レビュー

「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX3」レビュー

最強の「矛」と「盾」を備えた「クロスボーン・ガンダムX3」

 ここからは「クロスボーン・ガンダムX3」を紹介していく。まずは、本体にコア・ファイターをドッキングする。劇中さながらのドッキングシークエンスが自分の手で楽しめるのも、立体物ならではの楽しみだ。

【コア・ファイタードッキング】
本体背面の空洞にコア・ファイターを接続

 コア・ファイターとのドッキングが完了すれば、「クロスボーン・ガンダムX3」が完成する。頭部の額には「3」をかたどったマークが造形され、左右に流れる赤い2本のラインも再現されている。

 機体の随所にはマーキングが施され、「METAL BUILD」ならではの濃密な情報量が詰め込まれている。本体の各所にはダイキャストが使用され、露出した関節部分から覗く金属ならではの光沢や手に持ったときのずっしり来る重量も魅力の一つとなっている。

【クロスボーン・ガンダムX3】
胸部のガトリング砲の砲門や肩アーマーの型式番号「XM-X3」が施されている
リアアーマーの一部は取り外しが可能で、「スクリュー・ウェッブ」使用時の状態再現ができる

 そして、暗器のように本体随所に仕込まれた武装の数々も再現されている。「クロスボーン・ガンダム」シリーズならではのケレン味たっぷりのアクションが再現できる。

 前腰部の「シザー・アンカー」や「ヒート・ダガー」の柄が収まった脹脛や刃を展開できる足裏、サイドアーマーのハードポイントなど触れるほどにギミックの豊富さに改めて驚かされた。

 本体はシンプルなデザインでありながら、各所に隠されたギミック展開でアクションの幅を広げる楽しさは、筆者のどストライクのコンセプトであり、いろいろなアクションシーンが脳内を駆け巡った。

【クロスボーン・ガンダムX3のギミック】
放熱時のフェイスオープンが可能
左右の腕部カバーが展開し「Iフィールド発生装置」起動が再現できる
前腰部は「シザー・アンカー」が展開可能
また専用の接続パーツを使うことで「ビーム・ザンバー」を保持した状態が再現できる
サイドアーマーはグレー部分を回転させることで、ハードポイントが露出
武装のマウントが可能となる
脹脛に「ヒート・ダガー」の柄が収納
足裏には「ヒート・ダガー」の接続口が設けられている
「ヒート・ダガー」の刃を接続することで展開が可能

ダイナミックなアクションが可能な考え抜かれた可動

 「クロスボーン・ガンダムX3」の可動はダイキャストによる安定した保持力と広い可動域によって様々なアクションをすることができる。また、肩アーマーは独立可動ができ、腕を大きく振りかぶった状態や肩を寄せた状態を自然な形で表現することができる。

 「クロスボーン・ガンダム」シリーズは白兵戦がメインの機体だけに、可動域の広さが肝になってくる。特に「ムラマサ・ブラスター」の派手な武装はビーム兵装よりも「重さ」を感じさせることが、筆者は必要だと思っている。実体剣である以上、振り回したときの遠心力やその重量を動かす力の流れがアクションの要となってくる。

 その点で「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX3」はその重厚感あるアクションを再現することができる。頑強なダイキャストの構造や豪華な塗装、そして、広い可動範囲がそうしたアクションに活が入る。劇中の活躍を理想的な形でディスプレイできると筆者は感じた。

【可動範囲】
腕部の水平横の可動は約90度ほど持ち上がる
肘関節は前腕部が肩アーマーにくっつくほど動く
肩アーマーは独立可動し、前部の展開や持ち上げによって柔軟に対応可能
頭部は左右への動きと若干の上向きが可能
腰部は左右への動きと上体そらしなどの動きが可能
脚部の水平横可動
股関節部分はスライド機構によって太ももを大きく上げることができ、膝関節も2重関節によって自然な動きができる

武装とギミックが織りなす多彩なアクション

 ここからは「クロスボーン・ガンダムX3」のアクションを見ていこう。

 白兵戦特化の機体らしく「ムラマサ・ブスター」や「ビーム・ザンバー」など刃を振るう姿がヒロイックに映える。フレキシブル・バインダーの変幻自在のビジュアルや、機体のギミックが魅せる驚きの演出が立体物ならではの表現が楽しめる。

 そして、台座の「エレゴレラ」とのディスプレイは、「クロスボーン・ガンダムX3」の初陣を再現することが可能となっている。

 「クロスボーン・ガンダムX3」の仕様に悪戦苦闘しながら戦うトビアと、圧倒的な強さを誇る「エレゴレラ」、そして、トビアの機転と対応力が魅せるアクションの数々が立体物で見れるのは感動的だ。

 劇中の感情をぶつけ合うトビアとクラックス・ドゥガチの掛け合いが頭の中で再生される。

トビア「ベルナデットをはなせーっ!」
ドゥガチ「私は戦争をしているのだよ!」
トビア「クラックス・ドゥガチ! あんたがどう思っていようと…おれのほうは、戦争をやってるつもりなどなーい!」
トビア「ならば海賊らしく…いただいてゆくっ!」

 「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX3」は濃密なディテール再現、幅広い可動、豊富なギミックとオプションパーツによって、最高峰の劇中再現が楽しめる。

 「METAL BUILD」シリーズで立体化されてきた「クロスボーン・ガンダム」シリーズは単なるマイナーチェンジ商品ではなく、それぞれの劇中場面を想起させる武装やギミック再現、そして新規解釈による武装の追加など機体ごとの「キャラクター性」が広がる立体化となっている。

 特に「METAL BUILD クロスボーン・ガンダムX3」は、「エレゴレラ」によって名シーンの再現が楽しめる商品だった。