レビュー
ガンプラ「HGUC 1/144 バウンド・ドック」レビュー
2020年11月20日 00:00
ユニークなMA形態への変形も実現、ポーズを取らせる面白さも
腕は巨大なクローがある右腕と、フレームむき出しでシールドが装備された左腕と、肩まで完全に非対称の構成だ。それに対して脚部は股関節以外完全に対称というのも面白い点であった。スカートはモールドに合わせてパーツが分割されているので、合わせ目はまったく目立たない。MA形態時に腕となる脚部を横に出すときに開くパーツにより、MS時に脚を開いたポーズを取らせることも可能だ。
さて気になる変形だが、簡単なようで意外に手順がありコツもいる。スカートの穴はそのままでは本体が通らないので、後ろ半分がハッチのように開き、クリアランスが設けられている。左腕も肩を動かしたり、シールドを連結したりと変形させる必要があり、右腕は上半身をスカートの中に収納した後、折り曲げたクローを股関節の前に収納するようになっている。
MA形態もまたなかなかのボリュームがあり、特に脚部のクローの存在感が素晴らしい。このクローを使って戦う描写は、筆者が確認した限りでは、劇中では1度しかなかったが、「機動戦士ガンダム」のMA「ビグロ」や「グラブロ」をほうふつとさせる。MSの脚部のまま立たせることで、劇中で一瞬だけ見せた姿も再現できる。
組み立てる際の注意点として、はめ込むだけだと外れてしまう小さなパーツがあり、特に背部の小さなバーニアのようなパーツと、膝の黄色の色分けパーツは小さく、変形やポーズを取っているときに飛んでしまわないようにしたい。筆者も背部のパーツは、完成した段階で既に見当たらなくなっていて、必死に探してみると、ランナーの切りくずを捨てたゴミ袋に転がっていたという顛末があった。可動に関連するパーツではないので、接着してしまってもいいかもしれない。
キット化を待ち望んだファンにとっては、プロポーション、サイズ、ギミックともに満足度のいく完成度を誇り、全体的に大きめのパーツは作りやすさも備えていた。ここ数年でさらに充実したHGUCの「機動戦士Zガンダム」のMS達と並べてみるのもきっと楽しいはずだ。現在は品切れとなっているようだが、再版もされることは間違いないので、まだ入手できてない人はしばらく待っていてほしい。
(C)創通・サンライズ