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【年末特集】来年はホビーを“色んなアングル”から堪能しよう! ホビー撮りに最適な2022年発売の最新ミラーレス一眼

初心者向けの安心機能や、“寄って”撮れるマクロレンズも紹介

 読者の皆さんは、HOBBY Watchがカメラ系の記事を扱い始めたことに、気が付いた方もいるのではないだろうか……。本誌ではホビーの商品情報を中心にお伝えしているが、その根幹となるレビュー記事や、ホビーを”見て”楽しむ「撮り下ろし企画」では、一眼レフカメラやミラーレス一眼が大活躍している。

 HOBBY Watch編集部、特に筆者は、フィギュアやプラモデル・おもちゃの撮影に、“どんなカメラ・レンズ”がいいのか、“どんな環境”で撮ればいいのかを伝え、読者の皆さんにもホビーを“撮って・見て”楽しんでもらいたいと考えている。そこで2023年は、プラモデル・フィギュアを撮る時、おもちゃで遊ぶ子供を撮る時など、“ホビーを撮る”ことに特化したカメラ情報を強化していくこととなった。

 その第1弾として本稿では、年末年始のうちに購入できる2023年もバリバリ現役の「ミラーレス一眼カメラ」を特集。撮って・見て楽しむホビーライフに備え、今年発売されたばかりの最新モデルの中から、初めてカメラを扱う人にも、これからカメラを買い替える人にもオススメな3台を選出したほか、ホビーや物撮りに最適な“寄れる”レンズも併せて紹介していく。

EOS R10(キヤノン)

7月28日 発売
価格:オープン
参考価格:132,000円(キヤノンオンラインショップ、ボディのみ)

 キヤノンより7月に発売されたミラーレス一眼「EOS R10」。ミドルクラスのモデルだが、ボディのみの質量が429gの軽量設計となっていて、カメラが色や明るさ、状況を判断し自動設定する「シーンインテリジェントオート」を搭載するなど、初心者からカメラに慣れている人も納得できるモデルとなっている。特にオートモードは、ミドルクラス以上になると搭載されていない機種も多く、上級機種の機能を引き継ぎつつ、初心者でも安心なのが「EOS R10」の特徴だ。

 センサーは、2,420万画素のAPS-Cサイズ。高精度なAF性能を誇り、約70万円の上位機種「EOS R3」譲りの「EOS iTR AF X」によって、人物の瞳や乗り物などを追従し、検出することができる。先ほども紹介した“おもちゃで遊ぶ子供”の瞳にAFを合わせたり、NゲージやRCカーの追従AFも可能。また、スマートフォンとの連携機能もあり、撮影した画像をすぐに転送・シェアすることができるなど、オールマイティなカメラに仕上がっている。

EOS R10本体
本体裏面
本体天面。初心者にも安心な「シーンモード」を含むモードダイヤルがある
公式ページより撮影サンプル(使用レンズ:RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM)
公式ページより撮影サンプル(使用レンズ:RF85mm F2 MACRO IS STM)

□キヤノン「EOS R10」の商品ページ

「EOS R10」のマクロレンズにおすすめ! RF35mm F1.8 MACRO IS STM

2018年11月15日 発売
価格:オープン
参考価格:77,000円(キヤノンオンラインショップ)

 先ほどの「EOS R10」に組み合わせるマクロレンズには「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」がオススメ。マクロレンズは、最短撮影距離が短く設計されており、被写体に対して“寄って”撮影が可能。「EOS R10」にて使用すると、焦点距離が約56mmとなり、フィギュアに近付いて表情を写したり、プラモの塗装の質感を撮影できる。

 さらに、角度ブレとシフトブレを抑制する「ハイブリッドIS」を搭載。手持ち撮影でもブレの少ない画像を撮ることができるマクロレンズに仕上がっている。ホビー撮影に「EOS R10」を選んだ際は、ぜひ持っておきたい1本だ。

レンズ本体
公式ページより撮影サンプル(使用カメラ:EOS R)
公式ページより撮影サンプル(使用カメラ:EOS R)

□キヤノン「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」のページ

Z 30(ニコン)

8月5日 発売
価格:オープン
参考価格:97,900円(ニコンダイレクト、ボディのみ)

 続いてはニコンより8月5日に発売されたミラーレス一眼「Z 30」。こちらはエントリー寄りのモデルで、像をのぞき込むように見る「ファインダー」がなく、天面が平らなデザインとなっている。本カメラの特徴は、キットレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」と合わせても質量が540gと、同社が展開する「Z」シリーズで最軽量なところ。様々なアングルとなる「バリアングル式モニター」と組み合わせ、フィギュアのローアングルからの撮影や、ジオラマ全景を撮影する際のハイアングルからの撮影も、体に負担が少ない。

