レビュー

「固定スライドガスガン LCPII」レビュー

小ささの魅力に加え、「狙って、撃ち、当たる」というエアガンの本質を実感できる!

【固定スライドガスガン LCPII】

3月4日発売

価格:8,778円(税込)

全長:131mm

重量:265g(空のマガジンを装着した場合)

装弾数:10発

素材:ABS

 東京マルイが3月4日に発売した「固定スライドガスガン LCPII」は、全長131 mmという手のひら大のサイズで、他のガスハンドガンに負けない射撃性能を持つ小型ガスガンだ。北米で護身用として人気のある実銃「ルガー LCPII」をモチーフに、コンパクトさ、カッコ良さを追求している。

 今回、本製品の特徴、外観の面白さ、感触、シューティングレンジでの実射の実感など様々なポイントを語っていきたい。小ささと本格的な実射性能を兼ね備えた本製品はコンパクトなガスガンとして、気軽に、そしてしっかり遊べる製品となっている。

【固定スライドガスガン LCPII】
固定スライドガスガン「コンパクトキャリーシリーズ」第3弾として登場した「固定スライドガスガン LCPII」。ルガーLCPIIをモチーフに、ガスガンの楽しさを広げる東京マルイの新しい提案だ

 なお、本製品の「イメージ」としては、本製品と同じ「コンパクト・キャリー・シーリーズ」として発売されている「固定スライドガスガン LCP」、「固定スライドガスガン BODYGUARD 380」のPVを見て欲しい。小さな銃だからこそ際立つガンアクション、こういった雰囲気を楽しむ銃としても「固定スライドガスガン LCPII」はぴったりの製品だ。

【東京マルイ【コンパクトキャリーガスガン】LCP/ボディガード380】
シリーズNo.1「LCP」と、No.2「BODYGUARD 380」のPV。コンパクトな銃をテーマに緊張感のあるドラマを演出している。こういった屋内戦のサバイバルゲームも楽しそうだ

改良が加えられた最新モデル「LCPII」を再現! 握ってわかるしっかりとしたホールド感

 LCPは「Lightweight Compact Pistol」の略。実銃のルガーLCPIIは、LCPからコンパクトキャリーガンというコンセプトを継承しつつ、様々な改良を加えている。LCPにはなかった「弾を撃ち尽くしたときにスライドがオープンしたまま保持され、弾切れを射手に伝える」というスライドオープン機能は使い手を考えて追加された機能だ。この機構はマガジンも関係しており、実銃のLCPIIのマガジンはLCPのマガジンも使用できるが、その場合はスライドオープン機能は使えなくなるという。

 トリガーにはグロックシリーズなどでも採用している「トリガーセイフティ」機能を採用。トリガーの真ん中にセイフティがあり、これをトリガーと一緒に握り込むことで引くことができるようになる。暴発を防ぐだけでなく、直感的にセイフティを解除できる仕組みだ。また、LCPに比べスライド後部のリアサイトが目立つデザインになっており、対象への照準もしやすくなった。

【LCPII】
銃の右側面。131mmの手のひらサイズのとても小さな銃だ
手で握ってみる。マガジンの先端が薬指にかかりしっかりと握り込める

 デザイン上の大きな違いはグリップだろう。メカニカルな雰囲気も感じさせる独特のデザインは、弾丸の発射の反動で手の中で暴れようとする銃を抑えるもの。LCPのグリップはオーソドックスよりだったが、LCPIIのグリップは未来的な印象も与える。LCP同様ハンマーは内蔵式で、銃を引き抜くときに服に引っかからないようになっているところも、コンパクトキャリーガンとして重要な部分だ。

