レビュー

攻略してマスターソードをその手に! パズル「はずるゼルダ」レビュー

「マスターソード」、「トライフォース」、「ハイラルの紋章」3モデルの手触りをチェック

【はずるゼルダ】

6月 発売予定

価格:各3,300円

 株式会社ハナヤマは、立体パズル「はずる」の「ゼルダの伝説」コラボモデルを6月に発売する。「マスターソード」と「トライフォース」、「ハイラルの紋章」の3モデルを用意。価格はいずれも3,300円。

 「はずる」とは、外す事とそれを元に組み直す事を目的とした金属製の立体パズル製品だ。特徴的なのはそのデザイン性の高さで、公式サイトを眺めていると、独創的な形状のモデルが数多く紹介されている。難易度はJAPAN MENSA協力の元、同社独自の設定で6段階となっている。

 今回発売されるゼルダの伝説コラボモデルは「マスターソード」と「トライフォース」、「ハイラルの紋章」の3製品で、いずれもゼルダシリーズをプレイした事がない人であっても、知っている物ばかりだろう。

 今回は発売前のサンプル品を事前にお借りできたので、これらのパズルとしての魅力やメタルフィギュアとしての魅力などについて語っていきたい。

「はずる」の「ゼルダの伝説」コラボモデル3製品が発売。メタルフィギュアとしての完成度も高い

「はずる」のポイントはとにかく「いじりまくる」こと!

 「はずる」がどのようなパズルか。説明では理解できても、ぱっと見で製品の様子を眺めていても何が面白いのか、ピンとこなかったので、「ゼルダの伝説」コラボモデルに実際に触れる前に先ずは何か試してみる事にした。

 公式サイトを眺めていたところ、これまでのコラボ商品として、ウルトラシリーズ初期の「ウルトラマン」の科学特捜隊のエンブレムや「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊のエンブレムを模したデザインの物なども発売している事が分かった。価格も2,000円前後に設定されており、金属製のボディ、精密な作りのパズルとしては安く感じられたので、これらを購入。

 手元に届いたウルトラシリーズ2製品はどちらも重厚感のあるメタルフィギュアとなっており、触れるだけでテンションが上がる。一方で最初に触れた時は、これがどのようにパズルとして成立しているのかがさっぱり分からない。ところが手元でかチャチャと弄っているうちに、段々とやるべき事や仕組みなどが見えてくる。

ウルトラシリーズの「はずる」のパッケージ
ウルトラシリーズの1つ、ウルトラマンに登場する科学特捜隊のエンブレムをモチーフにしたはずるで難易度は☆1
ウルトラシリーズの1つ、ウルトラセブンに登場するウルトラ警備隊のエンブレムをモチーフにしたはずるで難易度は☆4と高めだ

 「はずる」のコツは何と言っても「いじる」ことなのだ。「はずる」は正直、どこをどう操作したらどう動くか、というのが全く想像がつかない事が多い。そのため、先ずはあまり深く考えずにグリグリ、ゴリゴリといじってみるのがポイントだ。いじっているうちに想定内、想定外の動きを見せるようになるので、そうなったら今度はじっくりとどこが動いているのか、どこで止まるのか、どことどこがつながっているのか、といったパズルとしての構造を意識して「はずる」全体を観察して、試行錯誤を繰り返す。

 こうして弄ること数時間、ながら作業でもいいのでとにかく手元に置いておき、ぐりぐり、ゴリゴリと弄っていると新たな気付きがあり、気が付くと購入した2つの「はずる」は見事にその目的を達成することができた。

 いくつかの「はずる」を自力で解いた経験から、「はずる」の仕掛けは基本的に閃きが重要だ。そのため、強引な力業で外れたり、答えが出ることはない。全体がメタルで作られているため、そう簡単に壊れたり歪んだりすることはないが、答えが出る時は驚くほどスッと外れる。

 そして難易度についてだが、難易度の低い「はずる」は1度答えが分かってしまうと、後は何度でも繰り返し外したり組み直したりすることが簡単に行なえるようになる。一方で難易度が上がるほど、仕組みを理解したつもりでも、それを何度も組み直したり、はずすのに再度時間がかかってしまう。

 今回購入した2つのウルトラ「はずる」についても難易度1の「科学特捜隊」のエンブレムは、クリアするまでやたら時間がかかったが、1度その仕組みが分かった今では、何度やっても瞬間的に組んだりバラしたりできるのに対して、難易度4の「ウルトラ警備隊」エンブレムはクリアした後、そもそも元に戻すのもやたら苦労したし、さらに再度はずそうとしても、再度時間がかかってしまう。逆にいえば、1度クリアした後であっても、何度もパズルが楽しめるのが高難度「はずる」の魅力の1つと言える。

難易度☆1の「科学特捜隊」エンブレムだが、どうやってもうまく組み合わない。あれやこれやと試行錯誤を繰り返すが、どうにもならない。でもめげずにとにかく手元で色々と角度を変えたり向きを変えたりして試してみるのがいいだろう
うまくハマると驚くほど簡単にスポッとハマる。ポイントは向きや角度など普段考えないような向きで弄ってみることだ。とにかく弄りまくることが「はずる」クリアのコツと言える
「ウルトラ警備隊」エンブレムも無事にクリア!ゼルダの伝説に挑む前にこれらをクリアしたことで大いなる自信に結びついた

