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情熱が生み出す大型ゾイドの圧倒的迫力。「モデラーズクラブ合同作品展2023」にてキングゴジュラス、ウルトラザウルスが出撃【#静岡ホビーショー】

【第61回 静岡ホビーショー】

開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)

入場料:無料

場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

※一般公開日の入場受付は終了

 いよいよ5月13日、14日の一般公開日が迫った模型展示イベント「第61回 静岡ホビーショー」。本イベントでは企業ブースにて新商品や参考出展などの展示が実施されるとともに、全国のモデラーによる作品展示会「第32回 モデラーズクラブ合同作品展2023」が開かれる。

 一部モデラー作品が5月12日より展示が開始され、数多くの作例が飾られている。本稿ではその中から「ZOIDS」シリーズの作例を展示している「マッスルゾイドクラブ」を紹介していく。

「マッスルゾイドクラブ」の展示

その巨大感に目を奪われるキングゴジュラス、ウルトラザウルス

 展示されている作例の中で目を引くのは、やはりヘリック共和国軍が誇る大型ゾイド「ウルトラザウルス」と「キングゴジュラス」だ。

 「キングゴジュラス」の作例は、コトブキヤから発売されたプラモデル「HMM ゴジュラス」シリーズとトミー(現タカラトミー)のキット「キングゴジュラス」のパーツを合わせて作られているとのこと。

作例「キングゴジュラス」

 「HMM ゴジュラス」の巨大感に加え、胸部や頭部など「キングゴジュラス」のパーツを合わせて、重厚感と濃密なディテール表現がされている。制作期間は約2か月とのこと。

 背面には巨大なキャノンを背負い、肩のキャノンなど武装のカスタマイズもうかがえ圧巻の一言に尽きる。そして、塗装に関してはパーツ点数もあり、組んだ状態で色を塗っていったとのこと。細かいパーツまで分けてすると手間がかかるため、ある程度組み立てた状態で全体を塗り、細かいところはのちに色分けして塗装という大胆かつスピーディーな方法を取っている。

 頭部と胸部はトミー版「キングゴジュラス」のものを使用しつつ、LED発光は独自に搭載。電源となるボタン電池は中に仕込まれ、ヒロイックな外観を保っている。

 そして、もう一つ目を引くのが「ウルトラザウルス」だ。こちらは基地遊びができるような大型ゾイドで、背中には飛行甲板、胸にも格納庫が備わっている。こちらの制作期間は1か月とのこと。

連装砲はコトブキヤのキットで追加されたもの

 こちらも「HMM ゴジュラス」のキットを使用しつつ、トミー版「ウルトラザウルス」のキットを合わせて作成されたもの。重厚感ある造形は当時のキットに近い印象だが、足のパーツや尻尾は「HMM ゴジュラス」のものが使用され、どっしりと構えたものとなっている。

 そして、足先のパーツに関しては3Dプリンターで出力し造形されているとのこと。既存のキットでは難しい造形の再現が3Dプリンターという最新技術によって、モデラーの造形表現を飛躍的に進化させている。その恩恵だけなく、ゾイドへの深い理解と情熱があればこその創作といえる。

巨大感のある足は「HMM ゴジュラス」の足で表現
尻尾の部分も「HMM ゴジュラス」となっている
つま先は3Dプリンターによってつくられている

 また、注目ポイントとしてより1/72スケールなので人間のミニチュアフィギュアとの対比が上げられる。「ウルトラザウルス」は設定として母艦のような機能を備え、搭載機や人の居住スペースなどがある。そして、作例では背中の居住スペースの中まで作りこまれている。

背中にある居住スペース
天蓋部分を取ることができ、中にはミニチュアフィギュアが

 展示でも人間のミニチュアフィギュアが並び、「ゾイド」の世界観が構築されていう。中でも、かつて販売されたチョコスナックのゾイドも展示され、「ウルトラザウルス」に積載される様子や甲板で整備されている様子など、より濃厚なゾイドの世界が表現されている。

甲板には飛行ゾイドの姿が
胸のハッチに小型ゾイドを格納

 こうした人とゾイドの世界は他の展示作例にもあり、輸送ゾイドの「グスタフ」(トミー版)と恐竜型ゾイド「ゴドス」(HMM)を合わせたところでも、「ゴドス」が出撃していく様子が構築されている。

 ジオラマストーリーで展開された「ゾイド バトルストーリー」を彷彿とさせるファンにとっても懐かしくも、様々なドラマが頭に浮かぶものとなっている。

 その他にもタカラトミーより発売された「マスターピース シールドライガー」も展示されている。こちらは動いている姿が見ることができる。

 「ゾイド」シリーズは生誕40周年を迎え、アニメの再放送やイベントの開催など熱気を帯びている。

 5月12日は小中高生招待日ともあり、取材をしている際に子どもたちが展示に訪れ、「ゾイドだ!」という声もあり、世代ごとに「ゾイド」シリーズが浸透していると感じられた。

 「ゾイド」を知っている人でも世代ごとで知らない機体があり、作例展示ではそうした懐かしくも新鮮な発見がある非常に魅力的なものとなっている。