 東京マルイの「固定スライドガスガン LCPII」はこのLCPIIの外見を再現。その名の通りスライドは可動しないものの、コンパクトなガンの雰囲気を忠実に再現している。スライド右側の排莢口のカバーには「380 AUTO」の文字が確認できる。実銃のLCPIIは、「22LR(ロングライフル弾)」と「380ACP(オートマチック・コルト・ピストル弾)」の2タイプがある。22LRは10発+1発(薬室内に弾丸を装填したままマガジンがフルの状態)、380ACPの場合は6+1発装填可能。380ACPは中型拳銃向けの弾丸だが、装弾数よりも弾丸の威力を重視したモデルといえるだろう。

【LCP】
こちらは前身モデルである「LCP」をモチーフとした東京マルイの「固定スライドガスガン LCP」。比べるとデザインが大きく変わっているのがわかる。数々の改良も加えられている。ちなみにガスガンの性能としてはLCPIIと変わらないので、純粋にデザインで選んでも良いだろう。こちらも「II」とは違った魅力がある

 「固定スライドガスガン LCPII」は重さは265g、実銃より30gほど軽いが小型拳銃としてリアリティのある重さだ。手で握り込むとグリップは小指部分が余るが、マガジンの底面デザインが薬指にしっかり引っかかり、弾丸を発射したときの銃の跳ね上がりを抑えるようになっているのがわかる。手で握ったときの握り心地は小さな見た目よりかなりしっかりしている。このデザインなら380 ACPの反動も抑え込めそうだ。

 LCPIIならではのデザインはやはりグリップ部分が見所だ。独特のラインで分割され細かく滑り止めが施されたグリップは他の銃にはない特徴を感じる。翼を広げた鳥の姿のルガーのマークも楽しい。あえてLCPと並べて比較をしてみるのも面白いだろう。

 ガスとBB弾を装填できるマガジンはダイカスト製でしっかり重い。金属製のマガジンは冬場でも手で握ることで暖めやすい。マガジンにはBB弾を10発装填可能。底面にはガスの注入口がある。グリップのマガジンリリースボタンを押すとマガジンは自重で落下。マガジンを挿入するときの「ガシャ」という音も非常にカッコイイ。

【ディテール】
銃身。はっきりとしたフロントサイト、角張ったフォルムはかなりモダンな雰囲気
トリガー。中心がセイフティで、一緒に握り込むことでセイフティが解除される
特徴的なグリップ。手のひらにしっかり食い込み滑らない
380ACP弾を撃つモデルを再現
リアサイトはLCPと比べ強調されたデザインとなっていて、照準がつけやすい。またハンマーは内蔵式なので、引き抜くときに服に引っかからない
マガジン。底面のデザインは握り込むときにしっかりと薬指が引っかかるようになっている。BB弾を入れやすいように溝の一部が丸くなっていて、ここからスムーズにBB弾を入れられる

 本製品においてはやはり「小さな銃を手に持っている」という実感が最大の魅力だろう。小型オートは本当に「銃の玩具」に見える。しかし「固定スライドガスガン LCPII」は内部に他のガスハンドガンに負けない発射機構と実射性能を実現させたメカニズムがあるのだ。このメカがぎっしり詰まった感じが手に取るとしっかり実感できる。その重みや、銃口の金のバレルなど様々なところから「本格的なガスガン」であることがわかる。

 そして「固定スライドガスガン LCPII」はやはり射撃することでその性能を本当に実感できるのだ。今回は秋葉原のシューティングレンジ「TARGET-1」でその性能を確認してきた。まっすぐ飛び、しっかり当たる、ガスガンの楽しさを実感してきた。次ページで動画とともに紹介していきたい。

【他の銃との比較】
上は同じく東京マルイの「ガスブローバックガン グロック17Gen4」。グロックは中型のオートだが、並べるとLCPIIの小ささがわかる
上はエム・アイ・イー総研アクション事業部のモデルガン「LIBERTY CHIEF .38special」。実銃として比較した場合、リバティーチーフは1960年代に携行性を主眼において人気を博したが、LCPIIはより小さく、装弾数はリバティーチーフの6発より1発(22LRモデルならば4発)多く弾が込められる