レビュー

Gunsmith BATON「BG-PCC CO2GBB」レビュー

ハンドガン「BG-17」とCO2マガジンを共有できるピストルキャリバーカービン

【BG-PCC CO2GBB】

開発・発売元:Gunsmith BATON

価格:98,780円(税込)

全長:673~740mm

銃身長:233mm

重量:実測2,149g(本体のみ)、実測2,469g(空マガジン、CO2 12gカートリッジ含む)

弾丸:6mm BB(0.2~0.28g)

動力源:CO2 12gカートリッジ

装弾数:24+1発

 BATONよりこれから始まる秋冬のサバゲーシーズンにピッタリなCO2ガスブローバックピストルキャリバーカービン「BG-PCC CO2GBB」が、11月9日に発売された。価格は98,780円(税込)。

 本商品は、Troy Industries正規ライセンスを取得したハンドガードを採用したハンドガンマガジンを使用する「PCC(Pistol Caliber Carbine/ピストルキャリバーカービン)」だ。PCCは、実銃においてフルサイズのライフルに比べて反動が少なく、マズルフラッシュや銃声も小さいというメリットがあり、M4ライフルの操作性を備えつつ「シューティングマッチ」に利用できる銃として人気を獲得している。ハンドガンと弾薬を共有できるのも大きなメリットだ。

CO2ガスハンドガン「BG-17 CO2GBB」とマガジンを共有可能。ハンドリングのしやすさも魅力

 CO2ガスガンである「BG-PCC CO2GBB」では反動、マズルフラッシュ、銃声は関係ないが、BATONが発売したCO2ガスハンドガン「BG-17 CO2GBB」とマガジンを共有できることは、実銃と同様のメリットといえる。もちろんフロンガスを使用するガスブローバックガンよりも冷えに強く、四季を通して安定して動作することは最大のアドバンテージだ。

 「BG-PCC CO2GBB」はまったく同じデザインの実銃が存在するわけではないが、ロアレシーバーはQuarterCircle10というPCC専門メーカーが販売している9mmロアーのデザインをモチーフにしている。またハンドガードについてはTroy Industriesの正規ライセンスを取得し、「Battle Rail SOCC105」のデザインを忠実に再現。9mmマガジンを収めるマガジンハウジングが小ぶりなこともあり、スマートでハンドリングしやすい銃に仕上げられている。

今回の「BG-PCC CO2GBB」と、CO2ガスハンドガン「BG-17 CO2GBB」はマガジンを共有。限られた弾薬を無駄なく使えるので、サバゲーにおいてもメリットは大きい

M4系ガスブローバックマシンガンと比べると約500g軽量

 「BG-PCC CO2GBB」は全長が673~740mm、銃身長が233mm。重量は本体のみで実測2149g、空マガジンとCO2 12gカートリッジを含んで実測2469g。M4系ガスブローバックマシンガンと比べると約500g軽量であり、光学機器を付けても取り回しが良好。ドットサイトを装着すれば、1日中サバゲーで携帯しても疲労は少ないはずだ。

 本商品には本体、BG-17 CO2 マガジン、説明書、保証書が同梱される。説明書は紙1枚のシンプルなものだが、QRコードが印刷されており、YouTubeで公開されている「BG-PCC CO2GBB 取扱説明動画」を視聴可能。CO2カートリッジの装着、BB弾の入れ方、射撃準備、セレクター、リロード、ホップ調整について解説されているので、購入時には必ずチェックしたい。また、本製品で使用する「BG-17 CO2 マガジン」における「3カ月ガス漏れ無償修理保証」を受けるためには、PUFF DINO製を使用している必要がある。

製品パッケージ。サイズは875×260×85mm
天面にも緩衝材が挟まれており、銃本体をしっかりと保護している
同梱品一覧(六角レンチ、CO2 12gカートリッジ6本は製品は含まれていない)
全長は673~740mm
右側面と左側面
右側面にはボルトキャッチ、セレクターレバーが用意
左側面にはマガジンキャッチボタンが配置。セレクターの刻印はあるがセレクターレバーは存在しない
G-17 CO2 マガジンと六角レンチ。六角レンチはL型タイプで、軸径は6mm
Gunsmith BATONが日本総代理店を務めている台湾「PUFF DINO」のCO2 12gカートリッジ(6本で660円)
重量は、本体のみで実測2149g、空マガジンとCO2 12gカートリッジを含んで実測2469g
BG-17 CO2 マガジンの実測重量は279g、CO2 12gカートリッジの実測重量は41g
【[BATON airsoft] BG-PCC CO2GBB 取扱説明動画】

実用上十分な剛性は確保、塗装の質感も満足いくクオリティー

 「BG-PCC CO2GBB」はアッパーレシーバー、ロアレシーバー、ハンドガードが金属製となっている。今回使用した製品ではアッパーレシーバーとロアレシーバーの間にわずかなガタツキはあったものの、実用上十分な剛性は確保されている。塗装の質感も満足いくクオリティーだ。フィールドで走り回っても問題ない。

 一方で、フラッシュハイダーの先端にはスパイクが設けられており、CQBなどの狭い場所では他のプレーヤーにぶつけないよう注意が必要だ。フィールドによっては使用できない場合もあるのでマズルのアタッチメントを別途用意しておくといいかもしれない。

