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シンプルながら深い頭脳戦!ワードパズル三目ならべ「the ONE」【ゲームマーケット2024春】

3種類のルールで上達に応じてずっと遊べるスルメゲーム

【ゲームマーケット2024春】

開催日:4月27日~28日

会場:東京ビッグサイト東展示場1,2,3ホール

入場料:1,500円より(時間帯で変動)

 2024年4月27日と28日、東京ビッグサイトで、アークライトが主催するアナログゲームの展示会「ゲームマーケット2024春」が開催された。ゲームマーケットは国内最大規模のアナログゲームイベントであり、今回の2024春は、出展数合計1,064と過去最大規模での開催となった。ゲームマーケット2024春で出展されていたアナログゲームの中から、本稿ではOXtA cubeの新作ワードパズル三目ならべ「the ONE」を紹介しよう。

OXtA cubeの新作ワードパズル三目ならべ「the ONE」。価格は3,850円

3種類のゲームルールで遊べるワードパズル三目ならべ「the ONE」

 OXtA cubeのブースでは、新作のワードパズル三目ならべ「the ONE」の試遊体験と販売を行なっていた。OXtA cubeは、シンプルなルールながら奥が深いボードゲームを得意とするゲーム開発スタジオである。「the ONE」は昨年のゲームマーケットで特別評価版が頒布されていたのだが、今回正式版としてリリースされた。「the ONE」の価格は3,850円だが、ブースでは特別価格3,500円で販売されていた。

OCxA cubeのブース。写真はOXtA cube代表の小川哲也氏
新作の「the ONE」。パッケージもしっかりしている
「the ONE」は特別価格3,500円で販売されていた。また以前発表された製品「カロ三由木其」や「Word Magic Cube」も販売されていた

 「the ONE」は、O、N、Eの3種類の文字が片面に印刷された木製コマを用いて、ワードを完成させるゲームだ。それぞれの文字のコマは3つずつあり、全部で9個となる。基本的なコマの動かし方は共通だが、勝利条件の違いによって「基本編」「応用編1」「応用編2」という3種類の遊び方がある。

 まず、コマをシャッフルし、文字面を下にして枠の中に3×3で並べる。プレイヤーは外側にある8個のコマのどれかを選んで抜き出し、コマを裏返して文字面を上にし、次に空いたスペースを埋めるように抜き出したコマを周囲から押し込む。このときに文字の向きは自由に変えることができ、すでに文字面が上になっているコマをまた抜き出すこともできる。これを順に繰り返していく。

 プレイヤーの数は2人または3人で、最もシンプルな基本編では「ONE」という単語を揃えたプレイヤーが勝ちとなる。このときにポイントとなるのが文字の向きだ。左から右に向けて「ONE」と読めるように並べなければならず、例えば、Nが横向きでZになっている場合は、勝ちにはならない。また、90度ずつ盤面を回転させた状態で左から右に「ONE」と読める場合は、勝利となる。ただし、縦読みや斜め読みはできない。

全部で9個のコマを使って遊ぶ
基本編ではこのように左から右に「ONE」というワードを揃えれば勝ち
90度左に回転させれば「ONE」と読めるので、この状態でも勝ちとなる

 さらに、小アタリという概念があり、同じ文字3個を縦横斜めのいずれかで並べた場合、小アタリが発生する。このときは文字の向きが揃っていなくてもOKだ。小アタリが発生した場合、基本編のルールでは次のプレイヤーがそのターンで「ONE」を作れなければ、小アタリを出したプレイヤーが勝利となる。「ONE」を作ることを目指すが、作れそうにない場合は、小アタリ狙いでいくのも有効だ。

 基本編では作るワードは「ONE」のみだが、応用編1では、ONE以外に、3文字で作れる「ZOO」や「NOW」「NEO」など、全部で9個のワードを作ることが目標となる。作れるワードが書かれたワードカードが用意されており、ワードによってカードに書かれている星の数が違う。ワードの作成難易度によって星の数が1から5まであるが、これは文字の対称軸の多さで決まっている。

 要するに「O」は90度回転のどの向きでも「O」なので、「O」が多く含まれるワードは作成しやすく、星の数が減る。逆に「M」や「E」は、その向きでしか読めないので、「M」や「E」が含まれるワードは難易度が高くなる。「N」は、点対称であり、180度回転しても読めるため、難易度は中間となる。応用編1でも、小アタリは発生するが、その場合、揃った小アタリのコマをすべてひっくり返すことになる。応用編2は、どのワードを作ってもいいというのではなく、ゲーム開始前にジャンケンなどで順番を決め、自分が作るワードカードを1枚選び、そのワードを先に作った方が勝ちとなる。応用編2で小アタリが発生した場合、次のプレイヤーとワードカードを交換するというルールだ。

 まずはシンプルな基本編のルールで遊び、慣れてきたらより難易度が高く、プレイ時間もかかる応用編1や応用編2のルールで遊べることも、「the ONE」の魅力だ。1プレイにかかる時間は、基本編では10分未満、応用編1では約20分、応用編2では約60分となる。

文字の向きは問わず、同じ文字を縦横斜めのいずれかで3つ揃えると小アタリとなる
応用編1や応用編2では、「NEW」や「ZOO」などのワードを作ってもよい
応用編1や応用編2で作れるワードはワードカードとして同梱されている。ワードによって作成難易度が変わるため、それに応じた星の数が設定されている

シンプルなルールだが先読みが重要で頭を使う

 実際に基本編のルールで、ゲームデザイナーの小川氏と対戦してみた。先攻は筆者で、交互にターンを進めていったが、残りの空いてないコマが2つになった時点で、小川氏が斜めに「O」を揃え、小アタリが発生。次の筆者のターンで、筆者が「ONE」を完成させないと筆者の負けとなる。残りのコマは「E」か「N」のどちらかなのだが、中央列上段のコマが「E」なら、それを中央列下から押し込むことで、左に90度回転させれば「ONE」が完成し筆者の勝ちとなるが、「N」が出れば筆者の負けだ。「E」が出ることを願ってコマを裏返したが、残念ながら「N」で、「ONE」を完成できなかった筆者の負けとなった。

まずは、シャッフルして文字面を下にしコマを並べる
最初に表にしたコマは「O」であった
このように外周のコマのどれかを抜き出し、その穴を埋めるように周囲からコマを押し込んでスライドさせる
盤面がかなり進んできたが、「ONE」はなかなかできそうにない
小川氏が「O」を3つ斜めに揃え、小アタリが発生した。次の筆者のターンで「ONE」を完成させないと筆者の負けになる。筆者の勝ち筋としては、中央列上段の裏返しのコマが「E」であることを期待するしかない。「E」が出れば、中央列下から押し込むことで、「ONE」が完成する
確率としては1/2だったが、残念ながら出たのは「N」であり、筆者の負けとなった

 「the ONE」のルールはシンプルなのだが、文字の向きがポイントだ。表向きにしたコマを押し込むときに向きを自由に変えられるので、リーチの状態で相手にターンを渡さないように文字の向きを変更することが大切だ。いかに相手を妨害しつつ、自分のターンで「ONE」または小アタリを作れるかを競うゲームであり、なかなか頭を使う。シャッフルした状態で始めるので、運要素も適度にあり、初心者から上級者まで飽きずに遊べるゲームとしておすすめしたい。