台座から剣を引き抜くシチュエーションを再現!何度も楽しめる「マスターソード」

 ということで、「ゼルダの伝説」コラボモデルについて見ていく事としよう。最初は最高難易度6が設定されている「マスターソード」だ。

 マスターソードが明確にその名前でシリーズに登場したのは1991年発売のSFC用アクション「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」で、それ以降もシリーズ定番の装備として登場してきた。「はずる」の「マスターソード」は台座に刺さった状態のマスターソードがモチーフとなっており、「はずる」を解くことでソードが抜けるようになっている。

 本体に触れると台座のずっしりとした重みとメタルの触感が心地よく、また組み立て状態では、ミニチュアとして飾っておくだけでも十分にカッコいい。人型フィギュアと組み合わせて飾るのも面白そうだ。

 剣が抜けそうで抜けないというもどかしいモチーフも、ゼルダシリーズにとどまらず、アーサー王伝説のエクスカリバーが連想されるなど、その完成度はかなり高い。台座にはハイラルの紋章が彫り込まれている。

 最初に着手した「マスターソード」だが、実のところ、外すこと自体は数時間でクリアできた。「マスターソード」についてのコツはとにかくグリグリすることだ。グリグリしているうちに剣と台座を繋ぐモノの正体が見えてくるからだ。また、同じパターンでグリグリしていても、マスターソードは抜けないため、強弱をつけるなど、いつもと異なる操作を織り交ぜることで抜くことができるだろう。

 難易度設定の6についてだが、かなり簡単にマスターソードを抜くことができたため、当初はもう少し優しめの難易度のように感じていた。ところが、外してご満悦のマスターソードを元に戻す段階で、高難度の理由の1つが理解できた。外れた時の心地よさとは裏腹にこれが全く元に戻せない。構造も理解できたはずなのに、なぜか最後の1段階が入らないのだ。結局戻す際にも同じくらい時間がかかってしまった。

 そして、この原稿を書く直前に再度外そうとしたが、これが全然はずれない。クリアした時の俺を呼び出してあれこれ問い詰めたいレベルで、なぜ抜けなくなったのかが理解できないが、1度クリアした物であっても、2度目、3度目に再度0からのスタートとなってしまう不思議さ。これが「はずる」の高難度パズルの深さと言える。

「ゼルダの伝説」コラボ「はずる」の「マスターソード」。難易度は最高難度の☆6
重量は実測で約106g
クリア後の「マスターソード」

重厚感のあるディティールが魅力の「トライフォース」初めの1手が勝負を決める!

 「トライフォース」は初代ファミコン版「ゼルダの伝説」から登場する、3つの三角形を組み合わせることで大きな1つの三角形となる謎の秘宝だ。全てのシリーズに登場する、ある意味ゼルダシリーズを象徴するアイテムとなっている。個人的にも、過去の「一番くじ ゼルダの伝説」にてゲットしたトライフォースの目覚まし時計を所持しているほど好きなアイテムだ。

 「はずる」の「トライフォース」はアイテムとしての重厚感がとにかく熱い。形状としてはシンプルな三角形の板なのだが、三角形ごとに異なる色味のメタルとなっており、歴史の重みが感じられる。こちらも手に持っているだけでも力と勇気と知恵が与えられそうな多幸感が得られる。

 「トライフォース」のコツとしてはこちらもとにかくグリグリだ。正直最初の1~2分はどうやったら解けるのかが全く見えず、途方に暮れるかもしれない。この形状から分かる通り、可動部分が全く見えてこないからだ。だが、角度を変えたり、色々やっているうちに、驚きのギミックで形状が変化することになる。ただし、そこからもう1つの閃きが必要になるので、形状が変化した後、完全に分解できるかは、勇者たちの閃き次第だ。

 難易度設定としては5となっているが、最後の閃きはそれに相応しい設定になっていると感じられた。ここでカミングアウトすると実は「トライフォース」については若干の力業でクリアした。と言っても別に無理矢理破壊したり、投げつけたりしたわけではなく、手の中でちょっと振っていたら外れてクリアできてしまったのだ。ただし、仕組みが分からないまま外してしまったため、元に戻すところで大層苦労し、その中でもう1つの閃きを得ることで、どうにか元に戻すことができた。

 先ほど原稿を書きながら再度トライしてみたが、こちらは比較的スムーズにバラして再び戻す事ができた。仕掛けが分かっていても最初の数分はどうやっても「トライフォース」が微動だにしなかったが、コツを思い出して弄っていたところ、バラバラッとあっさりバラす事ができ、元に戻すのもスムーズに行なえたので、仕掛けが分かれば容易に戻せる辺りが難易度5の所以と言えるだろう。

「ゼルダの伝説」コラボ「はずる」の「トライフォース」。難易度は☆5
重量は実測で約95g
クリア後の「トライフォース」

神々しさも感じる「ハイラルの紋章」は鎖モチーフで人によっては最高難度かも!?

