レビュー

カプセルトイ「スーパーエアホッケーバトル」レビュー

パック自体が浮く!? 超エキサイティングなガチャホビーが登場!!

開発元・販売元:エール

発売日:6月末予定

価格:400円(税込、一回)

ジャンル:カプセルトイ

サイズ:W70×D70×H65mm

 誰しも1度くらいはゲームセンターなどにある「エアホッケー」をプレイしたことがあると思う。かく言う幼少期の筆者も、エアテーブルの上をパックが超スピードで縦横無尽に暴れ回るあの爽快感に夢中になっていた一人だ。

 ヨーヨーやベーゴマなどの遊びしか知らなかった少年があの興奮を味わったら、それはもうエアホッケージャンキーの出来上がりだ。時間やお金を気にせず家で無限に遊びたいという衝動に駆られるのは無理もない話だ。

 コンパクトサイズの家庭用エアホッケーというものは昔から存在していたが、価格は数千円と高価だったため子供に手が届くシロモノではなかったのだ。

 “どれだけ強く望んでも手に入らないものはある”という現実を幼少の頃より突き付けられた訳だが、そんな悲しみを断ち切るべく、とんでもないアイテムが令和の時代に登場した。それが、今回紹介する「スーパーエアホッケーバトル」だ。

 低価格のカプセルトイながら本格的なエアホッケーが楽しめるということなので、さっそく詳しく見ていきたいと思う。

「スーパーエアホッケーバトル」。本体(写真左側)と2つのスライダー(写真右側)がセットになっている
一般的な「エアホッケー」は、基本的に”ボードから吹き出したエアを受けてパックが浮く”という構造になっている(画像はセガ・アーケードゲームヒストリー「ヒートアップ ホッケー イマージュ」より)

400円ガチャとは思えない、ハイテク&本格的な作り込み!!

 商品は、今流行のカプセルレスタイプで、ガチャから出てきた球体がそのままトイになっているのが特徴。大きさは成人の手のひらサイズでなかなかのボリューム感。カラーは「レッド」、「グレー」、「イエロー」、「パープル」の4種類が用意されている。

商品自体がカプセル型になっている
手のひらに乗せてみる。なかなかの大きさ
全ラインナップを並べるととても色鮮やか

 球体の上下に付いているフタを外すと、パックとなるホバーボールと、それを弾くスライダーに分離する。本物のエアホッケーで使用するスライダーに比べれば大分小さいのでグリップのフィット具合が気になっていたが、実際に手にしてみると思いの外しっかり握れて、素振りをしてみても手からすっぽ抜ける感じはしなかった。

 スライダーは2つセットになっているので、本体を1つ手に入れればすぐに対戦できるのはユーザーに優しい設計である。

グリップの形状はそれぞれ異なるが、どちらも悪くないフィット感だ

 ここからはホバーボールをじっくりと見ていく。電源スイッチが付いている底面は電池のフタになっており、プラスドライバーで開けることができる。使用する電池は単4電池2本。最初からテスト電池が入っているのですぐに動かせるのは嬉しいポイントだ。

 令和のハイテクノロジーが詰まった「エアフローシステム」をチェックしていこう。底面にある電源をオンにすると、「ブゥゥーン」と本体に内蔵されているモーターが唸りを上げ、本体上部の穴からエアを吸引し始める。吸い上げたエアは底から排出され、その勢いでホバーボールが浮き上がるのだ。モーターと電池が入っているので当然多少の重さはあるが、そんな物体が空気で浮くのだから「今どきのガチャってスゲー!」と素直に感動した。

 従来のエアホッケーはテーブルからエアを発生させてパックを浮かしていたが、本製品ではパック自体からエアを排出して浮かせるという画期的な作り。エアテーブルいらずで場所を選ばず遊べるのが最大の利点である。

ホバーボールの底。電源スイッチと排気口がある
細めのプラスドライバーで簡単に電池のフタを開けられる

 どこでも遊べるからといって、“テーブルで遊んで傷を付けたら親に怒られてしまう”という少年少女たちもいることだろう。しかしそんな心配は無用。ホバーボールの側面にはクッション材が巻かれ、スライダーの底面にはフェルトシートが貼り付けられている。傷防止の設計がバッチリ施されているので、傷にビクビクせず思う存分遊ぶことができるのだ。

ホバーボールとスライダーの両方にクッションが付いており、傷対策も万全である

想像を遥かに超える、白熱のエアホッケーが楽しめる!!

