」を取り上げたい。

 今回取り上げるのは「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト =ボォス 3074=(ヨーン・バインツェル)」、2026年秋から冬に発売予定・価格未定。もう1つが「ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形(シープヘッド・アスティルーテ/静)」。2026年夏発売予定で、価格未定。ホビーラウンド34での大きな目玉となった2つの商品だ。

 VSMSは永野護氏のマンガ「ファイブスター物語」に登場する、GTM(ゴティックメード)と呼ばれるロボットをモチーフとしたプラキットだ。ツインスイング機構という例えば肘、膝にZ型に配置された関節を持ち、大きい拳や垂直断面で構成された各部装甲、細身のシルエットなど異形感を感じさせるデザインを基本としている。

 VSMSは可動にも力を入れており、ポージングの幅を広げ、ツインスイングはどのように動くか、背骨のみに見える細い胴体を表現するために、パーツ設計や素材の選別といったところでいかに強度と可動を両立させるかなど、随所に工夫が凝らされている。今回はVSMSの反響なども聞けた。

ヨーンが駆る「ダッカス」! ロイヤルブルーの成型色を採用して立体化

 今回初発表となったのは「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト =ボォス 3074=(ヨーン・バインツェル)」だ。2026年秋から冬に発売予定・価格未定。「ダッカス」は「ファイブスター物語」を象徴する騎体の1つであり、その専用ファティマ「エスト」と共に様々なエピソードが描かれる。エストに選ばれた騎士は「黒騎士」と呼ばれ、ダッカスを駆るのだ。

手のひら部分が大きく、すねが長く、胴体は細い。GTMは異形のロボットだ。ヨーンが駆るダッカスはあえて黒騎士を名乗らない。ボディカラーがダークグリーンから「ロイヤルブルー」に変わり、主の証であるミラージュマークをつくなど、ファンにはぐっとくる姿となる
今回は試作品のため成型色がわからなかったが、ロイヤルブルー(ダークネイビーのクリア)の装甲、フレームはメタリックグレーとなる

 長い歴史(人造生命体ファティマは不老と言えるほどの長い寿命を持つ)の中、エストは何人かの騎士を黒騎士へと選ぶ。ヨーン・バインツェルは3代目黒騎士・デコース・ワイズメルと深い因縁を持つ人物。今回発表された商品のモチーフとなるのは、ヨーンの騎体としてのダッカス。彼はエストとダッカスを受け継ぎながら、あえて黒騎士は名乗らず、主・アマテラスに仕える。

 「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト =ボォス 3074=(ヨーン・バインツェル)」は、商品的には発売されている「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト」の一部新規金型のバリエーションとなる。

 VSMSのこだわりの1つが、“成型色による機体色の表現”だ。半透明装甲を持つGTMを塗装せずとも表現できるように、色のみならず質感にも注力し、その騎体が持つ雰囲気も表現する。「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト」では一見黒に見えるが目を近づけるとグリーンだとわかる色、そしてガラスのようにも見える透明度のある素材で装甲を表現。フレーム部分はABSを使って強度を持たせる上にメタリックな輝きを放つ素材にしており、部分塗装だけで作中のイメージに近く作ることができた。

シリーズ第1弾となった「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト」。ダークグリーンの装甲を持つ。成型色がわかりやすい部分塗装での出展があった

 ヨーンが駆るダッカスは作中でカラーで描かれ、さらに色も指定するという永野氏のこだわりが詰まっていた。その設定を受け、「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト =ボォス 3074=(ヨーン・バインツェル)」は外装がロイヤルブルー(ダークネイビーのクリア)、フレームがメタリックグレーとなる。「重みのあるグレーに調整したい」とのことだ。

