レビュー

「『戦闘メカ ザブングル』 アイアンギアー」レビュー

ランドシップのアイアンギアーとしてベストなシルエットを再現。付属のウォーカーマシン群を絡めればさらに楽しい

 下半身を組み立てて、後部に上半身を乗せればランドシップアイアンギアーの完成だ。完成時の全長は全長337mm。設計時はウォーカーマシンの形状から3D CGを作り、それをCAD内で変形させてランドシップを作ったそうで、破綻のないバランスのシルエットになっているのが素晴らしい。ボリュームはあるが大きすぎず、ディスプレイにも適したサイズと言える。1/500スケールということで、表面のディテールも適度な情報量で軽くスミ入れをするだけでも見栄えはさらに良くなるはず。

 下面はつま先の裏側の形状により、そのまま置くと機体前方がわずかに浮いてしまうのだが、キットにはクリアー成形の板状スタンドが付属していて、これを取り付けることで、浮き上がりを解消するのと同時に、機体が地面からわずかに浮遊したランドシップ走行時の状態を再現できる仕様だ。

未塗装の素組みでもしっかりとアイアンギアーとわかる色分けになっている
艦橋はカーゴ一家の1番艦の形状。2番艦は他機種のバリエーションも発売されるのだろうか
武装の砲身は可動する
格納庫内部にもディテールがある
エンジンのノズルの内部などもしっかり作りこまれている
下面のホバーノズル周辺。設定で見えないディテールは新たに作り起こしたそうだ
付属のスタンドを取り付ければ、機体をまっすぐに設置でき浮いた状態を再現できる

 そしてこのキットには、アイアンギアーと同じスケールのウォーカーマシンが合計10体も付属している。ザブングル・タイプ、ザブングル・カー、ラッド11・タイプ、ギャロップ・タイプ、クラブ・タイプがそれぞれ2体ずつあり、無可動ながらディテールは細かなところまで捉えている。それぞれの裏側に目立つ肉抜き穴を埋めるパーツが用意されていたことも嬉しいところで、塗装すればさらに完成度は上がるはずだ。なおザブングルとザブンングル・カーには、赤や黄色などの色分け部分をフォローするデカールも用意されている。

組み立て前のウォーカーマシン群は背面に肉抜き穴が目立つが、それを塞ぐパーツがある
ザブングル・タイプ。翼をカットすればジロン機も再現できる
ザブングル・カー。トレーラー状態で連結部は可動する
ギャロップ・タイプ。背面の荷台も再現
トラッド11・タイプ。ギャロップと共にアイアンギアーで愛用された
クラブ・タイプ。居住性を確保した四角いコクピットが特徴
サイズ比較は設定通りのこのような感じに
ウォーカーマシンを置くだけで楽しくなる
小型の機体なら格納庫にも入れられる

 筆者は昨年の模型ホビーショーで試作品を取材して、その企画意図や設計に感銘を受け、発売への期待を高めていたキットで、それに応えてくれる完成度を誇っていた。変形機構をオミットして作りやすさを重視した方向性も個人的に評価したいところだ。色分け用のデカールを狭い面に貼るのは若干難易度が高かったのだが、こういうキットを作って慣れておくのもいかもしれない。

筆者の私物である過去のアイアンギアー玩具との比較。上がクローバーの「アイアンギアー 変形デラックス」、下がバンダイの「超合金魂 アイアンギアー」で、共にランドシップ形態に変形させたもの。ハセガワのアインギアーはこれらよりも小さめだ

 「ザブングル」シリーズ筆頭がアイアンギアーというのもハセガワらしいと思える商品展開で、このたび発表されたウォーカーマシンのザブングルだけでなく、これまで立体化の機会がなかった他のランドシップの発売にも期待がかかるところ。また同じアイアンギアー級のバリエーションやウォーカーマシン形態、あるいは今回付属したミニサイズのウォーカーマシン各種あたりもラインナップされるのではないかと個人的に妄想している。ちなみに劇中でイノセントが移動手段として使っていた“空飛ぶ機械”「B-25Jミッチェル」は、ハセガワもスケールモデルを発売していて、この1月の再販ラインナップに入っているので、これを劇中の設定で作ってみるのも面白そうだ。

4月1日頃の発売が決定したハセガワのザブングル。このアイアンギアーと同様、変形がオミットされたおかげで、プロポーションや可動を向上させている

 「ザブングル」の40周年イヤーはまもなく終了となるが、プラモデルの本格的な商品展開はこれからとなる。各社アイテムの売上や評判次第で今後の展開も決まってくるかと思うので、筆者は引き続き各社の「ザブングル」関連アイテムを追っていきたいと思っている。