レビュー

「『戦闘メカ ザブングル』 アイアンギアー」レビュー

ザブングルのプラモデルにハセガワも参戦。第1弾はカーゴ一家の初代アイアンギアー

【「戦闘メカ ザブングル」 アイアンギアー】

2022年12月28日 発売

価格:6,380円(税込)

スケール:1/500(公式表記は1:500)

サイズ:全長337mm×全高110mm×全幅163mm

 2022年に放映40周年を迎えた「戦闘メカ ザブングル」がプラモデルを通じて盛り上がりを見せている。同年末に発売されたグッドスマイルカンパニーの「MODEROID ザブングル」に続けとばかりに、年明け6日にはハセガワが「『戦闘メカ ザブングル』 ザブングル」を1/72スケールで4月に発売することを発表。同日のTwitterのトレンドに「ザブングル」が入るほどの話題となった。

 そんなハセガワが「ザブングル」のプラモデルシリーズ第1弾として2022年12月末に発売したのがこの「『戦闘メカ ザブングル』 アイアンギアー」だ。昨年の全日本模型ホビーショーで披露され弊誌でもレポートをお届けした、ランドシップ「アイアンギアー」(設定の正式名称は「アイアン・ギアー」)をプラモデル化したもので、ランドシップ形態で発売されるは初のことだ。

「『戦闘メカ ザブングル』 アイアンギアー」。2022年12月28日ごろ発売。価格:6,380円(税込)。

 近年はキャラクターモデルにも力を入れ、「CREATOR WORKS」なるシリーズで展開されるハセガワの最新キットを、素組み未塗装にてレビューしていきたい。

惑星ゾラを往来する商人達の船「ランドシップ」の最大クラスのアイアンギアーを、変形なしのランドシップ形態で立体化

 「戦闘メカ ザブングル」に登場するランドシップは、その舞台となる惑星ゾラで経済を取り仕切る交易商人達が使用する水陸両用艦船である。交通網を持たない惑星ゾラの住人の交通手段として大小様々なタイプが存在し、商人達はこの艦船を自らの住処とし、作業・戦闘用のウォーカーマシンや交易品の倉庫、そして移動手段として用いられる。

 そのランドシップの中でもアイアンギアーは最大級のクラスで、全長168.7m×全備重量49,890tという、機動要塞といっても過言ではない大きさを誇る。ウォーカーマシンへの変形機構を備えた最新の機体で、変形後の全高は128.6m。巨大なだけでなくランドシップ時の武装をそのまま転用できる強さを持っている。その一方、構造的に複雑で無駄な部分が多く、大きさの割に居住性が低いという欠点もある。

「『戦闘メカ ザブングル』 アイアンギアー」パッケージ。イラストは加藤単駆郎氏が担当

 今回キット化されたこのアイアンギアーはその1号艦で、支配者階級イノセントよりエルチ・カーゴの父親の交易商人キャリング・カーゴに2機のザブングル・タイプと共に供与されたものだ。劇中ではこの他に同級の「グレタ・ガリー」(メインカラーはイエロー)と「ギア・ギア」(メインカラーはブラック)が登場。25話で運び屋カラス・カラスのグレタ・ガリーとの戦闘でこの1号艦は大破し、カラスの戦死により持ち主がいなくなったグレタ・ガリーがアイアンギアー2号艦となった。(参考資料:「戦闘メカ ザブングル記録全集」、本キットマニュアル)

 巨大艦という設定のアイアンギアーのプラモデルはパッケージもかなり大きめ。実寸で横470mm×高さ105mm×奥行き270mmで、店頭で見かけて「でかい」と驚いた人もいるだろう。パッケージのイラストはボックスアートアーティストの加藤単駆郎氏によるもの。同じハセガワで艦船や航空機などのボックスアートを手がけている同氏の写実的なタッチが新鮮だ。

 このアイアンギアーのキットは変形機構がオミットされているため、パーツ自体はそれほど多くない。パーツによる色分けにも力を入れて設計されている分、キットの大きさの割に小さなパーツも存在している。組み立てに接着剤は必要ないが、外れやすいようなところは接着してもいいだろう。

ランナーA×2。カラーはレッド
ランナーB。カラーはレッド
ランナーC、D、E。カラーはホワイトで、3枚が連結
ランナーK×2、L。カラーはダークグレー
ランナーG、Q、R、S。カラーはレッドとオレンジイエロー
ランナーU、X×2。カラーはクリアーとライトグレー
水転写デカール