 「ハイラルの紋章」は1998年発売のNINTENDO 64用3Dアクション「ゼルダの伝説 時のオカリナ」で初登場したハイラル王家の紋章だ。トライフォースを囲む鳥の翼をモチーフにしたデザインとなっており、こちらも以降のシリーズで登場するお馴染みの紋章となった。

 「はずる」の「ハイラルの紋章」は、メタル製の鳥の翼の紋章が鎖で縛られ、その周囲にトライフォースが浮かぶといったデザインで、鎖を活かしたデザイン性の高さが魅力のデザインとなっている。

 「ハイラルの紋章」のコツについてだが、実は筆者としては最初のうちは大いに戸惑ったし、何より一番時間がかかってしまったのが「ハイラルの紋章」だった。公式の情報では今回の3アイテムの中では最も低難度設定となっているのだが、正直、これが最低難度?と最初に見た時は首を傾げた。

 というのも前述のウルトラシリーズを含めて、筆者がこれまで遊んできた「はずる」はいずれもメタリックな立体物をガシガシと弄ってあれこれとトライして解法を模索する物ばかりだったのに対して、「ハイラルの紋章」は「はずる」にて筆者が触れた事のない鎖モチーフだったからだ。鎖はちょっといじるとすぐにこんがらがってしまうし、あまりに無茶な操作をすると、切れてしまう危険性もあって慎重に操作する必要もある。そのため、解法が全く見えてこない。

 ここでちょっと思考を変えて、冷静に鎖の動きに注目してみることにした。鎖がどこに引っかかっているか、どこに通っているかを確認しながら、手順を追ってみることで、何をどうすれば正解か、というロジックは理解できたが、それをどうすればいいのかが分からないまま5日間が経過してしまった。

 このようにパズルの解法が見えない時の解決手段はズバリ、しばらく忘れる事だ。解法を検索してしまうというイージーな方法もあると思うが、自力で解決したいがどうにもならない時は、しばらく放置するのが心身ともによい結果を招く。このような時であっても、今回のゼルダシリーズなら、クリア前の状態で十分カッコいいオブジェクトとなっているため、暫く飾って放置できるのはありがたい。

 そして5日目の朝、今回の「はずる」が“鎖”という従来のメタル系と異なる、まるで“紐”のような形状である点に注目した。さらに構造を再度見直した上で、とある超メジャーな紐にまつわるパズルを思い出す事で割とサクッと解法が発見できた。難易度4の設定については、確かに1度解法が分かるとすぐに再現が可能という点において納得の数値とも言える。

 とはいえ、これまで触れてきた「はずる」と明らかにタイプの異なるパズルに仕上がっていたこともあり、筆者個人としては最も高難度なパズルとなった。

「ゼルダの伝説」コラボ「はずる」の「ハイラルの紋章」。難易度は☆4
重量は実測で約124g
クリア後の「ハイラルの紋章」

オブジェクトとしてもパズルとしても魅力の「はずる」

 以上、3製品についてそれぞれ簡単にその感触を語ってみた。「はずる」自体がそもそも魅力的なオブジェクトを一見すると想像もつかないような解法で解いていくユニークなパズルであるのに加えて、それが「ゼルダの伝説」コラボのみんな大好きなアイテムで再現されているため、正直ゼルダシリーズのファンなら買わない理由がないだろう。

 オブジェクトとしての完成度も高く、「マスターソード」はそのサイズ感からも、「S.H.Figuarts」シリーズなどの人型フィギュアと組み合わせて使用したりすることもできるので、パズル以外にも楽しめる。

 また、個人的には不思議な魅力を感じる謎の「トライフォース」もおススメだ。トライフォースのオブジェクトは飾っておくと謎のピラミッドパワーが体内に注入されるような気がして、すごく好きなオブジェクトなので、メタリックなトライフォースのオブジェクトとしてだけ見ても「トライフォース」は十分に持っておきたいアイテムだ。

 個人的には「ハイラルの紋章」については、鎖モチーフに苦しめられたが、はずす前の状態で鎖を活かしてぶら下げておいたり、といった使い方もできるので、とにかく3製品ともお勧めしたいアイテムとなっている。

 「はずる」の「ゼルダの伝説」コラボモデルはいずれも、普段はゲームの中でしか見られないアイテムなどが立体化して手元にやってきたような実在感が魅力のモデルだ。パズルが苦手な人でもオブジェクトして完結しているため、ゼルダシリーズのファンなら必携アイテムと言えるだろう。

 また、パズルが好きな人は元より、これまで触れた事がなかったけど、こういった立体パズルに興味を持っている人ならこれを機会に立体パズル「はずる」の世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

手元にあったhideさんのフィギュアと組み合わせてみた。「え?俺に世界を救えっての?それって丸投げすぎない?」とhideさんが言ったかは定かではないが、「マスターソード」はこういったフィギュアと組み合わせて飾るのも面白い。なお、完全に戻しきれなくて、台座の根元が入り切っていないのはナイショだ
「トライフォース」はただ飾っておくだけでも十分に絵になる
「ハイラルの紋章」は鎖でぶら下げて飾るのがいい感じ