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タミヤ、最新仕様の「16式機動戦闘車C5(ウインチ装置付)」はここが違う
「C1 初年度調達仕様」との見極めポイントもわかる最新キットの変更点を紹介
2023年5月14日 16:23
- 【第61回 静岡ホビーショー】
- 開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)
- 入場料:無料
- 場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
- ※一般公開日の入場受付は終了
タミヤは、プラモデル「1/35 陸上自衛隊 16式機動戦闘車C5(ウインチ装置付)」を、「第61回 静岡ホビーショー」にて初展示した。本キットは7月発売予定で、価格は5,720円。タミヤブースでこのキットの見どころを聞くことができたのでご紹介しよう。
16式機動戦闘車(ひとろくしききどうせんとうしゃ)は2016年から調達が開始され、全国の陸上自衛隊部隊への配備が進んでいる装輪装甲車。主兵装には74式戦車の弾薬が転用可能な国産の105mm砲を装備。8輪の大径タイヤにより、最高速度100㎞/h以上という高い機動性を有しており、有事の際にいち早く駆けつける即応機動連隊の要の車両として知られている。本キットは2020年度から改修製造が行われたものに牽引用ウインチを備えたものとなる。
16式機動戦闘車(以下16式)のキット自体は2018年8月25日に販売が行われている。しかし、戦車同様にこういった装備には常に改修が行われており、この16式も例外ではない。今回のキット名にあるC5とは2020年度に改修製造が行われた最新のモデルを差している。正直なところ、キットだけを見たときには何が変わったのかわからず、間違い探しのように図とにらめっこをしてしまった。そこで、タミヤブースのスタッフに訪ねてみたらC1とC5のキットを並べて丁寧に解説してもらうことができた。メーカーの人から直接教えてもらえるというのもホビーショーならではで貴重な体験だ。
まず初めに、本キットにあるウインチ装置について聞くことができた。これは16式が不安定な足場など、なんらかの状況で動けなくなった際に救出するための装置だそうだ。部隊内に少数配備されているレスキュー車両に搭載されている。本キットではこのパーツが標準で付属しており、取り付ければレスキュー仕様車両として。取り付けなければ通常の16式C5車両として楽しむことができる。組む人の好みやシチュエーションによって組分けられるというのはありがたい。
また、今回のキットでは16式C1の時は省略されていたディティールの追加など、あまり目立たない場所にも細かく手を加えたそうだ。例えば砲塔上部の滑り止めの追加だ。C1では一部の箇所にだけ滑り止めが行われていたが、C5では全体敵に滑り止めが追加されている。おそらく雨の日などに隊員が滑るなどのトラブルがあったのであろう。砲塔後部には新たにエアコンユニットが追加されている。戦車などは居住性が悪いことは有名だが、これを見る感じ、おそらく16式もさほど変わらないのであろう。
個人的に想像を引き立てられたのが薬きょう受けだ。みた感じ形状や大きさが変更されていた。何故ここが気になったかというと、自衛隊では薬莢(やっきょう)の紛失というのがよく話に出てくるからだ。自衛隊では訓練で仕様した薬莢を回収しており、万が一紛失した際は大人数で捜索が行われている。それを考えると、ここにもきっと隊員の苦労があったのだろうなと思われる。こうして話を聞きながらキットをみてみると、ただのモデル違いというだけでなく、そのキット制作までのいろんな想像が掻き立てられてくるのを感じた。
キットでわかるC1初年度調達仕様と、C5最新調達仕様の違い
C5(ウインチ装置付)では砲塔上部などに新たな滑り止めが追加された。素組みされたキットをみるとわかりやすい。C1では砲塔上部が滑らかになっているが、C5(ウインチ装置付)ではざらついた部分が多くあるのが確認できる。
会場に展示された16式機動戦闘車
第61回 静岡ホビーショーの自衛隊広報コーナーでは16式機動戦闘車が展示され、タミヤブースを見たあとならキットと実車の比較もできる。というわけで今回展示されていたC5と比較をしてみた。
説明されて初めて気づけるレベルの改修も新キットでしっかり反映してきてくれるタミヤ。これからもこのキット同様にモデル業界をしっかり牽引していってほしい。