レビュー

「エヴォロイド ジェットン&エヴォビースト E-レックス」レビュー

E-レックスは肉食恐竜の姿へと変形。格好良さと可愛さが同居するメカだ

 一方のE-レックスは、エヴォロイドコアを内蔵した構造は同じだが、頭部に変形のためのギミックが組み込まれていて、、恐竜形態時のアゴやシッポなどコアに組み付けていく設計で、組み立てるときの感触がジェットンと異なるのもポイントだ。頭の飾りは2種類付属していて、取り外したときも含めて見た目の異なる姿を楽しめるようになっている。

E-レックスのB2、C2パーツ。2枚のAパーツはジェットンと共通なので割愛する
E-レックスのD2、E2、F2パーツ
E-レックス用シール。こちらもホイル仕様
E-レックスの組み立て。ジョイントを内蔵した後頭部を組み立てる
組み立てた首と、恐竜形態時の目のクリアパーツを頭部パーツで挟み込む
マスクは後ろからクリアパーツを取り付ける。シールを貼ると、このクリアパーツは見えなくなる
上あごの内側にマスクと牙のパーツを取り付ける。牙のパーツにもシールを貼っている
頭頂部の飾りを取り付け、マスクを下に引き出して頭部が完成
もうひとつの飾りを付けた姿。モヒカンのようなワイルドな見た目となる
腰のフレームはジェットンと同じで、左右に開く構造だ
組み立てた装甲とシッポを腰フレームに取り付けて腰部が完成
ジョイントを取り付けた状態のエヴォロイドコア。ジェットンと同じだが、一部使用しないパーツがある
胸部左右の飾りと、恐竜形態時のアゴとなる胸部装甲を取り付ける
完成した腰部を取り付け、胸部装甲とシッポを折りたたむ
腕の組み立て。ヒジと腕を組み立てて、肩の装甲で挟む
手首と2つの飾りを取り付ける
両腕が完成。肩の先端と左肩のビースト軍団のマークはシールだ
脚の組み立て。スネのパーツを別パーツのピンで止める
スネと付け根の関節を太もものパーツで挟み込む
足首を付けて脚の完成。写真は両脚を組み立てたもの

 完成したロボット形態は、ツノや牙などが目立つワイルドなイメージ。武器が斧なのもその雰囲気に合っている。顔はコミカルに描かれたコミックとはひと味違う、目鼻口のあるイケメンで、ロボット然としたジェットンとはかなり雰囲気が違っている。こちらも変形は差し替えなしの完全変形で、顔がスライドして口の中に隠れたり、胸部装甲が恐竜形態のアゴになったりする、変形プロセス時に味わえるギミックが楽しい設計だ。

全てが完成したら、胴体にそれぞれを組み付けていく
E-レックスの完成。ジェットンよりもがっしりした印象を受ける
背面。背中には折りたたまれたシッポがある。頭の飾りは後ろから見ると肉抜き部分が少々目立つかもしれない
武器は斧。刃の部分にはシールを貼っている
斧はシッポの内側に収納ができる
恐竜形態への変形。腕を関節ごと後ろ側に持っていく
シッポを下げて脚を腰フレームごと左右に開く
脚を回転させて角度を変え、胸部の装甲を開く
本体の向きを変えて脚を下ろし、頭部を前方へと向ける
ロボット形態の顔をスライドさせて奥にしまい、アゴとなる部分を閉じ、武器を背中にセットして恐竜形態の完成
恐竜形態背面。ピンと伸びたシッポが可愛くもある
アゴは開閉して表情を付けられる。恐竜形態時の目はクリアパーツだ

 大河原氏の新規デザインによるメカをコトブキヤの技術によってイメージを損なわずに立体化し、完全変形が可能な設計や、低年齢層にもアピールできる仕掛けなど、シリーズ第1弾としてそのあたりもしっかりカバーできた製品になっている印象を受けた。

コトブキヤのニューフライングベースの他、3mm径ジョイントのスタンドが使用可能。写真では他社のものを使っている
プログレスボディをはじめとするM.S.Gシリーズや、同社の他のアイテムとも組み合わせて楽しめる
ジェットンとE-レックス。変形後の姿に合わせて、スタイルもかなり違っている

 ここまであえて触れずにいたが、大河原氏やときた氏といったクリエイターの起用や、変形機構を備えた設計、敵味方で異なるコンセプトのデザイン、そしてシリーズ名などから、1980年代にニットーによって展開された「大河原邦男おもしろメカワールド オモロイド」をオマージュしていることが見て取れる。現在このオモロイドは、リープロからリブート商品が企画中とのことだが、両社のTwitterでは、企画中のそれぞれの完成品が並べられた写真がアップされていて、いい形で互いを意識した様子が見て取れ、今後のコラボなどにも期待がかかるところだ。

 完成度や変形の楽しさ、コンセプトなど非常に素晴らしい商品なのだが、気になったのはやはり価格で対象年齢が8歳以上と考えるとやや高額な印象を受ける。作ってみれば価格通りのクオリティがあるのは間違いないので、大人が好みの改造を施して楽しむ、もしくは親子で一緒にのんびり楽しむというスタイルがオススメだろう。

やはり敵味方で対峙するシーンが楽しい。両勢力の仲間も早く欲しい!

 価格帯のことはひとまず今後の展開に期待をかけるとして、まずは今回のシリーズ第1弾は作って遊んで楽しめるプラモデルとして完成していた。シリーズは既に第3弾まで発売が決定していて、そのデザインも両勢力ともに実に魅力的で、並べるのも楽しくなりそうだ。オモロイド世代にグッとくるのは間違いないが、知らない世代でも、大河原氏のデザインが好きなら必ず楽しめると思うので、好みのメカがあったらぜひ手に取ってみることをオススメしたい。