 米国の銃器メーカー・Troy Industriesの正規ライセンスを取得している細身かつ7面にM-LOKスロットがずらりと並ぶ10.5インチのハンドガードに加えて、ストラップで前腕を固定することで片手撃ちでの操作性を向上するストック「Brace-Style Retractable Stock for M4 Series」が採用されている。

 さらに、CO2 12gカートリッジが覗ける「BG-17 CO2 マガジン」を装着すると、フロンガス対応ガスブローバックガンや電動ガンのPCCと“ぱっと見”で違いがわかる。「BG-PCC CO2GBB」はGunsmith BATONとしては初めてのCO2ガスブローバックマシンガンだが、それにふさわしい注目度を備えていることは間違いない。

 なお、実際のM4系統にあるボルトを強制的に押し出すための「フォワードアシストノブ」は可動するが、他のガスブローバックマシンガンと同様で、実際の銃と同じように閉鎖不良時には使用しないほうがいいだろう。

右側面には「BG-PCC CO2GBB CAL. 6.00 MM JASG BA025282」、「Gas Blow Back SBR Made in Taiwan」の刻印が記されている
スリムなハンドガードは10.5インチ。7面にはM-LOKスロットがずらりと並んでいる。右側面にはTroy Industriesの正規ライセンスを取得した証のロゴが刻まれている
フラッシュハイダーの先端にはスパイクが設けられている。サバゲーでの近接戦闘では取り扱いに注意しよう
フラッシュハイダーからは金色のインナーバレルが見える(絶対に肉眼で覗いてはいけない)
チャージングハンドルを引くとボルトが後退し、ポートカバーが開かれる
実銃でボルトを強制的に押し出すための「フォワードアシストノブ」は可動するが、ほかのガスブローバックマシンガンと同様に使用しないほうがいい
ストックには片手での射撃時に操作しやすくするための前腕を固定するストラップが用意
ストックの長さは5段階で調整できる
ストラップで前腕を固定すると片手で保持しやすくなるが構えを左右に切り替えられなくなるので場面ごとに使い方を変える必要がありそうだ
フロントサイトは高さを調整できる。なお工具は同梱されていない
リアサイトは左右の位置を調整できる
リアサイトの穴は2段階で調整可能
マガジン挿入口からはボルト先端が見える
グリップは中空で、軸径4mmの六角ネジで固定されている。実銃用グリップを装着可能
マガジンのサイズは実測22.6×32.6×132mm(マガジンボトムの幅を除く)
マガジンボトムをはずすと金属製の円形ベースカバーが現われる
「BG-17 CO2 マガジン」の装弾数は24発

ホップ調整は手軽、整備性は他社のガスブローバックマシンガンと同等

 エアガンで頻繁に調整する機構といえば「ホップ調整」だ。「BG-PCC CO2GBB」はアウターバレルの根元にダイヤル式のホップ調整アジャスターが用意されており、割り箸などを使用すれば簡単に調整できる。分解が必要だったり、特殊工具を使用するガスブローバックガンなどと比べれば、ホップ調整がしやすい。ホップ調整は反時計回りに回転させるとホップが強く、時計回りに回転させるとホップが弱くなる。

ダイヤル式のホップ調整アジャスターはアウターバレルの根元にある。反時計回りに回転させるとホップが強く、時計回りに回転させるとホップが弱くなる。なお調整用工具は用意されておらず、割り箸を使用することが推奨されている

 通常分解も手軽で、テイクダウンピンを抜けば、アッパーレシーバーを開き、チャージングハンドル、ボルトをすぐに引き抜ける。この状態で、チャンバーや作動部(ハンマー付近、シリンダー内、バッファ)にシリコンスプレーなどを注油すれば通常メンテナンスは完了する。整備性は他社のガスブローバックマシンガンと同等だ。

 本製品が初めてのCO2ガスブローバックガンという方もいるかもしれないので、最後にCO2 12gカートリッジの交換方法について注意喚起しておく。カートリッジを交換する際には、必ずガスを使い切ってから、さらに「放出バルブ」を押してガスを完全に抜くことを徹底してほしい。この確認を怠ると、交換の際にカートリッジが飛び出して事故、怪我する可能性がある。筆者も自分自身と周囲の方を怪我させないように、緊張感を持ってCO2ガスというパワーソースと付き合っていく。次のページでは実際に射撃した際のグルーピングなどについて紹介していく。

マガジンを抜き、ボルトが閉じている状態でテイクダウンピンを押し込む。チャージングハンドルとボルトを引き抜けば通常分解は完了だ
ボルトの実測重量は174.9g
CO2 12gカートリッジを装着するためには、まずはマガジン前面下部のストッパーをずらして、マガジンボトムをスライドして取り外す。その後マガジン底部の円形ベースカバーを取り外してから、CO2 12gカートリッジを挿入する。最後にベースカバーを六角レンチで軽く締め込んで、接触する手応えを感じたら素早く締め込む。締めすぎるとガスケットを傷めてガス漏れの原因となるので要注意
準備完了。あとはBB弾を詰めるだけだ
CO2 12gカートリッジを交換する際には、必ずガスを使い切り、さらに「放出バルブ」を押してガスを完全に抜くこと。どんなに疲れているときでも実施するように習慣化してほしい