 センサーは、2,088万画素のAPS-Cサイズ。もちろん、オートモードや瞳を認識する高精度なAFなど、初心者にも安心な機能が備わっている。常にディスプレイを見て撮影する「ライブビュー」となり、スマートフォンでの撮影ポーズに近いため、スマホからのステップアップにもピッタリなカメラだ。

カメラ本体
カメラ裏面。覗き込むように像を見る「ファインダー」がない
カメラ天面。スッキリした操作系となっている
公式ページの撮影サンプル(使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR)
公式ページの撮影サンプル(使用レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8)

□ニコン「Z 30」のページ

「Z 30」の“マイクロレンズ”におすすめ! NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

2021年6月25日 発売
価格:オープン
参考価格:84,700円(ニコンダイレクト)

 「Z 30」でホビーを撮る時にオススメの交換レンズが「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」。同社は定義の厳密性を重視し、“マイクロレンズ”と呼んでいるが、もちろんマクロ撮影が可能だ。「Z 30」で使用すると、焦点距離が約75mmとなり、人物のポートレート撮影から、ミニチュアのクローズアップなど、様々な撮影で使用できる単焦点レンズとなっている。

 なお、「Z 30」にはボディ内手ブレ補正機能がなく、本レンズにも手ブレ補正機能がないため、明るい環境下であれば問題はないが、照明がない暗い環境では、手ブレが発生してしまう場合がある。マクロ撮影などでこだわって撮影したい場合は、三脚の使用を推奨したい。

レンズ本体
公式ページの撮影サンプル1(ミニチュア)
公式ページの撮影サンプル2(コイン)

□ニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」のページ

OM-5(OMデジタルソリューションズ)

11月18日 発売
価格:オープン
参考価格:162,800円(OM SYSTEM STORE、ボディのみ)

 最後にオススメするのが、OMデジタルソリューションズ(OMDS)のミラーレス一眼「OM-5」だ。OMDSと聞くとあまり聞き馴染みのないが、これはオリンパスから事業譲渡された会社で、ブランド・機種はそのまま引き継がれている。本機種はミドルハイクラスにあたり、先ほど紹介した2機種より価格も少々高いが、シンプルな操作系でオートモードも搭載され、初心者でも簡単に操作できる。

 センサーは、2,037万画素のマイクロフォーサーズサイズで、先ほどの2モデルより少し小さめ。だが、そのおかげもありボディが比較的小柄で、レンズも小さく設計できる。特にレンズが魅力で、後ほど紹介するマクロレンズは、新品で約35,000円とリーズナブルだ。さらに“5,000万画素”の高解像写真が撮影できるハイレゾショットなど、上位機種ならではの機能も魅力。1月11日まではキャッシュバックキャンペーンも開催されているため、ぜひとも候補に入れたい1台だ。

カメラ本体
ボディにはシルバーモデルが用意されているのも、本機種の特徴
公式ページの実写サンプル(使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II)
公式ページの実写サンプル(使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO)
公式ページの実写サンプル(使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO)

□OMDS「OM-5」のページ

「OM-5」のマクロレンズにおすすめ! M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

2016年11月18日 発売
価格:44,000円
参考価格:35,200円(OM SYSTEM STORE

 「OM-5」とホビーライフを送る際に、オススメなマクロレンズが「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。先ほども触れたように、本レンズは実売価格が約35,000円とリーズナブルなのが特徴。もちろん、レンズとしての性能を犠牲にしているわけではなく、DSAレンズやEDAレンズなどの高性能なレンズを採用している。

 レンズ側に手ブレ補正機能はないが、ボディとなる「OM-5」側に手ブレ補正機能を搭載しているため、“寄った”写真を撮る際でも、手持ち撮影が可能だ。「OM-5」のハイレゾショットと組み合わせ、フィギュアやプラモデルの細部まで写すことができるレンズに仕上がっている。

レンズ本体
公式ページの実写サンプル(使用カメラ:E-PL7)
公式ページの実写サンプル(使用カメラ:E-PL8)

□OMDS「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」のページ

日進月歩で進化を続けるカメラ業界。2023年はあっと驚くカメラ・レンズに期待!

 今年は、ニコンの「Z 30」のようなエントリーモデルから、ボディのみで50万円以上もするようなプロ向けのモデルまで、様々なミラーレス一眼が発売された。もちろん、スマートフォンのカメラ機能も進化していて、9月に発売された「iPhone 14 Pro」では“iPhone史上最高のカメラシステム”と謳っているが、センサーサイズやレンズの口径などは、物理的にミラーレス一眼に敵わない。特にマクロ撮影など、ホビー撮りに重要な機能は、まだスマートフォンのカメラが苦手としている部分だ。

 本稿では、ホビー撮りに最適な最新ミラーレス一眼・レンズを紹介してきたが、カメラの世界は日進月歩で進化を続けている。2023年は“あらゆるアングル”からホビーを楽しみつつ、あっと驚くような画質や性能を持ったカメラやレンズの登場に期待したい。