レビュー
フィギュア「閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア」レビュー
無自覚に2人の男の運命を握る"魔性の女"ギギの魅力の詰まったフィギュア
2022年4月27日 00:00
- 【GGGシリーズ 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア】
- 4月15日発売
- 開発・販売元:メガハウス
- 価格:15,180円(税込)
- 全長:約210mm
- 素材:PVC・ABS
メガハウスが発売したフィギュア「GGGシリーズ 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア」は、映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のヒロイン・ギギをモチーフとしたフィギュアだ。
富野由悠季氏が原作小説である「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を書き上げたのは1990年。30年も時を経ての映像化された本作のギギは、妖艶に、謎に満ち、そして時にこちらを驚かせるほどに幼い表情を見せ、多くの観客を魅了した。フィギュアはその魅力に迫る製品となっている。
レビューではギギというキャラクターを掘り下げた上で、フィギュア「閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア」を様々なポイントをチェックしその魅力を紹介していきたい。
かわいらしく、謎めいて、危険な感じ……。ギギの魅力を表現したフィギュア
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の物語は、地球に住むすべての人間を地球から追い出そうという理念を持つテロリスト組織「マフティー・ナビーユ・エリン」のリーダーである組織と同じ名を持つマフティーと、テロ組織・マフティーを壊滅させるため地球に降り立った地球連邦軍の大佐・ケネス・スレッグの戦いを描く。
マフティーの正体は「機動戦士ガンダム」からの主要人物であるブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアである。「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は"シャアとアムロの物語"の後日談としてその後の宇宙世紀が描かれていく。
ギギ・アンダルシアは、本来連邦とテロ組織の戦いに全く関係のない少女だ。彼女は"20にならない小娘"でありながら、80歳を超える大富豪の伯爵の愛人である。ギギは伯爵のために香港の別荘に向かうシャトルの中で、ハサウェイとケネスという2人の男と運命的な出会いをする。
ギギは本人すら自覚できない鋭い直感力を持っており、出会った瞬間「ハサウェイはマフティーだ」ということがわかってしまう。しかしそれをハサウェイに告げたとき、自分が彼の"命"を握っていることを始めて自覚し、うろたえるというような、彼女自身が力に振り回される危うさを見せる。そしてハサウェイに惹かれながら、テロの恐ろしさにケネスにすがりつくというように、2人の間を揺れ動くのだ。
彼女の存在は"運"という不確かな存在として、ケネスとハサウェイの戦いに影響を及ぼしていく。ギギという"ファンタジー"が地球連邦軍とテロリストという戦いに独特の物語性をもたらしていくのだ。この奇妙な三角関係が、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の注目点の1つなのである。
映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」ではギギはとても魅力的な女性として描かれている。透明感と妖艶さを併せ持つ雰囲気、したたかさと、無邪気さ、自身の直観とそれに振り回される恐怖……。場面ごとに意外な反応を見せ観客を惹き込んでいく。映画製作に当たり製作スタッフはかなり細かく人物を分析し、こだわりの演出を行なっている。そういったスタッフの熱意を受け止めてギギを演じたのが声優の上田麗奈さん。時に子供っぽく、時に妖艶に演じる彼女の声が、ギギの魅力を増している。
フィギュア「閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア」は、ギギの姿を全高約210mmのフィギュアとして再現。こちらにくるりと振り向いた動きのある長い金髪、纏ったマント、すらりと伸びた足、細い手首、何より表情が印象的なフィギュアとなっている。ちょっと面長に感じるバランスもあるが、ギギの雰囲気もきちんと表現したフィギュアと感じた。
まずは全身を見ていこう。スカートから伸びる足は長く、すらりとした印象を与えるプロポーションだ。半透明素材のマント、白いスカートはしわの表現など複雑な造型だ。白い服、細い手足、白い肌に、透けるような色合いの金髪と、全体的に彼女の持つ"透明感"が伝わってくる。体を抱くようにした手や、背中越しにこちらを浮いたポーズなどはちょっと"近寄りがたい感じ"もある。
細部を見ていこう、やはり注目点はその表情だ。フィギュアの表現としてシンプルと言えるが特徴を捉えている。最も印象的なのはその瞳の中の赤いラインだろう。キャラクター表現として瞳は様々な要素が入るが、この赤い差し色はとても印象的だ。青い瞳に赤いハイライトが、ギギをただ者でない感じ、美しいが、それだけではない、何かを感じさせる。"魔性"を感じさせるものがある。
フィギュアは角度を変えると雰囲気が変わる。ギギは振り向いたポーズをしているが明確にそちらに目を向けているわけではなく、手の動きも考え事の途中にふと注意を惹かれた、と言う感じだ。明確にポーズを取っているわけでなく、自然な行動を切り取ったように見える。フィギュアを回転させたり、見上げてみたり、その表情の咲に何かあるか、角度で野のように印象が変わるか見たくなる。
服装も細部を見るとかなり変わった感じだ。上半身の服は大胆に背中が出ている。それでいながら首元はしっかり覆われている。スカートはシンプルだが、羽織ったマントは2枚の布が背中で結ばれ、むき出しの背中を隠すようなデザイン。一見清楚なようにも見えるが、細かくチェックするとセクシーさがある、ギギらしい服とも言える。
それでいながら、足下の茶色いリボンは子供っぽさを感じさせる。その下のハイヒールはこれで本当に歩けるのか、というような角度ではあるが、色合いはおとなしめで、アクセントになっている。また、むき出しの足にも目が惹かれる。若く健康的な女の子ならではの大胆さを感じさせる。
本製品は取り外せる部品などないが、このマントが外せるようにできたら、かなり印象が変わったと思う。マントで体を隠す感じが、ギギの警戒心を現わしているようにも感じるが、この服は"その下"を見たくなる。色々な角度からそれを確認できるのもフィギュアの楽しさだし、ギギの持つアンバランスさを表現していると感じた。
映画内でも印象的な、ギギというキャラクターを象徴するアイテムとして耳飾りがある。赤い三角形の飾りはフィギュアでも目を惹く。ただ個体差かもしれないが、筆者の製品は左側に塗りむらが生じてしまっていた。また髪に張り付いている造型はフィギュアの大きさからしかたがない部分かもしれない。できれば別パーツで金属の鎖でパーツをつけておいて欲しかったところだ。髪に張り付く造型によって動きもきちんと表現しているのだが、王少し大きいサイズでしっかり造型して欲しいと感じた。
次ページでは、いくつか背景を変えて撮影したい。ギギには花が似合う。背景を変えることでフィギュアの魅力が増すところも注目して欲しい。
(C)創通・サンライズ