インタビュー

ゾイド「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」開発者インタビュー

【RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル】

予約受付期間:2024年12月5日まで

2025年6月下旬 発売予定

価格:6,600円(税込)

 タカラトミーのハイターゲット向け新ホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」より展開される1/100スケールアクションプラキット「REALIZE MODEL(リアライズモデル)」シリーズ第6弾として「セイバータイガー シュバルツ スペシャル」が立体化。2025年6月下旬の発売を予定しており、予約受付期間は12月5日までとなっている。

 「REALIZE MODEL」シリーズは「超可動」、「組み立てやすさ」、「コレクション性」を高めたアクションプラキットシリーズ。同社のIP「ゾイド」シリーズから「ブレードライガー」と「ジェノザウラー」を皮切りに、様々なゾイドの立体化、商品化が展開されている。

 「セイバータイガー シュバルツ スペシャル」はアニメ「ゾイド-ZOIDS-」などに登場したガイロス帝国軍のカール・リヒテン・シュバルツ少佐が駆る「セイバータイガー シュバルツ スペシャル」が登場。黒を基調としたカラーリングとともに、シュバルツ専用機を象徴するビームガトリングガンなどの武装を装備し、火力と機動力を備えた機体となっている。

【【REALIZE MODEL】RMZ-006 セイバータイガー シュバルツスペシャルPV】

 今回、本商品の開発を担当しているタカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部の片山 周氏に本商品の魅力を聞いてみた。

より追求されたネコの動きと武装による遊びの広がりを体現

――「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」の立体化が決まった経緯をお聞かせください。

片山氏:2023年に開催しましたイベント「大ZOIDS博2023」、「40周年記念ZOIDS展」にて「ゾイド」シリーズのキャラクターグッズ、アクリルスタンドやクリアファイルなどを販売しました。ゾイドだけでなく、アニメの人物キャラクターにもフィーチャーしまして、特にシュバルツが女性人気もあり、人気が高かったんです。

 そういったキャラクターからのアプローチも踏まえつつ、「REALIZE MODEL」シリーズも「全ゾイドをREALIZE MODELで立体化」を掲げておりますので、通常の「セイバータイガー」から出すだけでは普通と思い、シュバルツスペシャル仕様をまずは立体化しようとなりました。

「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」

片山氏:「REALIZE MODEL」シリーズは、プラモデルにあまり触れたことがない方にも楽しんでいただきたいというコンセプトもあります。また、女性ファンの方にも触れていただければという願いもあり、シュバルツの人気も立体化のとっかかりにもなっています。

――パーツ数はどれくらいになりますか?

片山氏:パーツ数は武装を含めて250前後を予定しています。組み立てやすいパーツ数になっているかと思います。

――今回見本を拝見しておりますが、成型色でのカラーリングはどのようになりますか?

片山氏:成型色は黒の部分はアニメ準拠でメタリック感は抑え目で、背中の武器はメタリック感のあるカラーリングになる予定です。

――なるほど。過去のムービングキットからの造形での進化した点などはありますか?

片山氏:実はタカラトミーとしてはアニメカラーの「セイバータイガー シュバルツ スペシャル」は初のキット化となっております。アクションプラキット化に際しても、劇中の再現やネコ科ならではの動きを手の中でできるのが一つの魅力となっております。

 コトブキヤさんのHMMキットで立体化はしておりますが、「REALIZE MODEL」シリーズでは1/100スケールになっているのでサイズの違いから新たな遊びを楽しんでいただけるかと思います。

1/100スケールで表現された「セイバータイガー シュバルツ スペシャル」

――その中でもやはり目を引くのは、背中のビームガトリングガンやピンクのミサイルポッドかと思います。造形などはアニメイメージなのでしょうか?

片山氏:そうですね。こちらはアニメ準拠のカラーリングで再現しております。ピンクのミサイルポッドも初登場時に印象的な色を再現しています。

シュバルツ専用機といえば巨大なビームガトリングガン
アニメ準拠のピンクのポッドも再現

――ビームガトリングガンに接続されたスプリングパーツも特徴的ですね。

片山氏:スプリングパーツは武装の他に胴体部分にも使用しております。特に武装のスプリングパーツは旧キットを意識して、メカらしい緻密さが出るようにしました。

 こうしたパイプ部分のようなフレキシブルなパーツを組み立てるとすると、どうしてもパーツ数が増えて、組むのが大変になってしまいます。また、軟質素材やシリコン素材を使用すると経年劣化が出てしまう。

 金属製のスプリングパーツならそれら機能面を踏まえてもよいのではないかと思い、今回採用しました。

スプリングパーツでメカらしい緻密さとフレキシブルな可動に対応
胴体部にもスプリングパーツが使用されている

――背中の武装は取り外して、例えば別売りゾイドに付け替えることはできますか?

