レビュー

ガンプラ「MG 1/100 ガンダムMk-V」レビュー

脚部を組み立てる。白いラインがパーツで再現されているのと巨大な脛部に驚く!

 本誌レビューの際は、左右対称がほとんどの腕部・脚部は片方を組み立てて置き、もう片方の組み立ての様子を掲載することにしていますが、今回の「MG 1/100 ガンダムMk-V」はその巨大さ故か片足分のパーツをカッティングシートの上に並べるので限界になってしまいました。

 そのため、パートを区切って組んでいこうと思います。まずはガンプラフォーマットである内部フレームを中心に組んでいきますが、やっぱり脛部の巨大なパーツが目を引きます。細かく見ていくと脚の付け根、膝関節といった肝になる部分は巨大な機体を支えるべく大きな1パーツで構成されて、剛性も高そうな印象です。

【組み立て:脚部フレーム】
脚の付け根と大腿部をつなぐパーツは引き出し式に見えますが、回転可動のみ可能です

 膝下に不思議なパーツを組み付けますが、これは膝可動の際に後ろ面にあるバーニアユニットを連動稼働させるためのパーツです。固定する軸の位置などを確認しながら組み立あげていくと支点と力点と作用点がわかって構造の勉強にもなります。こういう発見は自分で作り上げていくプラモデルならではの楽しみ方ですね!

【膝の可動域】
そのデザイン上、あまり深くは曲がらないのですが連動ギミックが楽しいところです

 今回のキットのトピックでもある、白いラインを組み付けていきましょう。開発発表時点での印象ではラインのみを薄いパーツで貼り込むんだろうな……と思っていたのですが、実際は“構造材”とでもいうべき厚みのある設計となっていました。組み上げてみるとぴったりと合っていて設計時のCADの進化と金型設計の精度の高さを感じさせてくれます。

【組み立て:脚部装甲】

 足首・ソール、サイドアーマーを組み立てていきます。それぞれ“ガンダム”らしくないデザインではありますね。足首の基部は巨大な機体を支えるべくとてつもなく大きなものとなっていてまったくグラつくこともありません。サイドアーマーも前後のアーマーをも取り込む形で大きくラウンドしたデザインと多層構造になっています。

【組み立て:足と腰部装甲】
腰アーマーの白ラインに押し込む青いパーツには溝1本と溝2本のものがあり、受ける白いパーツにもそれぞれモールドがあり、これでは間違いようがありませんね。設計担当者の気遣いに感謝です
【組み立て:脚部完成】
脚部をくみ上げてみました。前述の通りデザイン上あまり深い可動はしませんがそれぞれのパーツが肉感があり、ディテールがはっきりしていて素直にモビルスーツとしてのカッコよさが伝わってきます

腰部を組み立てる。フロントアーマーの接続方法は特許出願中!

 腰部はとてもシンプルなデザインと構造で、アーマーはフロントにしかありません。このフロントアーマーは2本のアームで接続され、ねじれをも表現できるようになっているのですがこれが特許出願中の機構とのことです。確かにとても表情豊かな角度が付けられるので面白く楽しい機構です。ボディとの接続部は高い保持力を備えた大きなのけぞり関節が用意されていますが装甲を付けていくと制限がされてしまいますがこれは致し方ないところでしょうか。

【組み立て:腰部】
フロントアーマーは2本のアームで接続。それぞれボールジョイントになっているのでねじれも表現できます
アームを折り畳めばかっちりとしたシルエットに収まります
フロントアーマーの表情付けはいったん前へ伸ばして角度を付けて元に戻すとカンタンです

バックパックを組み立てる。インコムはここに装備されています!

 バックパックは推進用機器というよりは兵装ステーションの役割が大きいイメージですね。左右の大きいノズルが目立ちますが極太なビーム・カノン兼ビーム・サーベル、インコムが目を引きます。インコムは引き出し式で射出状態を再現できます。パーツの可動の構造も秀逸で剛性感も高いのでグラつくことなくスムーズに出し入れできます。ビームサーベルの基部はポリキャップを内蔵したとても単純な構造ながら前後左右の2軸の回転を実現しています。元々大きいのもありますがこれで確実な保持と可動を実現しているのがすばらしいです。

【組み立て:バックパック】
バックパック自体は背中というよりはコクピット裏の腰に近い位置にマウントされます。この構造のため、ボディの前屈・後屈もバックパックに阻害されることがありません

装備を組み立てる。シールドの白いラインは構造で再現!

 これまた巨大なビーム・ライフルも各センサー類はシールで再現されていてきらりと光ってアクセントになっています。構造も奇をてらうこともなくガッシリと組めるように設計されています。銃身のカギ爪状のディテールも上からパーツをかぶせる形になっていて合わせ目も出ずに雰囲気ばっちりです。

【組み立て:ビーム・ライフル】
合わせ目がほとんどないすばらしい設計のビーム・ライフル!

 背部に装着することでシュツルム・ブースターとしての機能もあるためか、分厚いデザインのシールドはその白いラインも脚部同様構造物として設計されています。細かいパーツではないのでとても組みやすく収まりもいいのでカッチリ決まって気持ち良い組み立てが味わえます。

【組み立て:シールド】
シールドを構成するパーツはそれぞれがそれぞれを支え合う設計のためグラつくこともなくカッチリ組み上がります

 両肩に全4基のミサイル・ポッドは接続部の組み込みが間違いやすいので注意が必要です。肩の接続部を中心に前後に関節を配置する設計ですが、ミサイル・ポッドの表裏の向き(裏・メカ色が機体内側へ向きます)を確認しながらどちらが前後になるかをよく確認しながら作業を進めていきます。

【組み立て:ミサイル・ポッド/ハンドパーツ】
ミサイル・ポッドのフタは3枚つながっていますが、それぞれを切り離すと個別に動かせそうです。指は親指がボールジョイント、それ以外は付け替え方式でがっちりホールドします。同時にインコム用のケーブルも作っておきました

ニューディサイズ所属の証。デカールを貼り込む!

 他の白いラインは構造でしたが、この白いニューディサイズを示すロゴはデカールでの再現となっています。冒頭で述べた通り、この機体は様々な陣営で扱われているようですので、この部分はデカール処理になったのではないかと想像しています。ということは今後のキット展開にも希望が持てるというものです!この部分のデカールはサイズも大きいのでぜひチャレンジしていただきたいと思います。

【デカール貼り込み】
貼る部分を切り出してぬるま湯につけ、指で押さえながら台紙をスライドさせます。その後指定の位置まで調整して綿棒などで水気を吸い取って乾燥させれば完了です