レビュー

「固定スライドガスガン カーヴ」レビュー

湾曲したボディ、未来的なデザインに、コンパクトさ、ユニークなコンパクトガン

【固定スライドガスガン カーヴ】

6月2日発売

価格:8,770円(税込)

全長:132mm

重量:292 g(空のマガジンを装着した場合)

装弾数:10発

動力源:専用ガス

弾丸:6mm BB(0.2g)

 東京マルイが6月2日に発売する「固定スライドガスガン カーヴ」は、同社のシリーズ第4弾、コンパクトでありながら高い実射性能がウリの製品だ。全長132 mmと手のひらサイズでありながら、良く飛び、当たる射撃性能はサバイバルゲームのサイドアームや、"スーツを着てのスパイ風の戦い"などユニークな限定ルールでも使えるだろう。

 特に「カーヴ」はその近未来的なデザインでSF的な雰囲気もあり、独特の魅力がある。今回は「固定スライドガスガン カーヴ」のデザインを細かくチェックし、その実射性能をレビューしていきたい。なお弊誌ではシリーズ第3弾の「固定スライドガスガン LCPII」、第1弾の「固定スライドガスガン LCP」もレビューしているので、併せて読んで欲しい。

【東京マルイ「固定スライドガスガン カーブ」。コンパクトで近未来的なデザインを堪能する】

カーブするボディ!? 近未来な雰囲気も楽しいデザイン

 本製品のモチーフとなる実銃はトーラス社が開発した「カーヴ」。トーラスはブラジルの銃器メーカーで、S&Wやコルトのリボルバーをライセンス生産していたが、オリジナルの銃を出していくことで人気を高めていく。特に「トーラスレイジング・ブル」シリーズは大きな人気となって、アメリカ市場で存在感を示した。

【TAURUS 44】
「TAURUS 44」、こちらはトーラス社の実銃の写真。狩猟用リボルバーで、ステンレス製。銃身先端にフラッシュハイダーを備え銃の跳ね上がりを抑えるなどの工夫がある

 その後オートマチックピストルや、サブマシンガンなど様々な新製品を出したトーラスがアメリカ市場で需要の高まっていた「コンシールドキャリー」、銃を持っているのがわからないような小型のピストルという方向性で開発したのが「カーヴ」である。

【外観】
銃の右側面、トリガーガードと一体化したデザインが特徴的だ
銃の左側面
前面、銃身の下にはライト&レーザーが設置されている。エアソフトガンではダミーとなっている
グリップが曲がっている、非常に印象的なデザインだ

 「固定スライドガスガン カーヴ」の細部をチェックしてそのデザインを見ていこう。ぱっと見て目につくのが、トリガーガードと一体化している銃身下のフレーム部分。ここにはライトとレーザーが搭載されており、射撃時に前方を照らすことができる。

【ライトとレーザー】
ライトとレーザー部分のアップ。製品ではダミーで、発光しない
トリガーの前部分にライトのスイッチのモールド。こちらもダミーだ

 丸みを帯びたデザインと、トリガーガードと一体化したフレームは、「P-90」のような独特のデザインセンスを感じさせる。まるでSF映画に出てくるような、一般的な銃器イメージから少し外れた"未来感"のあるデザインだ。ちなみに「固定スライドガスガン カーヴ」ではライト&レーザーの電源スイッチも造型されているがダミーであり、ライト&レーザーは搭載されていない。

【P-90】
FN社のサブマシンガン「P90」。画像は東京マルイの「電動ガン スタンダードタイプ P-90」。これまでの銃器にない独創的なデザインだ

 そして最大の特徴がその名の通り、"カーブ(曲線)"を描くそのボディだ。正面から見ると銃が緩い弧を描いているのだ。"曲がった銃"というのは思わず2度見してしまいそうな、ユニークな個性と言えるだろう。

 「カーヴ」はズボンの内側にこの銃を収納できる。銃の右側に取り付けられたクリップでズボンに固定でき、銃の曲線が体にフィットする。固定スライドガスガンシリーズは今回で4製品目だが、他の製品と異なり専用のホルスターがなくても銃を服の中に隠し持つことができる。

【クリップ】
銃の右側についたクリップ。引っかけることでホルスターなしに服に取り付けられる

 フォルム、カーブという大きな特徴に加え、全体的な丸み、出っ張りの少なさも特筆するところだ。引き抜く際、服に引っかかりがないところだ。本製品は固定スライドで、ブローバックはしないが、薬莢を外側に掻き出すエキストラクターは別パーツで再現されている。スライドを引くための指の腹を引っかけるチェッカリングなど実銃の要素をしっかり再現している。カーヴというユニークな銃の魅力をたっぷり楽しめるようになっているのだ。

 滑り止めはグリップ前部と後部に配置されている。スライドの尾部には白線で十時が描かれている。この目印によってカーブを描いている銃をしっかりまっすぐにぎることができるだろう。銃の狙いはこの白いラインをリアサイトに、スライド上部の小さな出っ張りがフロントサイトとして機能する。

 この出っ張りは実銃では弾が入っているときだけ持ち上がる「ローディングインジケーター」だが、ガスガンの場合は起き上がった状態で固定されている。出っ張りはかなり小さく、一見目立たないが、実射するときにその重要性を実感できる。狙いをつけるのにとても有用なのだ。

【銃のディテール】
大きめのトリガー。こちらもひっかかりにくそうなデザインだ
排莢口はカバーで覆われている。左側にエキストラクターが確認できる
グリップ後部の滑り止め
スライド後部の白いラインがリアサイトになる
スライド上部に持ち上がっているのが「ローディングインジケーター」。フロントサイトとして機能する

 また、この銃はマガジンを取り外すボタンはなく、マガジン下部のくぼみを両側から押すことで取り外せるようになっている。製品では10発のBB弾をセット可能だ。マガジンの形状はまっすぐで、このマガジンが湾曲したグリップにするりと入っていくのはちょっと面白い。スムーズに出し入れでき、設計の見事さも感じる。

 「固定スライドガスガン カーヴ」はやはり他の銃にはないユニークなポイントが多くあるのが面白い。湾曲していて、曲線主体の近未来的なデザイン。その小ささも含めて、コレクションしたくなる製品だ。次ページでは実射性能を紹介していきたい。

【マガジン】
マガジン下部の両側の窪みを押すとロックが解除される
ガスタンクを兼ねるマガジン。BB弾を10発装填できる