片山氏:ジョイントは共通のものとなっていますので基本的には互換性のある形になっています。ですが、商品によっては接続のジョイントのオスメスが逆になっているものもあります。

 なので、中のハブを変えられるパーツの展開を考えておりまして、それによって武装の付け替えも容易にできるようになるかと思います。

――武装の付け替えで遊びの幅もありますが、ゾイドの世界観が広がるのを感じます。

武装パーツは別売りの「REALIZE MODEL ZOIDS」シリーズに付け替えが可能

――付属のパイロットフィギュアもシュバルツが再現されていますね。

片山氏:こちらのパイロットフィギュア、細かいところではありますが、アニメ前半の帝国軍“少佐”の時とアニメ後半のGF(ガーディアンフォース)編の“大佐”の時で微妙に軍服デザインが違いまして、今回のキットでは“少佐”の時の衣装を再現しています。

シュバルツ少佐のパイロットフィギュア。軍帽や軍服デザインが細かく再現されている

――続いて可動部分についてお伺いできればと思います。商品ページでも前脚の可動部はかなりフレキシブルに動くのが印象的でした。

片山氏:前脚が一番こだわった部分で、通常だと前後の動きや足首も上下の動きだけになってしまうかと思います。「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツスペシャル」では肩口が引き出し機構を備えたボールジョイントになっています。

 「セイバータイガー」はアニメでは飛び掛かったり、そのあと着地して地面を滑るように踏ん張るシーンも印象的ですので、前脚がしっかりと開くようになっています。

 また、ロール機構もありますので「RMZ-001 ブレードライガー」以上によりネコ感を強めたイメージで、爪先が体の下に潜り込むようになっています。

 前爪もボールジョイントとロールによってネコのひっかくような動きも楽しめます。細かい部分で足首の赤い部分ですが、アニメでも赤の差し色が入っていましてこちらも再現しております。

前脚は大きく開いたダイナミックなポージングなどを表現可能
アニメでの赤い差し色もしっかり色分けで表現されている
頭部コックピットハッチも開閉

――後脚に関してはいかがでしょうか?

片山氏:後脚にもロール機構が入っており、バネのある力強い動きや方向転換の表現ができるようになっています。また、お座りポーズもできるようになっています。

後脚も力強い印象をもった造形と可動を両立

――武装面ではビームガトリンガンなどの可動域はどれくらいありますか?

片山氏:ビームガトリングガンは仰角調整の前後可動に加えて、ユニットも胴体の接続部で回るので左右への動きも可能となっています。

 また、「セイバータイガー」本体の動きやユニットの位置に合わせて、ビームガトリングガンのスプリングパーツ接続部はフリーのボールジョイントになっていて、より自然なスプリングパーツの位置取りができます。

 そして、ミサイルポッドも引き出し機構で前面に展開することができます。

ビームガトリングガンは仰角調整が可能
ミサイルポッドを前面への展開するギミックも搭載

――「RMZ-001 ブレードライガー」、「RMZ-002 ジェノザウラー」でのエフェクトを表現した「リアライズサポートパーツ」は本キットでは付属しますか?

片山氏:「リアライズサポートパーツ」は各機体に合わせて「こういう表現があればいいな」という要素を入れるというのが基本的な考えになっています。

 「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」ではエフェクト表現というよりは、胴体のスプリングパーツであったり材質の違いがわかるような部分になっています。

 その点では一応、今後の展開を予定しています「セイバータイガー」の時に“隠し玉”を考えていますのでぜひご期待ください。

 また、「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」を組み立てる際に、アニメ「ゾイド-ZOIDS-」を見た方に気づいていただけたらな、という部分もありますのでご期待いただければと思います。

――「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」では、付属のカウルパーツで武装なしの「セイバータイガー」の状態にできるのも魅力の一つになっているかと思います。

片山氏:そうですね。通常の「セイバータイガー」が搭載している武装はありませんが、武器のついていない「セイバータイガー」も楽しんでもらえればと思います。

カウルパーツを差し替えることで武装なし状態も表現できる

――今回の「RMZ-006 セイバータイガー シュバルツ スペシャル」を開発するにあたり、こだわったポイントはありますか?

片山氏:やはりネコらしさの追求ですね。前脚に豊富な可動軸を採用したところがポイントになります。顔のデザインも旧キットの印象を残しつつ、そこからアレンジを加えて虎らしさを追求したのもあります。

 スプリングパーツを採用するのも色々検証し、可動をさせつつメカらしさを出すためにスプリングの配置を突き詰めたのもこだわりであり、苦労した部分でもありますね。

虎(タイガー)らしい顔つきを追求

――今後の機体展開についても、今回シュバルツ仕様の「セイバータイガー」が商品化されたことで同じく専用機で登場した「アイアンコング」などにも期待が高まっているかと思います。

片山氏:もちろんです。実は「アイアンコング」は開発がスタートしております。

 また、アニメの専用機、トーマの「ディバイソン」やアーバインの「コマンドウルフ」なども展開していきたいなと考えています。「全ゾイドをREALIZE MODELで立体化」を目指していますので、バリエーション機にもご期待いただければと思います。

――最後のユーザー様へのメッセージをお願いいたします

片山氏:「シュバルツ専用機が出るということは……?」というところで、「アイアンコング シュバルツ スペシャル」であったりアニメに登場したゾイドであったりも出していく意気込みです。

 主役機だけでなく、すでに発表されています「トリニティライガー」であったり、新規シルエットのゾイドも展開できればと思います。これまでの商品のPVでも末尾に新機体情報を公開してきておりますので、今後も注目していただければと思います。

 全ゾイドの立体化を目指しておりますので引き続き応援をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。