レビュー
「DX超合金 VF-31AX カイロスプラス(ハヤテ・インメルマン機)」レビュー
決戦に向けて強化された機体! 上腕の改修でよりマッシブなシルエットに!
2022年1月9日 00:00
- 「DX超合金 VF-31AX カイロスプラス(ハヤテ・インメルマン機)」
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売:2021年12月25日
- 価格:25,300円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
- 全高:約260mm(バトロイド時)
- 主な素材:ABS、ダイキャスト、PVC製
BANDAI SPIRITSが2021年12月25日に発売した「DX超合金 VF-31AX カイロスプラス(ハヤテ・インメルマン機)」は、劇場アニメ「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」に登場した機体をモチーフとした商品だ。
「DX超合金 マクロス」の「VF-31」をモチーフとした商品は主要キャラクターが搭乗するΔ小隊の5機に加え、主人公機であるハヤテ機はTVアニメ後半に登場した「VF-31J改」、「フォールドプロジェクションユニット装備」など多数の商品展開が行なわれている。弊誌でもいくつかのレビューを掲載している。
今回の「VF-31AX カイロスプラス」は設定的に決戦に向けて「ジークフリードのスペアパーツを掛け合わせた」として様々な強化装備が搭載されている。商品もこれまでのものとは変わった点がある。今回のレビューでは“改修された機体”として、これらのポイントと魅力を紹介していきたい。
大きくなったフォールドクォーツが輝くファイター形態
VF-31という機体は、「カイロス」と「ジークフリード」という2種類の機体がある。まず、試作機だった「YF-30クロノス」の制式採用機として「VF-31 カイロス」が生まれる。この機体はYF-30で採用された様々な技術を活用し、特に「マルチパーパスコンテナ」という多目的コンテナを装備することで、様々な任務に対応できるという特徴がある。
「VF-31 ジークフリード」はカイロスを母体とした特別機だ。その主任務は戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の護衛である。機体の最大の特徴は現時点で人類が生産できない「フォールドクォーツ」という希少物質を使ったフォールドウェーブシステムを持ち、ワルキューレの歌声から発せられるフォールドウェーブを増幅、中継し、自身のクオーツと共鳴させることで機体性能も大きくアップさせられるという特徴を持っているのだ。このシステムに合わせ機体構造やエンジンが強化されている。
ワルキューレと共に大気圏内での任務が多いために主翼はカイロスのデルタ翼から運動性の高い前進翼を採用。装備に関してはワルキューレの援護用のものになっているので、純粋な火力ではカイロスより抑えられている。派手なカラーリングは市民に対し存在をアピールし、戦闘や暴動に巻き込まれた市民を安心させる効果を狙ってのものだ。
そして今回の「カイロスプラス」は「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」で現われた新たな敵の前に破損したジークフリードの緊急代替機として急遽準備された機体だ。カイロスをベースにジークフリードのスペアパーツをふんだんに投入することで、ジークフリードを超える能力を目指した機体となっている。フォールドクォーツもジークフリード以上の量を搭載、火力も増している。今回はシリーズ最初の商品である「DX超合金 VF-31Jジークフリード(ハヤテ・インメルマン機))(以下、「ジークフリード」)」と並べてその違いも見ていこうと思う。
「マクロス」の可変戦闘機の最大の魅力は「ファイター」、「ガウォーク」、「バトロイド」への3段変形だ。まずはファイター形態から。“可変戦闘機”という名前の通り、マクロスのバルキリーはやはり戦闘機形態がカッコイイ。「DX超合金 VF-31AX カイロスプラス(ハヤテ・インメルマン機)(以下、「カイロスプラス」)」の場合、カラーリングは灰色も配され“軍用機”としての雰囲気が強くなっているように感じる。機体の背中にはハヤテのパーソナルマークが描かれている。
このシリーズは全身のマーキングなど情報量の密度が非常に高いのが特徴だ。「カイロスプラス」は機体の白い部分も塗装された全塗装となっている。塗装やマーキングもメリハリがきいていて、眺めているだけでも楽しい。そして「ジークフリード」と並べることで、本機の特徴がはっきりと見えてくる。
「カイロスプラス」と「ジークフリード」は翼の形が違うのが大きな特徴と言える。コクピットハッチも「カイロスプラス」は透明度の高いものとなっており、パイロットフィギュアが確認できる。また機首の後ろにあるフォールドクォーツが大型化している。透明パーツが使われ、内部が透けて見えるのが楽しい。
また機体の下部に取り付けるガンポッドのデザインが違う。このガンポッドはカラーリングやデザインがライバル機である「Sv-262 ドラケンIII」のものを思わせるところが楽しいところだ。「カイロスプラス」は決戦のためカイロスにジークフリードのスペアパーツを現在ある分だけ盛り込んだ現地改修機だ。ライバル機の武装まで取り付けているところに急造した感じがあって楽しい。
腕やコンテナなど違いがより明確になるガウォーク形態
ガウォークに変形させていこう。まず翼から足ユニットのロックを外し、曲げていく。飛行機から突然足が生えてくるという、バルキリーならではの変形が楽しい。VF-31シリーズの変形の特徴は腕が翼内部に収納されているところ。カバーを取り外すことで手のひら部分が現われ、腕と翼を動かすことでそれぞれを分離させる。
そのまま腕の付け根のジョイントを動かして一気に腕を機体前面に持ってくる。上腕部分を回転させ、前腕部分の装甲板とミニガンポッドの位置を調整する。肩ユニットを機体からスライドさせ回転させることで、腕の変形が完了する。足も関節を引き出し、特徴的な逆関節に折り曲げる。
最後はウェポンコンテナの展開である。「カイロスプラス」は「ジークフリード」と全く異なるコンテナを搭載している。長細い箱に銃口をつけただけのようなコンテナだが、基部が展開し、懸架したガンポッドと2連装のビーム砲のような形になる。ガンポッドを伸張させることでさらに派手さが加わる。これでガウォークへの変形は完了だ。
ガウォークで明らかになるのは、「カイロスプラス」の上腕のボリュームである。「ジークフリード」は翼に腕を収納するデザイン上、上腕が細くなっていた。「カイロスプラス」ではここに手を加え上部を太く、肘部分に装甲板をかぶせるという処理で上腕の印象を変えている。この処理はバトロイドのシルエットでさらにはっきりと現われていくこととなる。
戦闘機に手足が生えた様なガウォークは「マクロス」の世界観を象徴するSFメカらしい姿と言える。人型であるバトロイド以上の機動性と、自由度の高い手足を持ったガウォークはアニメでも印象的なシーンが幾つもあるし、「マクロス」のゲームでも使い勝手の良い形態となる場合が多い。飾っていても手足の表情付けで雰囲気が変わるのが楽しい。一目見て「マクロスのメカだ」とわかる特徴のある形態だ。
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