レビュー

ガンプラ「MG 1/100 ガンダムヴァーチェ」レビュー前編

こんな早期にナドレの機体をMGで晒してしまうなんて……万死に値する!

【MG 1/100 ガンダムヴァーチェ】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2021年11月27日

価格:8,800円(税込)

ジャンル:プラモデル

全高:約190mm

 今回レビューするのはガンプラ「MG 1/100 ガンダムヴァーチェ」です。この機体は「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」に登場するガンダムマイスター「ティエリア・アーデ」が搭乗する機体で、そのガンダムらしからぬスタイリングを始めどういった役目を背負わされているかなどとても謎多き機体です。

 劇中登場時からそのデザインは“ガンダム”でありながら重装甲・重モビルスーツに属するスタイリングで“増加装甲”をまとっていることは確実と思われていました。ここぞとばかりに装甲をパージし解き放たれた中のモビルスーツ“ガンダムナドレ”の登場シーンとそのシルエットはファンの想像のナナメ上をいく内容で、放送を見ながら驚きの声を上げたファンも多かったのではないでしょうか。なにせモビルスーツが“髪の毛”を生やしていたのですから……。

【MG 1/100 ガンダムヴァーチェ】
重・軽のコントラストが印象的なスタイリングを持つモビルスーツ。“毛髪”をも想起させるコードの束が圧倒的なオリジナリティを感じさせる

 装甲をまとった“ガンダムヴァーチェ”に於いてはその重装備にも目を奪われてしまいます。“ガンダムエクシア”、“ガンダムキュリオス”、“ガンダムデュナメス”は細身で突撃アクション主体の機体ですが重装備の“ガンダムヴァーチェ”はGNフィールドを周囲に展開して防御壁としつつ、部隊後方からある意味“砲台”になって遠距離からの援護を行います。設定ではGN粒子を用いる機体重量は相当軽くなるとのことです。

【MG 1/100 ガンダムヴァーチェ】
巨大な“GNバズーカ”、“GNキャノン”が迫力満点

 装甲をパージした“ガンダムナドレ”では装甲はほぼないに等しく、戦闘能力は低いものの「トライアルシステム」という、私設武装組織「ソレスタルビーイング」の創始者“イオリア・シュヘンベルグ”の計画遂行が破綻しそうな場合に、組織の中核にある量子コンピューター“ヴェーダ”の配下にあるモビルスーツすべてを制御下に置くことができるシステムを搭載しています。

【MG 1/100 ガンダムナドレ】
“トライアルシステム”で戦場を支配できるガンダム
【第1話|ガンダム00【ガンチャン】】

 それではこのキットについて見ていきたいと思います。「機動戦士ガンダム00」ファーストシリーズのMG(マスターグレード)での展開は2009年07月の「MG 1/100 ガンダムエクシア」が初であり、実に12年を経て始めて4機のガンダムがMGで揃うことになりました。ちなみに「MG 1/100 ガンダムデュナメス」が2019年3月、「MG 1/100 ガンダムキュリオス」が2020年5月発売でした。

 この4機は“第3世代ガンダム”と称される世代のガンダムとして“GNフレーム”というほぼ共通のフレームを持つ構造となっていて、キットでもGNフレームというタグが付いたランナーが使われています。つまり、2009年のエクシアのキットからつながっているものであり設定を活かした構成になっていることも共通性やストーリー性を感じさせてくれる内容になっています。

 当初、刹那の乗るガンダムのみがキット化されていたのですが2019年からそれ以外のガンダムもキット化されていたのでヴァーチェもいつか……と思っていたところで2021年11月ついに発売となりました。筆者も量販店に並んで入手してきましたので2009年から2021年までのガンプラの進化を感じながら組んでみたいと思います。ナドレの髪はどんな感じか、重装甲で関節に問題は出ないか、気になるところいっぱいですので早速組んでいきましょう!なお、ほぼ2体分のボリュームとなりますので前後編でお送りいたします。前編はガンダムナドレ、後編は増加装甲を取り付けたガンダムヴァーチェを主に扱います。

パッケージを確認。ほぼ2体分の内容はその組みごたえもたっぷり

 それではパッケージ内容を見ていきましょう。ざっと眺めてみただけでもその物量はさすがマスターグレード、さすがヴァーチェ、と言ったところでしょうか。ランナーはA~Qの17種、27枚を誇ります。他にビームサーベルランナー、ホイルシール、テトロンシール。ホログラムパーツ。組立説明書という構成です。

 MGといってもとにかく細かいパーツ分けはされておらず、なるべく大きいパーツで構成することで組みやすさを追求しているように感じられます。これはここ最近のガンプラのトレンドとも言える設計で組む側としてもとてもありがたい仕様だと思います。

【パッケージ構成】
パッケージは大型のものになります
Aランナー ナドレ外装
Bランナー GNフレーム
Cランナー GNフレーム 2枚
Dランナー ナドレ外装 2枚
Eランナー ナドレ外装
Fランナー クリアーパーツ
Gランナー 主にGNコンデンサー、アンテナ
Hランナー ナドレフレーム
Iランナー ナドレ髪パーツ
Jランナー エフェクトとシールド他
Kランナー ヴァーチェ外装 いろプラ
Lランナー ヴァーチェ武装
Mランナー ヴァーチェGNコンデンサー外装
Nランナー ヴァーチェメカ
Oランナー ヴァーチェ装備
Pランナー ヴァーチェ装備
Qランナー ヴァーチェ外装
組立説明書、シール2種、ホログラムシート、サーベルランナー
ホログラムは光の当たり具合でキレイに光ります

組立開始。ナドレは細身だと思っていたけれど……

 それでは早速組み立てていきましょう。まずはGNドライブから組んでいきます。ガンプラには別売の「LEDユニット」というものがありまして、それを組み込むことで配線もいらずに電飾を可能にしてくれる優れモノです。組立説明書によると「緑」が指定されているのでそちらも取り寄せておきました。

【組立:GNドライブ】
ガンプラ用LEDユニット2個セット(緑)[価格:1,210円]。使うのは1つです
さらに別売のLR41電池を2個使うのですが、電源スイッチの接触があまりよくありませんので通電チェックは必須です
電極の位置調整を行いながら組み込みます
GNドライブと太陽炉(ボーナスパーツ)の2つが組み上がります
まずは太陽炉を組みます
太陽炉には電飾はありません
LED組み込みのGNドライブを組み上げます
LEDユニットを回転させればON/OFFできるのですがまだ調整が必要そうです
調整は後程行うとして、2つ出来上がりました