 さらに左前腕につく盾・フライヤーは作中デザインに合わせ新規造形、顔周りも画稿に合わせて変更する。そして”ミラージュマーク”である。アマテラスの騎士であるヨーンが搭乗する騎体として、ダッカスにミラージュマークが配されるのはファンにとってぐっとくる要素だろう。ミラージュマークはデカールで表現する。現在は試作であり、今後発売までにダッカスに追加エピソードが描かれれば、できるだけそれを追いかけたいとのことだ。基本設計は変わらないダッカスではあるが、ファンにとって特別なバリエーションである。

基本設計は同じだが細部がヨーン騎ならではのものとなる
盾(フライヤー)の変更も、マンガを読んだファンにはぐっとくるポイントだ
顔つきも画稿に合わせての新規造形となるという
ダッカスは商品的にGTMをプラキットとして表現する土台となった。ボークスはこれまでの商品でも部品の形状の調整や、設計の変更など進化させている。ダッカスで得たノウハウが今後どう活かされるかも注目ポイントだ

 本商品のベースとなる「VSMS 1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト」はGTMをプラキットとして表現した最初のアイテムとなる。素材や可動設計までこだわり、ユーザーからは「ツインスイングの構造が立体物でしっかりわかった」という感想も聞かれた。腹部の可動と保持も評価され、開発者として手応えを感じたとのこと。成型色に関しても「これまでよりさらにこだわりを感じた」という評価を得たという。ヨーン騎は成型色を変え、どのようなダッカスとなるか、楽しみだ。

頭部変更と、胴体部分の強化を施した「VSMS 破烈の人形(シープヘッド)」

 VSMSでのもう1つの目玉が、「ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形(シープヘッド・アスティルーテ/静)」。2026年夏発売予定・価格未定。

 GTMは投入される戦場や、時代で装甲が変化する。破烈の人形(シープヘッド・アスティルーテ/静)は羊の角のように丸まった頭部装甲が特徴。永野氏の画稿から2つの頭部が再現できる。

シープヘッド(アスティルーテ)の破烈の人形。頭部の側面装甲がくるりとまわっている
特に側面から見ると独特の装甲形状がわかる

 本商品は発売されている「VSMS 1/100 ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形(ホークヘッド)」から一部パーツを変更したアイテムだ。頭部の異なる装甲を表現しただけでなく、腹部や首、足首といった荷重のかかる関節パーツをポリカーボネート製にしている点が変更点となる。

 「VSMS 1/100 破烈の人形」は、「VSMS 1/100 ダッカス」に比べ、上半身のボリュームが大きく増しており、それを支える背骨や腰、足首部分に負荷がかかる。VSMSはフレームにABSを使い強度も十分配慮している設計だが、今回ポリカーボネート製パーツを使うことでさらに強度を増す。

 上半身が重く、腰が細いデザインから「VSMS 1/100 破烈の人形」は動かしているうちに経年劣化で上半身が外れやすくなるところがあった。「ファイブスター物語」では他にもいくつもの「ゲートシオン」シリーズの騎体が登場する。今回の素材の変更は今後の展開も見据えた設計となっている。ポリカーボネート製パーツは逆に保持力が高すぎる場合もあるというところで、はめ込むABSパーツとの整合性を取るため、素材強度やパーツ設計などを現在調整しているという。

 変更されるパーツは腰に加え、足首、首回りなど。ポリ樹脂の1つのランナーそのものの材質を変更することで対応していく。VSMSに限らず、同じく「ファイブスター物語」の騎体を表現するプラキット「IMS(Injection Assembly Mortar Headd Series)」でも進化を続けている。今後も様々なチャレンジとフィードバックを行い、製品を変化させていくとのことだ。

形状の異なるもう1つの頭部も再現可能
頭部だけでなく、背中の翼がついており、上半身はかなりボリュームがある
シープヘッドでは腰の一部をポリカーボネート製に変更し、強度を上げるという
こちらは発売されているホークヘッド。頭部装甲そのものがシープヘッドより大きい。シープヘッドは頭部も軽くなり、材質変更で強度も増し、動かす楽しさを感じさせるキットとなりそうだ