 一通り本体周りを見終わったところで、ここからは実際に遊んでいきたいと思う。エアホッケーは相手がいないことには始まらないということで、手近にいた妻を対戦相手に遊んでみることにした。

 従来のエアテーブルと違って普通のテーブルにはゴールポケットが無いので、適当な物を互いの陣地に置いて的にし、倒したら勝ちという独自ルールでプレイした。

 相手の的を狙ってホバーボールを弾くと、浮力がしっかり効いていて想像よりも軽い力でスピードが乗ってとても爽快だ。

 遊んでいる場所がごく一般的なテーブルの上なので周りを囲む柵が無く、すぐにホバーボールが場外に吹っ飛んでしまうのではないかと懸念していたが、実際に遊んでみるとテーブルのフチにあるほんの僅かな段にでも引っかかるようになっており、簡単に場外には落ちない作りには感心させられた。

 意外と言っては失礼だが、思った以上に本格的な打ち合いが楽しめるので、互いに自然と熱が入ってプレイしてしまった。

【「スーパーエアホッケーバトル」で対戦! - HOBBY Watch】

 先の対戦で、弾くと結構なスピードが出ることがわかったホバーボール。このパワーを活かして何か別の遊びができないものかと考え、ボウリング的な遊びを思いついた。空のペットボトルをピンに見立ててホバーボールをシュートすると、軽々「スコーン!」と気持ち良くピンを薙ぎ倒すことができた。ボウリングゲームの他にも、「スーパーエアホッケーバトル」を使って色々な遊び方ができそうだ。

【「スーパーエアホッケーバトル」でボウリング! - HOBBY Watch】

 さて、「プレイ台いらずでエンジョイ!!」というキャッチコピーの「スーパーエアホッケーバトル」だが、次は一体どんなところで遊べて、逆にどんなところでは遊べないのかを検証してみた。

 先ほど遊んだようなテーブルでは問題なく遊べるとして、少し表面に凸凹があるマットの上で電源を入れてみたが、エアを排出しているもののホバーボールが全く浮き上がっていない。どうやら真っ平らな場所でないとホバーボールは浮かないようで、畳の上なども試してみたがやはりダメであった。一方で“真っ平らな場所”という条件さえ整っていればテーブルやフローリングの床はもちろん、紙やダンボールの上などどんな場所でもパワフルに浮かび上がる。

 ちなみに、ホバーボールの浮力がどれほどのものなのか、本体の上に何かを乗せてパワーを確かめてみたかったのだが、本体の上に物を乗せてしまうと吸引口が塞がってエアが排出されなくなるので重さに関係なく浮かなくなってしまうようだ。残念!

残念ながら平面ではないところでは遊べない
フローリングの多少の溝程度なら、難なく浮かび上がる

 「スーパーエアホッケーバトル」をいじり倒してきたが、400円のガチャホビーでここまで本気の作りなのには正直驚かされた。”400円のカプセルトイ”ということで、触る前まではそれほど高い期待をしていなかったのが正直なところだが、今回はそんな心持ちでいたら良い意味で期待を裏切る高クオリティの商品であった。これが子供の頃にあったなら、昼夜問わず一生これで遊んでいたことだろう。子供はもちろん、大人にも刺さる面白いアイテムとなっているので、気になった人はぜひガチャコーナーをチェックしてもらいたい。